マンチカールとも呼ばれることのあるキンカロー(Kinkalow)ですが、歴史が浅いためにあまり知らない方も多い猫種です。
まだ知名度は低い中でも、一目惚れをしてしまってキンカローのことを知りたいという方も増えてきているのも事実です。
一体キンカローとはどんな猫種なのか、今回は詳しく説明していきます。
キンカローという名前を聞いてピンとくる方は少ないかもしれませんが、マンチカールと聞くと「え?マンチカンじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
マンチカンと言えば、足が短いねこで有名ですね。
そのマンチカンがベースとなり誕生し、近年人気が急上昇しているのがキンカローです。
では、キンカローの歴史から見ていきましょう。
キンカローはマンチカンとアメリカンカールという猫種の交配により生まれたねこです。
足が短いことが特徴のマンチカンと耳がカールしているアメリカンカールの特徴を持っている猫種です。
なぜこの発想に至ったのかを考えるには、マンチカンの特性を知る必要があります。
足が短いという特徴のマンチカンですが、足の短いマンチカンは全体でも少数であり、足が長かったり少し短いマンチカンが圧倒的に多いことをご存知でしょうか。
足が短いという遺伝は劣勢にあたり希少種と言え、その確率は25%となります。
ここで足が短いマンチカンの交配を行えば足が短いマンチカンが生まれる確率が高くなりそうですが、出産までに至らないケースが続出してしまうのです。
通常であれば足の短いマンチカンと足の長いマンチカンを交配させて繁殖するのですが、キンカローは足の短いマンチカンとアメリカンカールを交配させたということなのです。
キンカローの繁殖が行われるようになったのは1990年代です。
100%足の短いマンチカンの繁殖に成功していればキンカロー誕生には至ってなかったかもしれません。
また、キンカローに関しても足の長いキンカローが生まれる可能性もありますので、足の短いキンカローと巡り合えた際には、貴重な体験かもしれません。
キンカローが世間で知られていない理由は歴史が浅いこともありますが、猫種としてキンカローの血統を認可しているTICAという団体にも理由があります。
足が短いことが確立していないことと遺伝の関係により、キンカローを観察・検討の時間が必要であるとしているからです。
ここには遺伝的な問題もあるため、この先足が短い特徴と耳がカールしている特徴が確立していく可能性は十分ありますね。
キンカローという名前の由来について注目していきます。
マンチカールと聞くと「マンチカンの耳がカールしているからマンチカールかな?」と思えますが、キンカローはなかなかすぐにはわからないと思います。
キンカローの語源は「ねじれた」「よじれた」などの意味を持つ「kinky」と、低いという意味の「low」です。
耳がよじれていて、身長が低いという言葉が合体したということですね。
この二つの言葉を合わせることによって、キンカローという名前がつけられました。
外見的な特徴が先行しているキンカローですが、どんな性格をしているのかも気になるところだと思います。
ねこと仲良くなるためには性格を知り、それに合わせた接し方をすることが必要ですし、一緒に暮らすとなると家でどのような振る舞いをするのかが重要になります。
ねこと暮らすとなると家族となりますし、ねこの性格は変わるものでもありませんので仲良く暮らしたいと考えた際には、性格を知ることは必須事項です。
では、キンカローがどんなねこなのか、その性格とそれに合わせた注意点をご紹介していきます。
キンカローは賢くて社交性があり、スキンシップが大好きという優等生のようなねこです。
そのため、ねこと初めて一緒に暮らす方にとっても暮らしやすいねこだと言えます。
一般的に言われている、気まぐれで1人が好きで来客があったらすぐに隠れてしまうというねこの性格とは真逆と言える猫種ですね。
通常のしつけと呼ばれることもあまり必要なく、遊んでいてもおもちゃを拾って持ってくるという姿も見られることもあるため、その賢さは猫種の中でもかなり上のほうに分類されます。
また、人間が好きという性格があるということは、お留守番が苦手であるという一面もあります。
常に誰か家に人がいる状況を作るのは難しいかもしれませんが、極力一緒にいてキンカローとの時間を多く作るようにしてあげましょう。
足が短いキンカローではありますが、想像以上に運動能力が高いです。
特にジャンプ力があるため、上下運動を好む傾向にあるというのも特徴として見られます。
そのため、キンカローに合わせた環境づくりをするために上下運動を行える場所を用意することが第一優先となります。
可能であればキャットウォークなどを準備したいところですが、家の事情等もあると思います。そこで、最低限キャットタワーを置きましょう。
上下運動を好むねこは、その運動場所がない場合はカーテンに飛び移りカーテンレールまで上がってしまうねこもいます。
カーテンレールは重さに弱く危険ですので、落下を避けるためにもキャットタワーの設置を行いましょう。
毛はそこまで長くないキンカローですが、ブラッシングをこまめに行うとそれがスキンシップになり仲良くなれる機会になることがあります。
スキンシップが好きなキンカローですので、ブラシをかけたり撫でるといつまでも近くにいる場面が見られます。
毛の手入れは皮膚トラブル予防にもつながりますので、是非とも習慣にして行いましょう。
短毛種の場合はブラッシングを行うことによってお風呂に入れる必要もあまりありません。
ねこは濡れることを嫌って水を怖がる猫種が多いので、お風呂がストレスにつながってしまいやすい生き物です。
ねこの健康のためにも、ブラッシングをこまめに行いましょう。
ねこと暮らすに当たり、健康に留意することは人間にとっての義務です。
人間の場合は体調不良があってもなんとか自力で治すことができますが、ねこの場合はそういったケースは少ないです。
また、キンカローに限らず遺伝性の病気を持っているねこも多いため、命に関わる病気を発症してしまうケースもあります。
普段とは違った様子を見つけた際には、すぐに動物病院を受診するようにしてください。
ここでキンカローが特に気をつけたい病気を知り、その予防や日頃から気を付ける習慣を身につけることによって、少しでも長く一緒に元気で暮らせる時間を増やしましょう。
足の短いキンカローに起こりやすい病気として、最も多いのは関節に関わる病気です。
これは遺伝的な部分ではなく、足が短いことによって運動で起こるショックを吸収しきれずに、間接に負担がかかってしまうケースです。
そのため、体重には普段から気を配り、肥満にならないように注意しましょう。
ねこをだっこして体重計に乗り、ご自身の体重を引けばねこの体重が求められます。
また、環境づくりとしてねこがよく着地する場所に衝撃吸収の薄いマットなどを敷くことも良いです。
皮膚トラブルとして、顎の下の毛穴に分泌液が溜まり、細菌が繁殖してしまう痤瘡という症状にかかりやすいです。
ねこのアクネとも呼ばれるこの病気ですが、痛みや出血を伴うこともあるため早期発見、早期治療が求められます。
初期症状では薬を塗ることで完治しますが、ひどくなると抗生物質投与を行うこともありますので日常的に大丈夫か確認する必要があります。
人間にも起こる緑内障です。眼圧の上昇により視力に関わる危険な病気であり、早期対策が必要となります。
ねこは人間ほど視力に頼って生活しているわけではないので、人間の失明とは異なりますが生活の質が下がってしまうことは避けられません。
瞳孔が開きっぱなしになってしまったり、角膜に異常が見られる場合、すぐに動物病院を受診しましょう。
緑内障の原因は様々あり、予防することは困難なので早期発見がカギとなります。
近年一緒に暮らす方が増え始めているキンカローなので、他の猫種とは異なりデータが少ないねことなります。
もしかすると、一緒に暮らしている中で新たな発見があるかもしれません。
そういった自分にしか見せない一面も楽しみつつ、キンカローとの大切な時間をたくさん過ごせると良いですね。