キャットフードの保存で注意するべきなのは「酸化」です。開封するとその瞬間から酸化がはじまります。
酸化したフードは、風味が悪くなるため食いつきが悪くなったり、あたえつづけることで健康へのリスクが高まったりするといわれています。
そこで今回は、愛猫の健康を守り、おいしくご飯を食べてもらうための保存方法を紹介します。
ドライフードを保存する際は、直射日光が当たる場所や高温多湿になる場所を避け、冷暗所で保存するのが基本です。
とくに以下のような場所での保存は避けるようにしましょう。
キャットフードの保存におすすめの場所は以下の3ヶ所です。
これらの場所は、直射日光が当たることはありませんし、温度変化が少なく、湿気も少ないと考えられます。
キャットフードは空気に触れることで「酸化」します。
ドライフードの酸化は、フードに含まれている脂肪やアミノ酸などが空気中の酸素と結びついて化学変化を起こす現象です。
キャットフードが劣化する最大の要因は酸化だといわれており、風味が悪くなったり、匂いも徐々に薄れたりします。
ねこは味よりも匂いで食べるかどうかを判断するため、酸化したフードは食いつきが悪くなります。また、健康に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。
そのため、開封したドライフードはなるべく空気に触れないように保存しなければいけません。
■袋の口をフードクリップで閉じる
手軽で安価なのが、フードクリップで袋の口を閉じる方法です。
空気がたくさん入っていると、その空気で酸化してしまうため、袋の中になるべく空気が入っていない状態で閉じましょう。
ファスナーつきの袋もありますが、密閉性に不安があるといわれていますので、フードクリップと併用するのがおすすめです。
ただし、完全に密閉できるわけではないので、若干不安が残ります。
フードクリップで閉じたものを密閉容器に入れて保存すると安心でしょう。
■密閉容器に入れる
密閉容器に入れて保存している人も多いのではないでしょうか?移し替えて保存するのもよいですが、おすすめは袋ごと容器に入れる方法です。
ラミジップのような空気と湿気を通さない袋に小分けして容器に入れるとさらに安心です。
少しお値段は張りますが、真空にできる保存容器もおすすめです。
■真空パック機で密閉する
いちばん酸化に強いのが、真空パック機を使って密閉する方法です。小分けにして保存することで、酸化を最小限に抑えることができます。
ただし、専用の袋を使い捨てにするのでランニングコストがかかってしまうのと、袋詰めにする手間が必要なのが難点です。
この点が気にならなければおすすめです。
食べきれずに残ってしまうなら、冷凍保存を検討しましょう。
基本的には1か月以内に食べきれる量のパッケージで買うのをおすすめします。
しかし、容量の大きなものしか売っていない、少量パックが割高などの事情もあると思います。
冷凍する分はパッケージを開封したらすぐに取り分けて小分けにします。
冷凍する際はきちんと密封できる容器に入れて、できるだけ空気が入らない状態にしましょう。
おすすめは、真空パック機で密閉した状態で冷凍保存する方法です。
ただし、冷凍していてもフードの劣化は徐々に進みますので、2〜3か月程度で食べきれる量にしましょう。
ねこによっては、風味が微妙に変わってしまうからか冷凍したご飯を嫌う子もいます。できれば少量を冷凍して食べてくれるか確認することをおすすめします。
なお、冷たいままで開封すると結露しますので、密封したまま常温にもどしてから開封してください。
開封後のウェットフードはかならず冷蔵庫で保存し、1〜2日で食べきるようにします。
また、開封後は缶が劣化するため、べつの容器に移し替えて保存しましょう。
開封後はドライフードと同様に酸化しますので、密閉容器での保存がおすすめです。
また、ねこが食べ残したご飯は雑菌が繁殖しやすいので、破棄してください。
食べきれない分は冷凍保存も可能です。
開封後すぐに1日分または1食分単位に取り分けて、ラップなどに包み、密閉できる容器に入れて冷凍します。
冷凍する際に薄く延ばして、1食分ずつ折れるように溝をつけておくとあとの手間が省けます。
冷凍しても時間とともに劣化し徐々に風味が落ちますので、長期間の保存はおすすめしません。
1ヶ月は保存できるという人もいますが、長くても1週間〜10日ほどで食べきれる量に留めておくのが無難です。
ドライフードを冷蔵庫に入れるのは実はやってはいけない保存方法のひとつです。
冷蔵庫は頻繁に開け閉めしますし、その際の温度変化で結露が生じる可能性があります。
結露はフードの風味を悪くするほか、カビの原因にもなりますので避けてください。
ファスナーつきの食品保存袋の多くはポリエチレン製です。
ポリエチレンにはわずかながら空気を通す性質があるため、酸化は防げません。
ふくらませたゴム風船が徐々にしぼんでいくのも通気を通す性質のせいです。
そのため、数日程度ならばよいかもしれませんが、それ以上の長期保存には向きません。
ツマミやボタンの操作で決まった量のフードが取り出せるフードディスペンサーは便利なうえに蓋を開け閉めする頻度が少ないのが利点です。
しかし、密閉性が高いわけではありません。フードが減っていけば、その分だけ空気が入るので、酸化を防げないのではという意見もあります。
大容量のフードストッカーに直接キャットフードを入れて保存するのも考えものです。
大容量だと長期間入れっぱなしになります。容器自体の密閉性がどんなに高くても、空気に触れる機会が増えるため酸化が気になります。
大容量のストッカーを使用する場合は、袋の空気をしっかりと抜いてフードクリップなどで口を閉じた状態で袋ごと保存するようにしましょう。
キャットフードの保存で注意するのは、直射日光、 高温・多湿、空気でしたよね。
では、どのような保存容器を選ぶのがよいのでしょうか?ポイントは3つあります。
直射日光が当たらない場所であればさほど気にする必要はないかもしれませんが、遮光性のある素材を使用した容器が安心です。
キャットフードは空気にも、湿気にも弱いですから、なるべくしっかりと密閉できるものを選ぶようにしましょう。安心なのは、真空の保存容器です。
開け閉めの際に空気が入ることを考えると、容器に直接入れるのはおすすめできません。
袋ごと保存できるサイズのものが望ましいです。さらに小分けすれば、空気に触れる頻度を減らせるので酸化を軽減することができます。
キャットフードは開封した瞬間から劣化がはじまり、徐々に風味が落ちるなどおいしさが失われていきます。
そればかりか、酸化したご飯をあたえることで愛猫の健康を害してしまう恐れもあるのです。
最後にもう一度キャットフードのおいしさと品質を長持ちさせるためのポイントをまとめておきますので、参考にしてくださいね。