2024.03.24
ねこの病気
子ねこがかかりやすい病気とは?

子ねこがかかりやすい病気とは?病気のサインを読み取って早期対処!

小さくてかわいい子ねこ。ころころと良く遊び、なんにでもじゃれつくあどけない姿を見ていると「この子は私が守ってあげなきゃ!」という気持ちになりますね。

子ねこが元気にすくすく育つためには、成猫以上にしっかりした健康管理をしてあげなくてはなりません。子ねこは成猫より病気にかかりやすく、重症になるケースも多いためです。子ねこがかかりやすい病気や、病気のサインを読み取る方法を知り、子ねこの健康を守りましょう。

 

目次

1.子ねこは病気になりやすい
2.子ねこがかかりやすい病気
∟2-1.子猫衰弱症候群
∟2-2.寄生虫
∟2-3.感染症
∟2-4.猫伝染性腹膜炎(FIP)
3.子ねこの病気を読み取るサイン
∟3-1.嘔吐
∟3-2.下痢
∟3-3.くしゃみ、咳、鼻水
∟3-4.発熱
まとめ

 

1.子ねこは病気になりやすい

子ねこは良く動き回るため、寝てばかりいる成猫より元気そうに見えます。ですが、病気にかかりやすく、かかるとあっという間に症状が悪化してしまいます。

子ねこが病気にかかりやすいのは、体力や免疫力が成猫より弱いためです。成猫であれば打ち負かせる細菌やウイルスでも、子ねこにとっては命取りになってしまいます。また、体温調節も成猫のようにできないため、暑い、寒いといった環境の変化で体調を崩してしまいます。

特に初乳を飲んでいない赤ちゃんねこは、母ねこから抗体をもらっていないため、病気に対する抵抗力がありません。病気になりやすいうえ、一度病気になるとあっという間に体力が奪われてしまいます。

 

2.子ねこがかかりやすい病気

子ねこが特にかかりやすい病気としては、子猫衰弱症候群、寄生虫、感染症などがあります。特に感染症の中には、治療が難しく致死率の高い猫伝染性腹膜炎(FIP)があるため注意が必要です。それぞれの病気について詳しく解説しましょう。


 

2-1.子猫衰弱症候群

子猫衰弱症候群とは、生まれて数日以内に子ねこが亡くなってしまう症状・障害の総称です。生まれた時点から弱っており亡くなってしまうこともありますが、中には元気に生まれてきたのに突然死してしまうケースもあります。原因としては以下のようなものが考えられます。

  •  ・先天性の奇形
  •  ・出産時のトラブルによる低酸素症、低血糖
  •  ・体温維持ができなかったことによる低体温症
  •  ・母猫の病気

 

2-2.寄生虫

特に野良ねこを保護した場合に注意したいのが寄生虫です。寄生虫の多くは腸内を始めとした消化管に寄生しており、腸の粘膜にもぐりこんだり、腸壁の血を吸ったりします。

健康な成猫であれば、寄生されても無症状であることも多いようです。

しかし子ねこは体が小さいため、少し血を吸われただけで貧血や衰弱を引き起こす場合があります。また、下痢や嘔吐といった病気になるだけではなく、成長の阻害を引き起こすこともあります。

消化管内寄生虫としては、以下のようなものがあります。

猫回虫、猫鉤虫、猫条虫、瓜実条虫、糞線無地、コクジシウム、ジアルジア、トキソプラズマ、マンソン裂頭条虫

また、耳や皮膚にミミヒゼンダニが寄生することで発症する「耳ダニ症(耳疥癬)」も子ねこに発症しやすい病気です。耳垢が黒くなる、耳が臭う、耳を非常に痒がるといった症状が出たら、早めに診察を受けましょう。


 

2-3.感染症

免疫力が弱い子ねこは、ウイルスによる感染症にもかかりやすいので注意が必要です。ワクチンで予防できる病気も多いため、母ねこからもらった免疫が切れる生後3ヶ月から、定期的にワクチン接種をしましょう。

特に以下の感染症は、子ねこがかかった場合命取りになるケースも多いため注意が必要です。

 

感染症名 主な症状 重篤な場合の症状 3種混合

ワクチン

5種混合

ワクチン

猫風邪

(猫伝染性鼻気管炎)

くしゃみ、咳、鼻水、目やに、角膜炎、高熱、食欲不振 衰弱
猫カリシウイルス感染症 くしゃみ、咳、鼻水、口内炎、舌炎 肺炎

※複数タイプのカリシウイルス感染症を予防するためには7種混合ワクチンの接種が必要

猫白血球減少症

(猫パルボウイルス感染症)

発熱、嘔吐、下痢 免疫力低下による他の病気の併発
猫白血病ウイルス感染症 発熱、リンパ節の腫れ、貧血 ※感染した場合、3年以内に80%のねこが死亡
猫クラミジア感染症 結膜炎、くしゃみ、鼻水、咳 肺炎

 

2-4.猫伝染性腹膜炎(FIP)

先ほどご紹介した感染症はワクチン接種で予防ができますが、中にはワクチンや確実な治療法がなく、なおかつ致死率の高い感染症もあります。それが、猫伝染性腹膜炎(FIP)です。

猫伝染性腹膜炎の原因は突然変異した猫コロナウイルスです。症状により「ウェットタイプ(滲出型)」、「ドライタイプ(非滲出型)」の2種類に分かれますが、いずれも発熱や嘔吐、下痢、黄疸などの症状が見られます。発症すると致死率は100%とも言われる恐ろしい病気です。治療薬もありますが非常に高額になるため、治療が困難になる場合もあります。

猫伝染性腹膜炎を予防するためには、他の猫との接触を減らし、ストレスの少ない飼育環境を整えることが重要です。

 

3.子ねこの病気を読み取るサイン

子ねこは体調が変わりやすく、ちょっとしたことで下痢や嘔吐、発熱を引き起こします。しかし、体調が変わりやすい分すぐにケロッとして遊びだすこともあり、判断に迷ってしまうかもしれません。

それでは、子ねこがどのような状態になったら病院へ連れていけば良いのでしょうか。子ねこの病気を読みとるサインについて解説します。


 

3-1.嘔吐

ねこは良く嘔吐します。こまめに毛づくろいをするため、毛を飲み込んでしまい、それを吐き出すことが多いためです。吐いた後ケロッとしているのであれば、それほど心配する必要はありません。しかし、何度も吐く、吐いたものに血が混じっている、食欲がないなど気になる症状がある場合は病気の恐れがあります。


 

3-2.下痢

ねこのうんちは持ち上げても形が変わらないほど硬いのが理想です。ただし、ミルクを飲んでいる子ねこのうんちはやや緩くても心配はいりません。

また、ねこは環境や食事の変化で下痢をすることがあります。特に子ねこは少し冷え込んだり、離乳食が体に合わなかったりするだけで、すぐに下痢になってしまいます。

食欲があり、元気に良く遊ぶのであればしばらく様子を見てみましょう。

下痢が何日も続く、食欲がない、嘔吐や血便が見られるという場合は注意が必要です。特に子ねこは脱水症状を起こしやすいため、下痢が続くと命取りになってしまいます。

動物病院に行く際には子ねこの便を持っていきましょう。便を詳しく調べることで、病気を突き止められる場合があります。


 

3-3.くしゃみ、咳、鼻水

くしゃみ、咳、鼻水は猫風邪に良く見られる症状です。病気により鼻づまりや口内炎を起こしてしまうと、食欲がなくなり急激に弱ってしまいますので、早めに動物病院へ連れていきましょう。

家では栄養価の高い食事と水を充分に与え、ゆっくりと休める環境を整えてあげましょう。また、多頭飼いをしている場合は他の猫と隔離し、トイレも別にして排せつ物はすぐに片付けると感染を食い止められます。


 

3-4.発熱

子ねこの平熱は38~39度前半と、成猫(38度前後)よりやや高めです。発熱の目安は39.5度以上と考えておくと良いでしょう。ねこ用の体温計もありますが、普段から耳や肉球を触って体温をチェックしておくと、発熱時に気づきやすいです。

子ねこは良く動くため、運動後には体温が上がります。そのような体温上昇の場合は数時間で平熱に戻るため心配はいりません。

しかし、発熱が続いている、嘔吐や下痢が見られる、元気がないという場合はすぐに受診しましょう。

 

まとめ

子ねこがかかりやすい病気と病気を読み取るサインについて解説しました。子ねこは成猫よりも抵抗力が弱く、寄生虫やウイルスの感染により病気になることが多いです。また、体力が少なく、下痢や嘔吐による脱水症状や低血糖、貧血に陥りやすく、命取りになってしまうこともあります。

子ねこを病気から守るためには、ワクチン接種や寄生虫対策をすることが重要です。また、病気のサインをしっかり読み取り、心配な点があればすぐに診察を受けましょう。

それに加え、子ねこはストレスで体調を崩しがちなので、快適に過ごせる環境を整えてあげることも重要です。



   
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