見た目はアメリカンカールに似ているようにも感じますが、実際に見てみるとその大きさに驚いてしまうハイランダー(Highlander)。
それもそのはず、ハイランダーにはヤマネコの血が流れていることから、体は大きくとても野生的な体つきをしています。
そんなハイランダーとは一体どのようなねこなのか、ご紹介していきます。
※画像はハイランドリンクス
写真などで見るとよく見るねこのようですが、実際にはとても大きくオスの体重はなんと10kgにも達すると言われています。
そんなハイランダーは純血の家猫ではなく、ヤマネコとのハイブリッドです。
では、どのようにしてハイランダーは生まれたのか、また、どんな特徴があるのかをご紹介していきます。
ハイランダーが生まれた背景には、1980年頃から始まった野生動物と家で暮らすという動きがありました。
しかし、野生動物と言ってもそのままヤマネコと暮らすにはなかなか懐かないこともあるので難しく、家猫との交配が行われたのです。
ハイランダーは元々ハイランドリンクスと呼ばれていましたが、ハイランドリンクスの祖先に当たるねこはほとんどがヤマネコです。
アカオオヤマネコと家猫のハイブリッドであるデザートリンクスとヤマネコのジャングルカールの子がハイランドリンクスなのです。
ほとんどのハイブリッド猫種がハイブリッドと家猫の交配によるものでしたが、ハイランドリンクスはヤマネコの血の方が濃かったのです。
ハイランドリンクスが生まれたのが1995年だったにも関わらず、この時点で猫種としての登録は行われませんでした。
理由は、ヤマネコの血が濃かったため家猫というよりもはヤマネコだとされたためでした。
ハイランドリンクスが生まれた後も、様々な試行錯誤が行われて家猫として登録される努力がなされました。
そして2005年にハイランダーとして耳がカールした家猫の血が多く混ざったねこが生まれ、2008年にTICAからやっと猫種として登録されることとなります。
拝所にハイランドリンクスが生まれてから実に13年に歳月が経ってようやく猫種として認められたのです。
しかしながら、猫種として認めていない協会もあります。
理由は、ヤマネコとのハイブリッドは倫理的に問題があるとしているためです。
野生動物の血が入っている生き物と暮らすことが問題としているケースや、ハイブリッド種を作り出すことに疑問の声を上げる人々もいるためです。
ハイランダーの元となったハイランドリンクスの「リンクス」という意味は、オオヤマネコという意味です。
そもそもが最初の時点で家猫としてというよりもヤマネコの意味合いを多く持っていたのです。
そのため、ねこの血が多くなったハイランダーに名前が変わったことにも納得できます。
容姿は家猫ですが、その大きさと骨格、筋肉量からヤマネコという他の猫種にはあまり見られない特徴を持っているため、ハイランダーに惚れ込んでしまったら他の猫種は目に入らないくらい気になる存在になりますね。
日本でハイランダーを探すことは難しいくらいマイナーな猫種ではありますが、運良くハイランダーと暮らせることとなった際にはどのような注意点があるのかはおさえておく必要があります。
また、様々なヤマネコの血が混ざっているハイランダーの性格も気になるところですね。
そこで、ハイランダーの性格や、一緒に暮らす際に注意したいことをピックアップしてご紹介していきます。
ハイランダーはその体の大きさや野生的な外見とは裏腹に、とても人懐っこい性格をしていします。
野生的という観点から、凶暴さを彷彿とさせるかもしれませんがたくさん甘えてくるねこなのです。
人間だけではなく、他の動物とも仲良くできるためその愛情の深さはねこには珍しいと言えます。
また、遊ぶことが大好きな猫種です。筋肉量が多いこともあり、体を動かすことでストレス解消にもつながっています。
ハイランダーと一緒に暮らす際には、たくさん触れ合ってたくさん遊ぶことにより信頼関係が構築できるねこだと言えますね。
一部では、犬のようなねこと言われることもあるくらい、人間が好きでスキンシップが好きなねこなのです。
遊ぶことが好きなハイランダーを満足させるためには、それなりの運動量が必要になります。
そのため、遊び場となる広い場所をできれば確保したいところです。
また、犬のようにリードをつけて散歩を行うことも運動量を増やすためには良い試みです。
もちろん個体差もありますが、外に出ても臆することなく歩けるため、散歩へ行って広い公園などで運動量を増やすと健康にも良いと言えます。
また、遊ぶ際には上下運動を取り入れると効果的です。
ねこのジャンプ力は目を見張るものがありますが、飛ぶ際には全身の筋肉を使っているためカロリーの消費量も多くなります。
遊ぶ際の工夫を行い、ハイランダーとたくさん楽しみましょう。
ハイランダーが生活する家は、置くものをある程度頑丈にしておく必要があります。
体重が10kgにもなるハイランダーが家の中で生活することを考えると、一歳の子が素早く動いているのとほぼ同じです。
通常のキャットタワーでは重さが対応しておらず、さらに気をつけなければならないのはカーテンレールなどの家の弱い部分です。
10kgのハイランダーがそこから飛ぶことを考えると、対応する重さはさらに上になります。
ハイランダーを迎え入れる際には、危険を減らすことが第一となります。
運動不足が重なりストレスを抱えると、ねこは高いところへ登りたがる習性もあるため、いつ上っても大丈夫なように対策を行いましょう。
ハイランダーは猫種ではありますが、ヤマネコの血を引いています。
そのため、通常のねこよりも長生きする可能性があることは覚えておきましょう。
しかし、ねこの寿命は日常生活で大きく異なります。
ねこが長生きできる環境と生活習慣を心がけることによって、人間とねこのどちらも幸せに暮らすことができます。
全てのねこはとても可愛いと感じるかもしれませんが、たくさん懐いてくれるハイランダーとは特に長く一緒にいたいという気持ちが芽生えがちです。
そこで、ハイランダーと暮らすために気をつけたいポイントをご紹介していきます。
ハイランダーが最も気をつけなければいけないことは肥満です。
ごはんの量に気をつけることももちろんですが、肥満の最大の原因は運動量です。
通常のねこよりも運動が必要なハイランダーですが、運動をサボってしまうと筋肉が落ちてきて十分に体を動かすことができなくなってしまいます。
こうなってしまうと、ストレス解消が行いにくくなってしまい、体への負担が大きくなってしまいます。
もちろん、一度落ちた筋肉も少しずつ運動量を増やすことによって元に戻りますが、体重が増えている状態では関節への負担も大きくなってしまい怪我につながることがあります。
最低限、筋肉が落ちない程度には運動するように心がけましょう。
ハイランダーの特に心配しなければならない病気は心臓疾患です。
加齢と共に心臓に負担がかかり、心臓疾患を引き起こす危険性が高くなります。
異常が見られた際には、獣医師さんと相談しながら治療を行うこととなりますが、予防を行うことも大切です。
心臓疾患の一番の原因は肥満によるものとされています。
肥満は人間同様に万病の元とされますが、体が動かせないことによってストレスも抱えてしまい、その負担が心臓に出るのです。
普段から健康的な生活を心がけることと、異常が見られた際にはすぐに動物病院を受診しましょう。
ヤマネコの血を引くハイランダーは、その野生的な外見には似つかずとても愛情を持ったねこらしいねこです。
運良く一緒に暮らせることとなった際には、たくさん遊んで同じ時間を共有し、忘れられない思い出をたくさん作りましょう。
同じ時間をたくさん過ごすことが、ねこにとってもこの上ない幸せになります。