フサフサの毛並みに一目惚れしてしまう方も多いペルシャ猫(Persian)ですが、実は現在人気の様々な猫種の祖先になっていることはご存知でしょうか。
外見の可愛さもさることながら、キリッとした顔立ちにも魅力のペルシャ猫です。
今回は、その歴史の深さやどんな性格のねこであるかにスポットを当ててご紹介していきます。
マンチカン、サイベリアン、ラグドールなど、現在人気の高い長毛種のねこにはペルシャ猫の血が混ざっていることが多いです。
それだけペルシャ猫の歴史は古く、長毛種と言えばペルシャ猫という地位を確立しているほどです。
そんなペルシャ猫ですが、一体どのように誕生し、どうやって世界中に広まっていったのでしょうか。
まずはペルシャ猫の誕生に注目していきましょう。
正確に文献としてペルシャ猫が現れるのは、1500年頃です。
日本は戦国時代あたりなのでペルシャ猫の歴史の古さを感じさせますね。
しかも、ペルシャ猫と断定はできないまでも、その祖先にあたるようなねこは、象形文字にも書かれているというのですから驚きです。
ここから分かる通り、ペルシャ猫は他のねこのように様々な猫種を交配して生まれたというわけではなく、人間とねこが一緒に生活するようになったときから存在しているねこだと言えます。
そのため、長毛種と言えばペルシャ猫というイメージを古くから持たれていることもあり、交配する際にもペルシャ猫が最もメジャーなねことして確立することになったのです。
1500年頃に現れていたペルシャ猫は、現在とは少し違った風貌をしていました。
現在のペルシャ猫になったのは、1800年頃のお話です。
人と共に生活してきたねこですが、この頃になると繁殖を目的としてねこを飼育するブリーダーが現れ始めます。
このブリーダー達によって、様々な世界中のねこと交配することにより、現在のペルシャ猫が生まれました。
そして、世界中にペルシャ猫の名を広めたのは1871年にロンドンで行われたキャットショーにおいて、ペルシャ猫が出場し大人気だったという話が残っています。
ねこの中でも一際綺麗な長毛を蓄えているペルシャ猫を見た当時の人々は、その魅力に圧倒されてしまったわけですね。
ペルシャ猫の出生についてですが、「ペルシャ」という名前がついているように、元々は中東地域の自然界で生きていたねこです。
そこからヨーロッパへ渡ったことで、世界中で愛されるねこになるわけです。
初めにヨーロッパへ持ち込まれることになったペルシャ猫は灰色と白のねこでした。
そこから、ブリーダーの手により世界各国のねこと交配を重ねることにより、現在のような様々な種類の毛色となったのです。
ペルシャ猫と一緒に暮らすことを考えた時に、どのような性格であるかを知ることは大切なことです。
猫種によって接し方は様々であり、ねこが気分良くなることを行えば好かれますし、嫌がることを行えば嫌われてしまいます。
そのため、一緒に暮らすねこの性格を知るということは、ねこと人間のどちらも幸せに生活する上で欠かせないことなのです。
ペルシャ猫がどんな性格なのかを知り、良好な関係性を構築していきましょう。
ペルシャ猫の外見は貫禄がありますが、実は性格もそれに似ています。
おっとりした性格であるため、暴れることも少ないのんびりとしたねこです。
小さい頃はよく鳴く姿を見ますが、歳をとるにつれて鳴くことも徐々に少なくなってくることも特徴です。
ペルシャ猫が映画やアニメに出てくると、活発に動いている姿というよりも寝ていたり撫でられている姿をよく見ると思います。
これはペルシャ猫の外見がもたらすイメージもあるかもしれませんが、実際に一緒に生活してみるとイメージ通りの性格であることがわかります。
おっとりとした性格ではあるものの、ねこらしさを持っているのもペルシャ猫です。
人間と一定の距離を保ち、気分屋の面を見せてくるねこでもあります。
そのため、遊んだり撫でる際には人間側が引き際を見極める必要があります。
最もわかりやすいのは、尻尾の様子を伺うことです。
撫でられていても、尻尾が左右に動く様子が見られた場合は撫でるのをやめましょう。
こうすることで、「自分のことをわかってくれる人なんだ」「あまりしつこくせず、なんだか一緒にいると気分が良い」と感じてもらうことができ、良好な関係を構築することができます。
関係性が良好であれば、甘えてくる頻度も高くなりますしリラックスする様子も見られるようになります。
個体差もありますが、ペルシャ猫はトイレの躾が大変なケースが他の猫種に比べると多く見られます。
トイレの躾があまりいらないねこに関しては、猫砂を見せるだけでそこでしかトイレをしないねこもいます。
しかし、ペルシャ猫の場合は、間違ってトイレをしてしまった場所に自分の匂いがつき、そこをトイレと勘違いしてしまうケースがあります。
ここで人間が勘違いしてしまうケースは、躾と聞くと大きな声で怒るというイメージを持たれるかもしれません。
しかし、ねこに対して大きな声を出すと、自分が間違った行動をしているということが理解できず、ただ怖い人であるというイメージを持ってしまうだけになります。
ペルシャ猫のトイレの躾は、間違った場所でトイレをしてしまった場合は徹底的に掃除を行いましょう。
あまり化学物質を使用するのは良くありませんが、匂いを徹底的に除去するようにしてください。
そして、トイレを正しくできた際には撫でる、高い声で声がけをするなどして褒めましょう。
必ず、ねこはトイレを覚えられます。
人間と同様に、ねこも病気にかかります。しかし、ねこは人間のように体調不良を訴えてはくれません。
ねこが病気から脱するには、自然治癒をあてにするのではなく人間が動物病院へ連れて行くことが最善の方法です。
元々自然界にいたペルシャ猫は病気も少ない方ではありますが、家で生活することにより自然界ではかからなかった病気にかかりがちです。
多発性のう胞腎や肥大性心筋症のような命に関わるねこがかかりやすい病気に注意することも大切ですが、ペルシャ猫がかかりやすい病気にも注意が必要です。
命に関わる病気ではないと放置するのではなく、生活の質向上のためにも動物病院を受診しましょう。
人間と同様に、ねこも結膜炎にかかります。
ペルシャ猫の顔を見るとわかりますが、鼻が低いという特徴があります。
鼻が低いことにより、涙腺に対する異常も多く見られ、これが原因で細菌が繁殖してしまい結膜炎になる場合が多いです。
白目部分が充血し、涙が出てきますし痒みも生まれます。
ワクチン接種により回避することも可能ですし、もし結膜炎を発症してしまったとしても目薬を使用することにより症状はすぐに改善していきます。
人間のちょっとした行動で改善する症状ですので、必ず対応しましょう。
長毛種のねこであれば宿命である毛球症です。
毛繕いにより、自らの毛を食べてしまうことで体内に毛玉が溜まり、消化不良を起こしてしまう病気です。
毛球症に関しては、食べ物で対策することも可能ですが、一番は毛を多く食べさせないということです。
そのためには、日ごろのブラッシングが重要になります。
長毛種のねこは毎日ブラッシングしても大量に毛が抜けます。しかし、頻繁にブラッシングを行うことで綺麗な毛並みを実現することも可能です。
嫌がる場合はブラッシングを行うことは難しいですが、毎日少しずつ嫌がらない程度に行うことが重要です。
ねこにとって習慣となるように、ブラッシングを毎日行いましょう。
長毛種の王様とも言えるペルシャ猫ですので、一緒に暮らしたくなる方も大勢いらっしゃると思います。
気まぐれな面を持っているねこなので、接し方次第で懐き方も大きく変わる猫種です。
良好な関係を構築できれば、あの長くて綺麗な毛を撫でることもできますし、一緒に寝ることも可能です。
ペルシャ猫と過ごす理想を実現させるために、様子を伺いながら幸せな生活を送りましょう。