ねこが大好きだから、飼うだけではなくねこに関わる仕事、ねこと一緒にできる仕事 がしたい!
そんなねこ好きさんも多いのではないでしょうか。
ねこと関われる仕事はたくさんあり、資格や経験が必要ないものも少なくありません。
今回の記事では、ねこに関われる仕事とそのなり方について解説します。
まずはねこをケアし、健康や美しさを守る仕事をご紹介します。
命を預かる責任は重いですが、直接ねこと関わることができ、ねこを幸せにできるやりがいのある仕事です。
「獣医師・看護師」「トリマー」「ペットホテル・ペットシッター」「アニマルシェルター」についてお話します。
「ねこと関わる」と聞いて最初に思い浮かぶのが動物病院で獣医師や看護師として働くことかもしれません。病気やけがをしたねこを助けたり、ワクチン接種や避妊・去勢手術を受けさせたりと、ねこの命と健康を守る重要な仕事です。
獣医師になるためには、人の医師と同じく国家資格が必要です。獣医学課程のある大学で6年間学んだあと、国家試験を受けて合格しなければなりません。
獣医学科の偏差値は64~71とかなり高めですが、国家試験の合格率は80%程度であり、しっかり勉強すれば獣医師になることは難しくありません。
重要なのはその後、現場での経験を積みながら、最新の動物医療を学び続けることです。
また、動物病院の看護師は、無資格でもなれないことはありません。
しかし2022年5月より愛玩動物看護師法が施行され、愛玩動物看護師が国家資格になりました※。
今後動物病院の看護師を目指すのであれば、カリキュラムのある大学もしくは専門学校で学び、国家試験を受けて資格を取る方が良いでしょう。
就職にも有利ですし、採血やマイクロチップ挿入といった診療補助もできるようになります。
※愛玩動物看護師法の詳細については、以下のリンクを参照してください:
愛玩動物看護師法 – Wikipedia
動物病院での仕事がねこの「お医者さん」「看護師さん」なら、トリマーはねこの「美容師さん」です。
ねこの毛のカットやスタイリング、ブラッシング、シャンプーをしてねこを美しくするほか、爪切り、耳掃除、健康チェックなども行います。
人の美容師とは異なり国家資格はなく、民間資格のみです。そのためペットサロンに就職し、仕事をする中でトリマーとしての技術を学ぶこともできます。
しかし、即戦力が求められる仕事であるため、やはり専門学校で知識と技術を学ぶ方が良いでしょう。
卒業すると民間資格を取れるのも専門学校の強みです。
ペットホテル・ペットシッターは、飼い主の代わりにねこの世話をする仕事です。
ペットホテルは動物の仕事や旅行などで飼い主が家を空け、ペットの世話ができない時に預けるための宿泊施設です。
動物病院やペットサロンに併設されている場合もあります。
ペットシッターは飼い主が不在の時に家まで訪問し、ねこの世話をする仕事です。
いずれも基本的な世話のほか、遊んだり健康や空調などの飼育環境をチェックしたりと、ねこが安全に楽しく生活できるよう気を配らなくてはなりません。
また、飼い主にねこの状態やお世話の内容を報告するのも大切な業務です。
ペットホテルの勤務やペットシッターには特別な資格は必要ありませんが、上記のような獣医師、看護師、トリマーの資格の他、「愛玩動物飼養管理士」の資格があると有利です。
また、ペットホテルを自分で開業する際には、「第一種動物取扱業者」の登録をしなくてはなりません。
またその際には「動物取扱責任者」の設置が必要になるため、自分で取得する必要がある場合もあります。
アニマルシェルターはねこや犬を保護し、世話をしたり里親を探したりする施設です。
動物を保護し、ご飯やトイレ、運動といった世話をします。
シェルターに保護される動物は心身ともに大きなダメージを負っていることが多く、特別なケアが必要になります。
基本的に無資格でも働くことは可能ですが、獣医師や看護師、愛玩動物飼養管理士の資格があり、動物関連の業務経験があるとより活躍できるでしょう。
また、動物の世話だけではなく保健所や行政機関とのやりとり、譲渡会やホームページの運用、電話対応や書類作成といった事務作業もあります。
24時間365日待ったなしの動物のお世話の中で、事務作業をこなしていく事務処理能力も求められるでしょう。
また、アニマルシェルターを自分で作る場合は、10頭以上(ねこの場合)飼育するのであれば「第二種動物取扱業」の届け出が必要です。
第一種との違いは非営利であることで、第一種と異なり審査や更新の必要がないなど、規制も緩やかです。
獣医師と並んでねこと直接関われる仕事として連想しやすいのが「ペットショップ」や「ブリーダー」なのではないでしょうか。
ねこと人とのご縁をつなぎ、幸せを運べる、これもやりがいのある仕事です。
それぞれの仕事内容となる方法についてご紹介しましょう。
ペットショップは動物やその飼育をするためのグッズを販売しているお店です。
そこで働くペットショップ店員の仕事としては、生体の販売・管理や掃除、接客、商品陳列、事務作業などが挙げられます。
業務が多く立ち仕事であるため、体力がなければできないでしょう。
特に資格は必要ありませんが、「家庭動物管理士」の資格があると有利です。
これはペットの生体に関する知識や販売のための接客技術に関するもので、まさにペットショップ向けの資格であるといえます。
それに加え、上記でご紹介したような資格があると良いでしょう。
また、ペットショップを自分で開業する際には、ペットホテルと同じく「第一種動物取扱業者」の登録及び「動物取扱責任者」の設置が必要です。
ブリーダーは動物の交配、育種、生産を行う仕事です。
ねこのブリーダーとしては、キャットショー向けのねこを育てるショーブリーダーと、ペットショップもしくは直接飼い主にねこを売るブリーダーがあります。
猫種の特徴や資質を理解したうえで、優れた血統のねこを繁殖させていくのがブリーダーの役割です。
そのためにも適切な健康管理、繁殖計画が必要になります。
特に母ねこと赤ちゃんねこは、きめ細やかなケアが必要になりますので体力も神経も使います。
ブリーダーに関しても資格は不要ですが、上記でご紹介したような動物に関する知識があることを示す資格があると良いでしょう。
自分の飼っているねこを繁殖させて副業でブリーダーをしている人もいますが、本格的にブリーダーになりたいのであれば、プロのブリーダーのもとで働き、知識・経験の土台をしっかり固めておくことが重要です。
また、ブリーダーとして開業するためには「第一種動物取扱業者」の登録及び「動物取扱責任者」の設置が必要です。
次に、「ねこと働く仕事」をご紹介します。もちろん主役はねこで、人間はプロデューサー、もしくはお世話役といった感じです。
ねことも人ともうまくやっていかなければならず気を使う仕事ですが「同僚」のかわいい姿やマイペースな行動に癒されることも多いでしょう。
「ねこカフェ」「動物園」「動物プロダクション」について解説します。
ねこカフェは名前通りねこのいるカフェです。
ねこたちを眺めながら飲食ができるほか、ごはんをあげたりおもちゃで一緒に遊んだりできるサービスを行っている所もあります。
ねこカフェで働く場合、ねこのお世話ももちろんですがカフェ業務も重要な仕事です。
通常のカフェと同じくキッチンとホールがあり、キッチンではドリンクやフードの調理、ホールではお客さんからオーダーを取ったり、ドリンクやフードを運んだりします。
また、SNS投稿のための写真撮影や記事執筆、フロアの掃除なども業務の一つです。
ねこカフェの仕事は、ねこが好きなのはもちろんのこと、人が好きでないと務まりません。
ねこの世話をしながら接客業務をこなすためのマルチタスク能力や連携力も重要です。
また自身でねこカフェを経営するためには「第一種動物取扱業者」の登録及び「動物取扱責任者」の設置はもちろんのこと、飲食物を製造・販売する場合には「飲食店営業許可」の取得と「食品衛生責任者」の資格が必要です。
動物園にはもふもふの姿がかわいいマヌルネコや高貴な姿をしたカラカルといった、イエネコとは違った魅力を持つねこたちがたくさんいます。
また、大阪のワールド牧場や香川のしろとり動物園、また静岡市のねこの博物館などではイエネコがいて、触れ合いも可能です。
そうした動物園のねこたちのお世話ができるのが、動物園の飼育員です。
飼育員は動物のごはんの準備や給餌、健康チェックを行なうほか、動物舎やケージの掃除、飼育日誌の記入、イベントの企画・運営、広報活動など、動物園の運営業務全般を担います。
必須の資格はありませんが、先述の「獣医師」「愛玩動物看護師」「愛玩動物飼養管理士」があると役立ちます。
また「飼育技師」や「学芸員」の資格もあると良いでしょう。
動物プロダクションは、テレビや雑誌、イベントに出演する動物を管理する仕事です。
動物の世話をするだけではなく、演技のトレーニングや出演のスケジュール管理、送迎を行います。
動物専門のプロデューサー、マネージャーといったところでしょうか。
しかし、動物は人間と違って思うように仕事をしてくれません。
特にねこは環境の変化に弱くマイペースなため、精神的なケアや適切な指示が非常に重要です。
そのためにも、自分が担当する「俳優」の生態や個性を把握し、普段から信頼関係をしっかり構築する必要があります。
それに加え、マネージャー業務として依頼先との打ち合わせが必要になるため、コミュニケーション能力やスケジュールを管理する能力も求められます。
資格は必要ありませんが、やはり動物の管理ができることが分かる資格があると有利です。
ねこに関われる仕事とその内容、必要な資格や条件をご紹介しました。
いずれもねこの命や安全を守ることが重要になるため、ねこに関する知識や経験はもちろんのこと、愛情や気力、体力がなくては務まりません。
大変な仕事ですが、ねこと一緒に働ける、ねこを守り幸せにできる経験は、その大変さに報いるほどの大きな喜びをもたらしてくれるでしょう。
※必要な資格についての注意事項
【1】情報は2022年9月現在のものです。資格名や各職業において求められる資格は今後変更になる可能性があります。
【2】必要な資格は各企業・施設によって異なります。「資格が必要ない」と紹介している仕事に関しても、企業・施設によっては資格が求められる場合がありますのでご注意ください。