見た目では判断しにくいのがねこの年齢です。
ねこを飼ったことのある方でさえ、初めて見るねこの年齢を言い当てることができたらちょっと驚きです。
今日は、判別が難しいねこの年齢について解説します。
目次
産まれたばかりのねこを引き取ったとか、お家の中でねこが産まれて育てている場合は、ねこの年齢についてはっきりと判別はできます。
ただ、野良猫や捨て猫を保護して、迎え入れた場合はそのねこの年齢が何歳なのか判別が難しいです。
特に、大きくなったねこを迎え入れる場合は、皆目見当も付きません。
保護猫の中には、よちよち歩きのねこも、大きくなった成猫もいます。
保護猫の中でも特に年齢が分からないのは、成猫です。
2019年に発表された「全国犬猫飼育実績調査(一般社団法人ペットフード協会調べ)によりますと猫の平均寿命は15.3歳でした。
一方、犬の平均寿命は14.44歳月となっているため、ねこのほうが比較的に長生きできると言っていいでしょう。
もちろん平均値ですので、ねこの年齢には個体差もあります。
因みに長寿猫のギネス記録は、アメリカの家庭で飼われていたメス猫で38歳という驚くべき記録が残っています。
先ほどの日本ペットフード協会の調査によると、完全室内飼いのねこと外飼いのねこの場合では平均寿命に違いがあるという調査報告があります。
それによりますと、室内飼いのねこは平均寿命が15.95歳であるのに対して、外飼いの猫の場合は13.20歳です。
このことから分かりますように、完全室内飼いのねこの方が、2歳ほど寿命が長いことが分かります。
これは、外飼いのねこは、交通事故などに遭うリスクが高いことと、感染症や寄生虫などの病気に罹る割合が高いことで、寿命が短くなっていることが考えられるでしょう。
ねこと人間の年齢の換算は概ね次のようになります。
ねこの年齢 | 人の年齢 |
1ケ月 | 1歳 |
6ケ月 | 9歳 |
1歳 | 20歳 |
2歳 | 24歳 |
5歳 | 36歳 |
10歳 | 56歳 |
15歳 | 76歳 |
20歳 | 96歳 |
生後1年も経てば立派な成猫となります。
こうして見てくると、ねこは人の年齢の重ね方よりも数倍速いスピードで歳を重ねていることが分かります。
前述しましたように、大きく育った野良猫や捨て猫を保護して、家猫として迎え入れた場合には、正確なねこの年齢は分かりません。
飼い主さんとしても、飼い猫の正確な年齢が分からないままだったら心配でしょう。
そこで、猫の年齢に詳しい獣医師のお話を伺いました。
専門家は、次のようなことを基準にしてねこの年齢について判断しているみたいです。
ねこの年齢を判断するうえで一番の判断材料となるのが、ねこの歯の生え方や状態です。
ねこの歯は生後1ケ月ぐらいで生え始めると言われます。さらに乳歯が生えそろうのは生後2ケ月程度と言われています。
その乳歯が抜け落ちて、永久歯が生えそろうのは生後6ケ月に入ってからですが人間に比べてずいぶんと早いです。
永久歯が生えそろう頃には、甘噛みや噛み癖がついて何でもかじろうとします。
ですので、電源ケーブルなど注意が必要です。
歯の色で、ねこの年齢を判断することもあるそうです。
乳歯や永久歯は生え始めの頃は真っ白い色をしていますから見た目にもきれいな色をしています。
しかし、だんだんと歳を重ねるごとに白い歯も黄ばんでくるのが一般的です。
手入れの行き届いていない猫の歯は黒ずんでいる場合もあります。
歯の色具合の他にも歯茎でも判断できます。
ねこも年老いてくると、歯茎が衰えてきます。歯茎の衰えは歯周病による場合が多いそうです。
シニア期になると歯周病にかかっているねこが、ほとんどと言われているので、歯茎から老猫と判断することは可能です。
ねこの全身を覆っている被毛からもねこの年齢が分かります。
ねこは歳を重ねてくると被毛にハリやツヤがなくなってしまうのです・
また、老猫になると被毛がところどころ禿げだして薄くなっている場合もあります。
子猫の爪は薄いピンク色をしています。
成猫ぐらいになるとやや白みがかってきます。
老猫になると爪の色は灰色がかっていて、爪がもろくなり割れやすくなります。
幼猫から成猫にかけては運動機能が発達してくるので活発に動き回ります。
四肢の動きも活発です。猫パンチやキックにも力強さを感じます。
爪とぎも激しくなるでしょう。
一方、老猫になると四肢の動きが緩慢になります。
ねこがよく見せる箱座りもうまくできなくます。箱座りができなくなったらよほど高齢になったと言う証です。
飼い主がねこの年齢を知らなければならない理由の一つにねこ特有の病気があります。
また、ねこの年齢による食事のカロリーの摂取量を正しく判断することにもつながります。
ねこの正確な年齢を知ることにより、病気に対する心構えや適切な食事の与えることでねこの長生きにつながります。
産まれてすぐの子猫は、母猫からの初乳を介して母猫の抗体を引き継ぎますが生後2~3ケ月後には抗体が弱まります。
そこで必要になってくるのがワクチン接種です。
ワクチンはワクチネーションプログラム(接種時期・接種回数)に従い接種するのが原則です。
また、成猫では年に1回、老猫になってからは少なくとも年に2回の健康診断を受けることが病気の早期発見につながります。
さらに、飼い猫の妊娠を望まない場合に、避妊手術をしなければなりません。オス猫とメス猫を多頭飼いしている場合には、オス猫の去勢手術も必要になります。
いつ、手術をするかというときにも飼い猫の年齢の把握が必要になります。
ねこの年齢ごとにかかりやすい病気を把握することができれば、生涯を通して飼い猫の健康管理を行うことができます。
そのためにも、今、自分の飼い猫が何歳であるかを知ることは、重要なポイントと言っていいでしょう。
下記ねこがかかりやすい病気ですので、参考にしてください。
ねこの年齢は、見た目には若いのか年寄りなのかよく判別しにくい動物です。
ねこを飼っている方でも、野良猫や捨て猫を迎え入れた場合は、ねこ年齢の判断が難しいでしょう。
それでも、一緒に暮らすことになったねこは、1日でも長く健康に過ごしてもらいたいものです。
ねこの年齢を正しく掌握しておくということは、飼い主さんの飼い猫に対する愛情で責務だといっていいでしょう。
正しいねこの年齢を知ることができれば、飼い猫の感染症予防のためのワクチンの接種やその他の病気の予防にもつながります。
どうしても、正しいねこの年齢の判断に迷うようなことがあったらかかりつけの動物病院に尋ねられたらどうでしょうか。