2024.03.10
ねこの病気
ねこの毛玉対策を徹底解説!体の外も中も毛玉レスにしよう!

ねこの毛玉対策を徹底解説!体の外も中も毛玉レスにしよう!

ねこの魅力の一つであるモフモフ、サラサラの毛。触っているだけで幸せな気持ちになりますね。でも、毛玉になると話が変わってきます。

お腹の中で毛玉が溜まってしまったり、毛の表面に毛玉ができてしまったりすると、ねこの健康を損ねてしまうのです。

ねこの体の外側も内側も毛玉レスにして、元気に過ごしてもらうためにはどうすれば良いのでしょうか。

今回は、ねこに毛玉ができる原因と毛玉対策についてお話します。

 

目次

1.ねこの毛玉トラブル【体内編】
∟1-1.毛玉を吐く理由
∟1-2.毛玉を吐けないと「毛球症」になることもある
∟1-3.毛玉を吐けている場合も注意が必要
2.体の中の毛玉対策
∟2-1.ブラッシングをする
∟2-2.体の中から毛玉ケアをする
∟2-3.ストレスの軽減
3.ねこの毛玉トラブル【体の表面編】
4.体の表面の毛玉対策
∟4-1.毛玉の予防方法
∟4-2.毛玉の取り方
まとめ

 

1.ねこの毛玉トラブル【体内編】

ねこの毛玉トラブルは大きく分けて体内(毛玉を吐く)、体外(毛の表面に毛玉ができる)の2つに分けられます。

まずは体内での毛玉トラブルについて解説しましょう。


 

1-1.毛玉を吐く理由

愛猫が急にゲコゲコとえづき始め、毛玉を吐き出す…そんな経験をしたねこ飼いさんも多いのではないでしょうか。でも、それは決して異常なことではありません。

ねこはこまめにグルーミング(毛づくろい)をする動物です。その際に毛を飲み込んでしまい、おなかの中に溜まってしまうことがあります。

少量であればうんちと一緒に出てきますが、毛が多いと毛玉になって胃の中に溜まります。

その毛玉を吐いて排出するというわけです。

特に長毛種のねこや換毛期のねこは毛が抜けやすいため、たくさんの毛を飲み込んでしまい体の中に毛玉ができやすくなります。

また、多頭飼いをしている場合で、仲間のグルーミングを良くするねこも要注意です。

自分だけではなく、他のねこの毛を飲み込んでしまうため、大きな毛玉ができる恐れがあります。


 

1-2.毛玉を吐けないと「毛球症」になることもある

ねこにとって、毛玉を吐くのはごく自然な行為であり、時々行う程度であれば心配はありません。

むしろ、吐けない方が問題です。体内に溜まった毛玉によって、ねこが病気になる恐れがあるためです。

うんちや吐くことで毛玉を排出できなかった場合、胃の中に毛玉が溜まり、食欲不振や便秘を引き起こす「毛球症」となります。放置していると毛玉が腸に詰まり、腸閉塞や腹膜炎といった重篤な症状を引き起こすこともある恐ろしい病気です。

軽度であれば毛球除去剤を使って毛玉を排出することもできます。しかし、重度の場合は開腹手術や内視鏡手術が必要になることがあり、ねこの体に大きな負担がかかります。


 

1-3.毛玉を吐けている場合も注意が必要

ねこが毛玉を吐くことができている場合も注意が必要です。

毛玉を吐いているように見えて、実は嘔吐を伴う病気が隠れていることがあるかもしれません。

ねこが毛玉を吐くところを観察し、以下のような特徴が見られた場合は獣医師に相談しましょう。

  •  ・一日に何度も吐く
  •  ・食欲がない
  •  ・便秘や下痢をしている
  •  ・吐いたものの中に血や異物が混じっている

 

2.体の中の毛玉対策

ねこの胃の中に毛玉が溜まるトラブルは、以下のようなケアをすることで解決が望めます。


 

2-1.ブラッシングをする

ブラッシングをして余分な毛を取り除くことで、飲み込む毛の量を減らすことができます。

ねこ用のブラシにはさまざまな種類がありますが、短毛種はラバーブラシ、長毛種は毛の奥までしっかりとかせるスリッカーブラシや、柔らかい毛を優しくとかせる獣毛ブラシが向いています。毛の流れに沿って丁寧にブラッシングをしてあげましょう。

ブラッシングはねことのコミュニケーションにもなりますし、ねこの体に触れることで皮膚病や腫瘍などの早期発見にも役立ちます。

しかし、ブラッシングを嫌がるねこも少なくありません。また、ブラッシングは好きでも、特定の箇所を触られるのを好まないねこもいます。特に毛玉ができやすいおなかや足の先は、ねこが触られるのを嫌う場所でもあります。

ブラッシングをする時には、ねこのストレスにならないよう声をかけながら、優しくブラシをかけてあげましょう。ブラッシングが終わった後にごほうびのおやつをあげれば、ねこもブラッシングの時間を楽しみにしてくれるかもしれません。


 

2-2.体の中から毛玉ケアをする

毛玉ケア用のフードやサプリ、猫草を使って、体の中から毛玉対策をするのも良い方法です。それぞれの特徴や与え方をご紹介します。

【1】 キャットフード

毛玉ケア用のキャットフードには食物繊維が多く含まれています。食物繊維は腸のぜん動を活発にして消化を促進します。また、フード自体も消化が良く、体の中に長く留まりません。早い段階でうんちになり、毛も一緒に排出されます。

【2】サプリメント

他のケアのために特別なフードをあげているなど、毛玉ケア用のキャットフードを使えない場合はサプリメントを利用するのも一つの手段です。

毛玉ケア用のサプリメントにはワセリンやグリセリン、流動パラフィンなどが含まれており、体内にある抜け毛をうんちと一緒に出しやすくする効果があります。

ペースト状になっており、ねこに舐めさせるものが多いようです。

また、フードに混ぜてあげられるふりかけタイプや顆粒タイプのものもあります。こちらは食物繊維が多く含まれており、腸の動きを良くする働きがあります。

【3】猫草

猫草も毛玉ケアに有効です。猫草を食べると、葉の表面の細かいトゲが胃を刺激し、毛玉を吐きやすくなります。また、含まれている食物繊維が便通を良くして、うんちと一緒に毛を出しやすくなる効果も期待できます。


 

2-3.ストレスの軽減

ストレスの軽減も大切な毛玉ケアの一つです。

ストレスを感じると過剰にグルーミングをしてしまうため、毛玉が体内に溜まりやすくなります。また、ストレスにより食欲不振や消化不良を起こしてしまうと毛玉の排出が遅れてしまいます。

ねこのストレスの原因になるのは、環境の変化や不適切な飼育環境、運動不足などです。思い当たるものがある場合は、その原因を取り除いてあげましょう。

 

3.ねこの毛玉トラブル【体の表面編】

ねこの体内だけではなく、体の表面にも毛玉ができることがあります。

ねこの毛は毛根から先にむけてささくれ状になっているものがあります。毛流れに沿ってグルーミングをする場合はお互いに引っかかり合うことはないのですが、毛が乱れて向きがバラバラになったり、抜け毛が毛の表面に残っていたりすると、ささくれ同士がもつれあって毛玉になってしまうのです。

毛玉があると毛の通気性が悪くなり、ゴミやほこりが溜まって皮膚病の原因になります。また、毛玉が引っ張られることで皮膚が引きつれ、痛みを感じることもあるようです。

特に毛玉ができやすいのはやはり長毛種のねこです。長毛種のねこは毛が長く柔らかいため絡まりやすく、毛玉同士がもつれ合ってさらに大きな毛玉になることもあります。

また、高齢や病気、ケガなどによりグルーミングの回数が減ると、毛流れが乱れたり、毛の中にほこりやゴミが溜まったりすることで、毛玉ができやすくなります。

 

4.体の表面の毛玉対策

毛の表面に毛玉を作らないための対策と、毛玉ができた時の取り方をご紹介します。


 

4-1.毛玉の予防方法

最も良い毛玉ケアはブラッシングです。体内にできる毛玉と同じく、無駄な毛を取り除くことで体の表面にも毛玉ができにくくなります。

また、シャンプーも有効です。ねこの皮膚にはアポクリン汗腺がたくさんあり、そこから分泌物が出ます。分泌物は油性のため、汚れが吸着したり、毛同士が絡まったりしやすくなり、毛玉の原因になるわけです。

シャンプーをすることで皮膚の余分な分泌物を洗い流し、毛玉防止になります。


 

4-2.毛玉の取り方

予防をしても毛玉ができてしまった、という場合は、以下のような方法で取り除くことができます。

【1】小さな毛玉の場合

小さな毛玉はくしやコームでほぐすことができます。毛を引っ張らないように根元を片手で押さえて、毛の流れに沿って毛玉をときほぐしましょう。毛

玉が大きくなっていたり、固くもつれたりしている場合は、はさみで切ります。ねこの毛玉ケア用のはさみもありますので、一つ用意しておくと便利です。

【2】大きな毛玉の場合

毛玉が大きくなると毛が激しくもつれ、フェルト状のふさになって体から垂れ下がります。

グルーミングができないどころか、毛が皮膚を引っ張って思うように体を動かせなくなる場合もあります。

こうなってしまうと、自宅でのケアは困難です。動物病院やペットサロンで処置を受けましょう。

 

まとめ

ねこの毛玉トラブルとその対策法をご紹介しました。毛玉ができるとねこの健康が損なわれることもありますので、飼い主がしっかりケアをしてあげなくてはなりません。

飼い主ができる一番の毛玉ケアはブラッシングです。余分な抜け毛を取り、毛の流れを整えることで、体の中も外も毛玉ができにくくなります。

また、食事や生活環境を整えることも重要な毛玉ケアになります。ねこの様子を見ながら適切なケアを行い、愛猫を毛玉トラブルから守りましょう。

 



   
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