甘えん坊のねこだったのに急に怒りっぽくなった、警戒心が強くなったけど何があったんだろう?
元通りになるのかな?そんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
ねこの性格が大きく変わる理由としては、環境や心身の変化が隠れている場合があります。
今回の記事では、ねこの性格が変わる理由と対処法をご紹介します。
「甘えん坊」「やんちゃ」「クール」などなど、さまざまな性格なねこがいます。
しかし、その性格が急にガラッと変わることがあるのです。
突然性格が変わると、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。
特に起こりやすい性格の変化としては、以下のようなものがあげられます。
このように、ねこの性格の変化には困ったものもあれば、良い変化といえるものもあります。
それでは、ねこの性格はどうして変わっていくのでしょうか。
その理由を以下にご紹介しましょう。
ねこの性格が変わる理由としては、大きく分けてねこ自身の変化によるもの(成長や老化、病気など)と環境の変化によるものがあります。
以下に詳しくご紹介していきましょう。
子ねこから成猫、シニアねこになるに従い、性格も少しずつ変化していきます。
【1】成長
愛情いっぱいに育てられた子ねこは好奇心旺盛で、元気に走り回るものです。
元気過ぎて困ってしまうぐらいかもしれません。
しかし、1歳を過ぎるとだんだんおとなしくなり、3歳を迎える頃にはすっかり落ち着きます。
前のようにおもちゃで誘っても、思うように遊んでくれないかもしれません。
ちょっと寂しい気持ちになるかもしれませんね。
【2】老化
ねこは7歳頃からシニア期に入り、老化が見られるようになります。
体ももちろんのこと、性格にも変化が見られます。
特に起こりやすい変化は以下の通りです。
また、シニアになると甘えん坊になるねこもいます。
これは年を取ると体や感覚が衰えるため、不安を感じているためと考えられています。
もう一点シニアねこで注意したいのが認知症です。
ねこが認知症になると、以下のような性格の変化が起こる場合があります。
他にも夜鳴きやおそそうなど、行動も変化します。
少しでも変わった点があれば、すぐに獣医師に相談しましょう。
早期治療を行うことで、ねこの健康寿命を延ばすことができます。
避妊・去勢手術もねこの性格が変わる要因になります。
この理由で性格が変わることは、多くの方もご存じではないでしょうか。
一般的に、オスねこは去勢手術をすると男性ホルモンの分泌量が減り、中性的な性格になる傾向にあるようです。
また、オス、メスともに発情期のイライラがなくなり、穏やかに過ごせるようになります。
病気やケガで痛みや不安を覚えると、甘えてくるねこもいます。
これはシニアねこが甘えん坊になるのと同じく、不安を感じているからです。
また、苦痛からストレスがたまり怒りっぽくなったり、狭い場所に隠れてしまったりといった変化も見られます。
また、性格に直接影響を及ぼす病気としては、「甲状腺機能亢進症」が挙げられます。
甲状腺ホルモンの過剰分泌によるもので、主にシニアのねこに起こりやすい病気です。
細胞の代謝活性全般が活発になり過ぎるため、食欲や攻撃性が増したり、落ち着きがなくなったりします。
そのため「良く食べるし元気だから問題ない」と思われ、治療が遅れてしまう恐れもあります。
ねこはとてもデリケートで変化を嫌う動物です。
そのため、環境の変化により性格が変わってしまったかのような行動を取る場合もあります。
特に注意したい環境の変化をいくつかご紹介します。
【1】多頭飼いになった
一匹で飼っていたときは穏やかだったのに、新しいねこを迎えたとたん凶暴になった……というのはよく聞かれる話です。
ねこは単独行動をする動物であり、テリトリー内に別のねこが来ることにストレスを感じます。
そのストレスにより、怒りっぽくなったり警戒心が強くなったりしてしまうこともあるのです。
しかし多頭飼いはマイナス要素ばかりではありません。
甘えん坊だったのに新入りねこの世話を焼くなどお兄さん(お姉さん)らしくなる、遊び相手ができていたずらが減るといった良い変化も起こりえます。
とはいえ、新入りを迎えるのはねこにとって非常に緊張する出来事です。
ねこの様子を見ながら、慎重に会わせるようにすれば、先住ねこのストレスも軽減できるでしょう。
また、どうしても相性が悪い場合は、居住スペースを分けられるよう環境を整えなくてはなりません。
【2】引っ越し、家族構成の変化
引越しや家族構成の変化(飼い主の結婚や出産)といった環境の変化により、性格が変わるねこもいます。
例としては以下のようなものが挙げられます。
ねこは基本的に変化を好まない動物です。
変化が起こる際にはねこのケアをしっかりするようにしましょう。
【3】怖い思いをした
事故にあった、病院で痛い治療をされたなど、怖い思いをすると警戒心の強い性格になってしまうことがあります。
ほんの一瞬の出来事でも、ねこにとっては今後の性格を変えてしまうこともありますので注意が必要です。
上記でご紹介した通り、ねこの性格が変わった場合、何らかの問題を抱えていることがあります。
放っておくのではなく、ねこを良く見て適切なケアをしてあげましょう。
ねこの性格が変わった時に飼い主がすべきことを以下に解説します。
まずはねこの性格が変わった原因をつきとめます。
普段の行動や体の様子、食欲など、他に変わった点はないか良く観察しましょう。
また最近環境の変化はないか、ねこが怖がるような事件は起こらなかったかを考えることも大切です。
ねこの性格が変わった原因がストレスや体の不調にあるのであれば、それらを取り除いてあげましょう。
まずは獣医師に相談するのが一番です。
また、ストレスや不安で性格が変わっているようであれば、今まで以上にねこに愛情をかけて、気持ちを落ち着かせてあげましょう。
成長や老化、避妊・去勢手術で性格が変わった場合は、自然な「変化」ですので、よほど攻撃的になった、怖がりになったという場合以外は特別なケアは必要ありません。
また、認知症も病気の一つではありますが、老化に伴う自然な変化であるともいえます。
中には困った変化もあるかもしれませんが、適切なケアをすることで、仲良く安全に過ごすことは可能です。
「うちの子はこうじゃなかった」と嘆くのではなく「こんなに変わるまで長い時間そばにいてくれた」と前向きにとらえ、ねこの変化を受け入れることも重要です。
ねこの性格が変わる理由と、対処法についてご紹介しました。
ねこにも一匹一匹さまざまな性格があり、またその性格は様々な要因により変化を続けます。
ねこを変化を良く観察し、その背景に体の不調やストレスが隠れている場合は、適切な対応をしてあげましょう。
また、人間と同じく、ねこの性格は成長や老化により自然と変化します。
「甘えん坊だったのにクールになった」「スキンシップに反応がなくなった」など、寂しい変化もあるかもしれません。
ただ、それもねこが個性を持って生きているからこそです。
大人になっても、シニアになっても、性格が変わっても愛猫はかわいいもの。
その時々の変化を受け入れつつ、愛猫との生活を楽しんでください。