2024.04.28
ねことの生活
老猫のお世話法とは?適切にケアして幸せなシニアライフを!

老猫のお世話法とは?適切にケアして幸せなシニアライフを!

年を取ると、ねこも体が不自由になったり、体調を崩しやすくなったりします。シニアねこが快適に過ごし、元気に長生きするためには、若い頃以上にしっかりしたケアをしてあげなくてはなりません。今回の記事では、年を取ったねこのお世話法と注意点について解説します。

 

もくじ

1.環境を整える
∟1-1.室温を適切に保つ
∟1-2.段差を少なくする
∟1-3.余計なストレスを与えない
2.体のケアをする
∟2-1.被毛や皮膚のケア
∟2-2.爪切り
∟2-3.オーラルケア
3.健康を保つ工夫をする
∟3-1.食事に気を付ける
∟3-2.適度な運動をさせる
∟3-3.定期検診を受ける
まとめ

 

1.環境を整える

シニアになると体が弱くなり、ちょっとしたことでケガをしたり病気になったりします。シニアねこが快適に過ごせるよう、飼育環境を整えてあげることが重要です。

特に重点的に行いたい3つのポイントを解説します。


 

1-1.室温を適切に保つ

シニアねこのいる部屋の室温は22~28℃が理想です。

若いねこは20~27℃程度が適温ですが、シニアになると筋肉量や運動量が減り、寒さに弱くなります。また、自律神経の働きも悪くなり、体温調節が難しくなります。そのため、若いねこよりも高い室温を保ってあげなくてはならないのです。

また、暖かい空気は上に行くので、シニアねこがいる低い位置は温度が低い可能性があります。温度計を置くなどして、適温になっているかどうかを確認しましょう。


 

1-2.高低差を少なくする

「犬は2次元、ねこは3次元」というように、ねこは上下運動をする動物です。そのためキャットタワーで遊んだり、冷蔵庫や戸棚の上に乗ったりするのを好みます。

しかし、シニアになると筋肉量の低下や関節痛などの問題により、上下運動が苦手になります。高いところから無理に飛び下りると足を痛めてしまいますので、なるべく高低差を少なくしていきましょう。

例としては、以下のような対処が挙げられます。

  •  ・ねこ用の階段やスロープをつける
  •  ・ベッドやトイレを低いものに取り替える
  •  ・キャットタワーを低いものに替える、もしくは撤去する

 

1-3.余計なストレスを与えない

シニアになると、若いねこ以上にストレスで体調を崩しやすくなります。

特に大きなストレスになるのは「変化」です。引越しや来客、大きな音や嫌な臭いなど、不快な変化が食欲不振や体調不良を引き起こすことがありますので、なるべく避けるようにしましょう。

とはいえ、あまりに刺激のない生活をしていると脳の働きが悪くなってしまいます。窓から外を見られるようにしたり、転がさないとフードが出てこない知育玩具をあげたりすると、脳の活性化につながります。

大きい・不快な変化は避け、小さい・嬉しい変化は適度に取り入れるということを意識すると良いでしょう。

 

2.体のケアをする

シニアになるとセルフケアの頻度が減ることもあり、毛や皮膚、爪、口内などの状態が悪くなってしまいます。飼い主がきちんとお手入れをしてあげて、ねこの清潔や健康を守ってあげなくてはなりません。シニアねこに特に必要な体のケアとその方法をご紹介します。


 

2-1.被毛や皮膚のケア

ねこは自分の体をなめて(グルーミングして)被毛や皮膚を清潔に保っています。しかし、シニアになるとグルーミングが面倒になったり、体が硬くなってグルーミングがしにくくなったりといった理由から、グルーミングの頻度は減る傾向にあります。その結果、抜け毛やフケ、体臭などが目立つ場合があります。

若い時以上にブラッシングをこまめにして、毛や皮膚を清潔に保ちましょう。皮膚に刺激を与えることで、血流を良くする効果も期待できます。

汚れが目立つ場合はシャンプーをしたいところですが、体力のないシニアねこには負担が大きくなってしまいます。ドライシャンプーや蒸しタオルなどを使って体をきれいにしてあげると良いでしょう。

また、耳の中が汚れている場合はイヤークリーナーを使ってやさしく掃除します。耳を濡らしたり、耳の中に綿棒を入れたりすると病気の原因になりますので、深追いはしないようにしましょう。


 

2-2.爪切り

ねこの爪はたくさんの層が重なった形になっており、爪とぎをしたり遊んだりする中で古い層がはがれて新しい爪が出てくるようになっています。しかし、シニアになると爪とぎや運動の機会が減るため、爪が太く伸び、伸びた爪が肉球に刺さる「巻き爪」になることがあります。こまめに爪をチェックして切ってあげましょう。

人間用の爪切りでは太くなったシニアねこの爪はうまく切れないことがあるため、ねこ用のギロチンタイプ、もしくはハサミタイプのものがおすすめです。

巻き爪になった場合や、伸び過ぎて折れてしまった場合は必ず動物病院を受診しましょう。


 

2-3.オーラルケア

シニアになると歯周病になるねこが多く、口臭の原因になります。また、歯周病は腎臓病を早めることがあるといわれています。シニアになると腎臓病に苦しむねこも増えますが、歯周病を予防することで腎臓病にかかるリスクを下げられる可能性があります。

若いときから歯ブラシで歯を磨いたり、歯磨きシートで拭いたりするなど、オーラルケアをしっかりして歯をきれいに保ちましょう。嫌がる場合はオーラルケアにもなるフードやおやつをあげると良いでしょう。

 

3.健康を保つ工夫をする

人間と同じく、ねこも健康を保つためには普段の生活習慣と定期的な検診が重要です。

シニアねこは、若い時と同じ食事や運動を続けることが難しくなり、生活習慣が崩れてしまうことがありますので、年齢や体調に合わせて調節してあげる必要があります。また、定期健診も若い時以上にしっかり行わなくてはなりません。

シニアねこの健康を保つために重要な、「食事」、「運動」、「定期健診」における注意点を解説します。


 

3-1.食事に気を付ける

シニアになると消化能力が衰えるため、若いときと同じごはんでは消化不良を起こしてしまうことがあります。シニア向けのフードも数多く販売されていますので、ねこの好みや体調に合わせて切り替えていきましょう。また、糖尿病や腎臓病など持病があるねこは、療法食をあげる必要があります。獣医師と相談しながら決めていきましょう。

歯やあごが弱くなり、硬いドライフードが食べられないシニアねこには、粒の細かいフードやウェットフードをあげたり、ドライフードにお湯をかけて柔らかくしてあげたりすると良いでしょう。

それに加え、水のあげ方にも注意しなくてはなりません。シニアになると水を飲む頻度が下がり、腎臓病のリスクが高まります。ごはんと一緒にたっぷりの水をあげましょう。水をあまり飲まない場合は、部屋のあちこちに水を置いて水を飲む機会をふやす、だし汁やスープで水分補給するといった工夫が必要です。


 

3-2.適度な運動をさせる

シニアになるとどうしても運動量が減ってしまいます。しかし、できるだけ運動をさせることで、筋肉の維持や血流の増加、ストレス解消を促すことができます。自分ではなかなか運動をしない場合は、おもちゃを使って遊んであげましょう。運動不足が解消できるだけではなく、楽しいコミュニケーションの時間にもなります。

ただし、どうしても運動をしたがらないねこは、病気や関節痛を抱えているかもしれません。明らかに様子がおかしい場合は無理強いせず、動物病院で診察を受けるようにしましょう。


 

3-3.定期検診の頻度を増やす

若いねこは1年に1度の定期健診で十分ですが、シニアになったら半年に1度に頻度を増やしましょう。健康状態や体型をチェックしたり、隠れた病気を見つけたりすることで、ねこの健康を保つことができます。

シニアになってから急に病院に連れて行くようにすると、ねこにとって大きなストレスになります。子ねこのうちから定期健診を受けて、病院に慣らしておくことも重要です。

 

まとめ

シニアねこのお世話方法をご紹介しました。シニアになると若い時にできていたことができなくなり、飼い主のサポートをより多く必要とするようになります。シニアねこが安全、快適に過ごせるよう環境を整えてあげましょう。

しかし、シニアになってからいきなり習慣を変えると大きなストレスになってしまいます。若い時から定期健診や体のケアに慣れさせておくことも重要です。

ねこも長寿の時代、大切に飼えば元気に長生きしてくれます。愛猫とずっと一緒に過ごすためにも、普段のケアやサポートを怠らないようにしましょう。

 

 

 

   
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