ねこの中でも小さい部類に入るマンチカン(Munchkin)は、世界中から愛されているねこです。
また、色々な柄のマンチカンが存在することも人気の一因でしょう。
また、現在様々な猫種の祖先ともなっているマンチカンですが、一体どんな経歴を持っているのでしょうか。
マンチカンについてさらに詳しく知り、その魅力を存分に味わいましょう。
マンチカンの語源は英語の「マンチキン」に由来します。
意味は「小さい子」「かわいい子」などという、マンチカンを一目見たときの感想を表している言葉です。
そんなマンチカンですが、猫種として認められるようになるまでにはどのような歴史があったのでしょうか。
また、短い足が特徴のマンチカンも存在し、その特徴にばかり目が行ってしまうかもしれません。
しかし、足の短いマンチカンだけではなく様々な種類がいること、そして他の特徴についても注目していきます。
足の短いマンチカンを見ると、交配によって生まれた猫種だと思われるかもしれませんがそうではありませんでした。
耳の折れたスコティッシュフォールドと同様に、自然界で突然変異で生まれたねこなのです。
1940年代のイギリスで足の短いねこがいたという目撃情報がありました。
イギリス以外でも世界各国で目撃情報はありましたが、人間と生活しているマンチカンはいませんでした。
1980年代に入り、アメリカで足の短いねこが発見され、保護されます。
ブルドッグに追われていたところを保護されたのですが、このねこはなんと妊娠していたのです。
生まれてきた子どもにも足の短い子がおり、そこからブリーディングが始まります。
現在のマンチカンの祖先は、ブルドッグに追われて保護されたねこということになります。
足が短く特徴的な丸顔から瞬く間に人気が急上昇し、世界各国で愛されるようになったのです。
マンチカンと言えば足が短いことを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、足が長いマンチカンと、その中間のマンチカンが存在します。
足の短いマンチカンは全体の2割程度です。
突然変異で足が短いマンチカンが生まれたわけですが、足が短いねこ同士が親になると、死産になる可能性が高くなってしまうためタブーとされています。
また、足が短い同士であれば近親となってしまい遺伝的な病気リスクも高くなってしまうのです。
そのため、現在は足の長いねことの交配で2割程度の足の短いマンチカンが生まれるのを待つことで落ち着いています。
足の短いマンチカンを見ると運動能力は低いように感じられるかもしれませんが、その分筋肉が発達しているため運動能力は他のねこに引けを取りません。
さすがは、足が短くても自然界で生きてきたマンチカンです。
マンチカンを見て、柄や毛並みの種類の多さに驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、同じ柄は2匹といないと言われるほどに様々な外見のマンチカンがいます。
色や柄はもちろんですが、長毛種と短毛種がいることも特徴的です。
目の色もアンバー、グリーン、ヘーゼルが多く、目の色と毛の色の組み合わせだけ見ても、同じ猫種とは思えないほど多種多様です。
また、マンチカンの目の色に関してはオッドアイも稀に生まれるという猫種です。
これだけ多くの外見を持つマンチカンなので、一目惚れしてしまうマンチカンに巡り合えそうですね。
マンチカンは現在、様々な猫種の先祖となりつつあります。
遺伝性の病気リスクを回避するため、様々な猫種との交配が行われているためです。
ペルシャ猫との交配により生まれたミヌエットは現在人気の高い猫種です。
他にも、スフィンクスとの交配で生まれたバンビーノ、アメリカンカールとの交配で生まれたキンカロー、スコティッシュ・フォールドとの交配により生まれたスコマンチなど、たくさんの猫種がいます。
本格的にブリーディングされたのが1980年代だったマンチカンですが、すでに様々な猫種の先祖になりつつあることも、人気がある証拠なのです。
外見的な特徴からマンチカンが気になっても、その性格を知らなければ一緒に暮らす決心がつきにくい方もいらっしゃるでしょう。
また、現在すでにマンチカンと暮らしている方も、本当はどんな性格をしているのか、どのように接したら良いのかわからない方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、マンチカンの性格について注目していきましょう。
性格がわかれば、日頃からどのように接すればよいかも見えてきます。
ねこと人間、どちらも幸せに生活するために、ねこの性格を知ることは非常に大切なのです。
マンチカンの性格はあまり凶暴ではありません。
そのため、他のねこや他の動物と暮らすことも苦にならないケースが多いです。
もちろん人間にも慣れやすく、初めてねこと暮らす方も暮らしやすい猫種と言えます。
また、好奇心が旺盛のため他のねこ以上に動いているものに過敏に反応します。
そのため、人間が留守の間にイタズラしてしまうことも多いです。
多くのねこは年齢と共に好奇心が衰えていきますが、マンチカンに関してはあまり衰えないことも特徴的です。
まさに、可愛がるにはもってこいの猫種ですね。
マンチカンの性格から、どのように接すれば良いのかを考えていきましょう。
他の動物とも暮らせるマンチカンは、甘えん坊の面を持ち合わせています。
たくさん可愛がることでスキンシップが取れて信頼関係も生まれるため、たくさん甘えさせてあげましょう。
しかしこの反面、すぐに寂しがる傾向にあります。
あまり留守にしてしまうとそれがストレスとなり病気にもつながりやすいため、無理のない範囲で留守にはせず、一緒にいてあげてください。
好奇心旺盛のため遊ぶことが大好きです。
1日に少しでも良いので、遊ぶ時間を作ってあげるとマンチカンの運動にもなり、ストレス解消になるためおすすめです。
ただし注意しなければならないのは、好奇心旺盛のため誤飲がよく見られるということです。
ねこは下で物を確認する傾向もあり、好奇心旺盛なマンチカンが様々なものを舐めるということが予想できます。
誤飲する恐れのあるものを部屋に置かず、きちんとしまっておくことも大切なことです。
マンチカンに限らず、ねこと一緒に暮らすことになった際に、少しでも長生きしてもらいたいと思うことは誰しもが同じです。
そのためには、病気の早期発見と日頃の生活がカギを握っています。
ここでは、マンチカンの健康について気をつけたいことと、マンチカンがかかりやすい病気についてご紹介します。
日頃から注意することによって、元気に過ごせる時間も大きく変わってくるため、しっかりと覚えておきましょう。
ねこ全体に言えることではありますが、マンチカンは特に肥満に注意が必要です。
他のねこで肥満になりやすいケースは、基礎代謝が低いために注意が必要という原因があります。
しかし、マンチカンの基礎代謝は全体的に低いわけではないので、太りやすいということではありませんが、太ってしまうと関節に関わる病気が出やすい猫種です。
足が短いことがその原因とされており、肥満になると様々な関節に痛みが生じることが多いです。
これらのリスクを回避するために、日頃から遊ぶことによって運動したり食事の量に気をつけながら生活しましょう。
足の短い犬種のコーギーが発症しやすいと言われているヘルニアですが、マンチカンにも同様のことが言えます。
足の長いマンチカンはそこまでリスクが大きいわけではありませんが、短い場合は注意が必要です。
四肢の関節痛同様に、運動量が減ったり突然叫び声のような鳴き声を聞いた際には、動物病院を受診しましょう。
運動量が減ると肥満になったり、痛みから来るストレスによって他の病気を併発してしまうケースがあります。
兆候が見えたら、早期対策を行うことが必要です。
ウイルスにより起こる病気で、発見が遅れると命に関わる病気です。
マンチカンは遺伝的にこの病気にかかりやすいと言われているので注意しましょう。
ウイルスにより腹膜炎や腸炎が起きる病気であり、最初の症状は食欲不振から始まります。
その後、神経、目、腎臓が痛みだし、お腹を下すことによって脱水症状が起こるケースがあります。
さらに進行すると、てんかんや呼吸困難、感覚麻痺など起こる恐ろしい病気ですので、早期対策が求められる病気です。
見た目がとても可愛らしいマンチカンですが、性格も人懐っこいことで人気を集めている猫種です。
ねこに対する気まぐれのイメージを持っている方でも、マンチカンと接することでその考えが覆る可能性は高いです。
もし、マンチカンと住むことになった場合は注意点をしっかり意識し、末長くマンチカンと暮らすことを心がけましょう。