「ねこの目やには病気のサイン」と聞いたことはないでしょうか。
ねこの目やには真っ黒なので、初めてねこと暮らす方は驚いてしまうかもしれません。
しかし、ねこの目やには全てが病気であるわけではありません。
そこで今回は、どんな目やにだと注意しなければならないのか、なぜねこの目やには黒いのかという理由をご紹介いたします。
通常健康な猫であっても目やにが出ることはあります。
これは、人間が目の病気を患っているわけでもないのに目やにが出る原理と同様です。
しかし、人間の目やには黄色がかった色なのに、ねこの目やにを見ると真っ黒で驚く方も少なくありません。
そこで、ねこの目やにのメカニズム、さらにはなぜ黒いのかをご紹介します。
健康なねこであっても、目やには出るものなのですぐに病気を疑う必要はありません。
目やにとは、涙に含まれている粘膜が水分をなくすことにより発生します。
そのため、健康な目であっても目頭に涙が溜まった際などにはそのまま目やにとして残るのです。
目やにが出るのは基本的に寝ている間です。
これは、通常起きている間であれば目が露出しており、目を開けたままだと涙が乾燥してなくなってしまい、目が乾いてしまいます。
そこで瞬きによって目を潤すことを繰り返しているのですが、目を閉じたままの睡眠中は目を潤すための涙が余ってしまい、目頭に溜まるのです。
目頭に溜まった涙は水分を無くし、結果として目やにとして発生するのです。
ねこの目やにが茶色だったり黒かったりして驚くことがあるかもしれませんが、このケースはそれほど問題はありません。
黒くなる理由は、目の中のゴミや新陳代謝によって発生した老廃物が目やにの中に混ざっているため、このような色が発生します。
これらのゴミや老廃物が涙腺に溜まってしまうと病気になりますが、目やにとして出てくる分には正常に代謝が行われ、排出されている証なのです。
目が健康なねこであっても、多くのねこが黒い目やにを出しているのでまずは安心して見てあげましょう。
病気のサインとされる目やには、粘り気があったり黄色や緑がかった色をしている場合です。
この原因としては、どこかで炎症を起こしていて膿が、目やにに混ざっている状態です。
先ほどもご紹介した通り、目やにの元は涙の粘膜ですが、その粘膜に膿などが混ざっている時に異常な目やにが出ます。
瞳の表面が傷ついていたり、アレルギーによるもの、さらには目の病気など様々な原因が考えられますので、一度動物病院を受診して原因を追求してみる必要があります。
目の病気の多くは目薬による治療となり、症状が早いほうが治りも早いのでできるだけ早く動物病院を受診しましょう。
ねこの目やにに異常が確認できた場合、どんな原因があるのか気になるところです。
もちろん、ここでご紹介する以外の病気もありますし、素人が判断しきれない場合もあります。
しかしながら、ねこの異常を発見してどんな病気の可能性があるのかはあらかじめ知っておきたいと思うはずです。
そこで、ねこの目やにが異常だった場合にまず疑うべき病気をご紹介していきます。
人間にも良くある症状ですが、結膜炎を起こしている場合が考えられます。
結膜炎は人間でも大量に目やにが出てしまいますが、ねこも同様です。
ウイルスによる症状なので自然に治ることはありませんし、どれだけ早く対処できるのかで治りやすさが変わります。
結膜炎の場合基本的には黄色がかった目やにが出てきますが、時間が経つと黒くなることがあります。
そのため異常がないものと勘違いしてしまいがちなので注意しましょう。
結膜炎なのか正常なのかの差は、目やにが出る頻度によります。
日に何度も目やにを確認することがあれば、結膜炎の疑いが強いので病院を受診しましょう。
ねこにも人間と同様にアレルギーはあります。
その症状は様々ですが、涙が多く出ることもあります。
これは、目に付着したアレルギー物質であるアレルゲンを体外に出そうという反応から生まれるものです。
アレルギーは放置しておくとひどくなることも多いため、できるだけアレルギーの対象である物質から遠ざける必要があります。
アレルギーに関しては家庭で判断することは不可能です。しっかり動物病院で検査を受ける必要があります。
人間がアレルギー物質を避けるのはアレルギー反応が辛いからであり、それはねこも同じでできるだけアレルギー物質から避けて生きたいのです。
しっかりと検査を受けて、適切な対処を行いましょう。
鼻が低いねこに多く見られる症状ですが、どんなねこにも起こりうる病気です。
目と鼻をつないでいる管が詰まってしまう病気であり、うまく鼻に涙が流れていかないため多くの涙が出てきます。
涙の量が多すぎると目の下が不衛生になり、かぶれてしまうこともあります。
症状としては目やにが多く出てきたり、涙やけと言って目の下の毛が変色してしまうこともあります。
目の周りの衛生状況だけではなく、詰まっていること自体が不快になっていることも多いため、早く治したい病気です。
治療法は詰まりを取るために管を通すのですが、じっとしていられるねこも少ないために、外科手術となるケースが多いです。
再発するケースもあるので、獣医師さんと相談の上、なるべく詰まらないように生活を改善していく必要があります。
実際にねこの目やにを見つけた場合、どのような対処を行うかを覚えておきましょう。
取ったことがある方であればおわかりだと思いますが、なかなかしぶとい目やにもあります。
無理矢理取ってしまうとなると、瘡蓋のようになっているケースもありますので好ましくありません。
そこで、綺麗に目やにを取る方法をご紹介いたします。
基本的には濡れたタオルなどの布を使用することがベストです。
目やには粘膜が乾燥して固まったものなので、カラカラになってしまった場合は湿らせることによって取りやすくなります。
さらに、少し湿らせた状態であれば目の周りも綺麗にできることで一石二鳥と言えます。
ねこが自分で顔を洗って取れることもありますが、毎回しっかり目やにまでとっているねこは稀です。
そのため、人間がとってあげる必要があるのですが、力加減がわからない方も多いと思います。
濡れた布であれば優しく撫でる程度で落とすことは可能なので、是非実践してみてください。
ねこは自分の大きな瞳を守らなければならないので、信頼関係ができていたとしても目の周りを触られることを嫌がる子は多いです。
そのため、目やにを取ろうと手を伸ばしても、顔を背けられてしまったり場合によってはかじられたり、さらには逃げられたりすることが多いです。
うまく目やにを取るためには、撫でている流れで素早く取るのがベストです。
頭を撫でているときには目への抵抗も少なくなるため、流れで取ることを心がけましょう。
あまり取るのに時間がかかると嫌がるケースもあるため、素早さがカギとなります。
多頭飼いの場合は目やにの異常が見られた際には隔離することをお勧めします。
これは、ねこの間でウイルスがうつってしまい、いつまでも部屋の中にウイルスがいる状況になるためです。
環境的に無理であれば、獣医師と相談の上にはなりますが、予防のために目薬などを服用することも考えなければなりません。
しかしながら、少なからず薬には副作用もあるため、極力隔離するようにしてください。
ケージなどがあれば隔離することが可能となりますので、念のため一つは常備しておいても良いかもしれませんね。
ねこの目やにに注目することで早期発見できる病気もあります。
ねこも極力病気からは避けたいものですが、もし異常な目やにを発見した際には、すぐに動物病院を受診してください。
また、目やにが付いたままですと、せっかくの可愛さが台無しになってしまいます。
ねこが至らない身だしなみは、人間の手で助けてあげましょう。