一見すると黒猫のように見えますが、明るいところで見ると少し茶色がかっている被毛が特徴のハバナブラウン(Havana brown)。
この黒猫とは少し違う風貌と愛らしい性格から、世界では近年ファンを増やしている猫種です。
日本ではまだ知られていないねこということもあり、ねこ好きであっても知られていない部分の多いねこです。
そんなハバナブラウンについて、どのようなねこであるのかを詳しくご紹介していきます。
名前に「ブラウン」と入っているのを象徴するかのように、明るいところで見るとすこし茶色がかっているハバナブラウンですが、一体どのようにして生まれたのでしょうか。
実はハバナブラウンの元となったねこは古くからいましたが、近年徐々に人気が出始めた猫種でもあります。
それでは、そんなハバナブラウンの歴史や特徴を知りましょう。
ハバナブラウンの祖先となるねこが生まれたのは1890年のことです。
シャム猫とシャム猫の血が混ざっているねこの間に生れたのがハバナブラウンの祖先です。
毛並みが茶色く、当時はスイスマウンテンキャットと呼ばれて猫種としての確立を目指す動きが行われます。
しかし、スイスマウンテンキャットの目の色が緑色だったことがシャム猫愛好家から嫌われることとなります。
シャム猫の目の色は青色のみと定められているため、緑の目の遺伝子が入り込んでしまうことを恐れたのです。
結果としてハバナブラウンの祖先であるスイスマウンテンキャットの猫種としての確立は断念せざるを得なくなり、一旦はここで終焉することとなるのです。
スイスマウンテンキャットの繁殖が断念されてから時は経ち、1950年代に入るとシャム猫と黒猫の交配が行われることとなりました。
第二次世界大戦で世界的にねこの数が減ってしまい、特にシャム猫は絶滅してしまうのではないかという話も出たくらい少なくなってしまったため、他の猫種との交配が率先して行われたのです。
ここで生まれたのがハバナブラウンの直接的祖先となり、この頃はチェストナットブラウンフォーリンという名前で猫種の登録が行われます。
この後はさらに猫種として確立していき、1970年にはハバナブラウンという名前に変更されて現在の猫種として登録されたのです。
一度は諦められてしまったハバナブラウンでしたが、時代的背景もあり再び登録されることとなったことと、様々な名前を持っていたことで珍しい猫種だと言えます。
ハバナブラウンと一言で言っても、実は大きく分けると2種類に分けることができます。
一方がスラッとした体つきや顔つきが特徴的なヨーロッパ型のハバナブラウンです。
もう一方が、がっちりしていて筋肉質。さらにすこし丸みを帯びているアメリカ型のハバナブラウンです。
比べてみると一目瞭然なくらい異なる外見をしていますが、この理由は全く異なるルートで繁殖が行われてきたことにあります。
多くの猫種は出身国で猫種として確立した後に世界に出ていくのですが、ハバナブラウンの場合はアメリカとヨーロッパで別々に繁殖が行われました。
結果として、スラッとした外見が好まれるヨーロッパ型と筋肉質な外見が好まれるアメリカ型に分かれることとなったのです。
日本ではまだメジャーとは言えないハバナブラウンですが、外見を気に入ってしまった方はいつか一緒に暮らすことも考える方も多いのではないでしょうか。
一緒に暮らすとなると、気になるのは性格です。
ねこは猫種によって性格が大きく異なるため、ねことの生活も多種多様であると言えます。
そこで、ハバナブラウンの性格と一緒に暮らす際の注意するポイントなどをご紹介していきます。
ハバナブラウンの性格はとにかく人間に絶対的な信頼を置いています。
そのため、よく懐いてくれるため甘えてきたり一緒に遊んだりすることで信頼関係が深まるねこです。
また、賢い一面も持っているためしつけに苦労するすることも少ないのが特徴です。
おしゃべりも好きなことから人間が語りかけると鳴いて応えてくれることもあるので、まるで同居人がいるような生活が待っています。
ただし、あまり構ってあげないと拗ねてしまうこともあるので注意が必要です。
忙しい時に構ってあげられずに拗ねて部屋にこもっている時に、名前を呼ぶと飛んでくる可愛い一面もあります。
どうしても構ってあげられないときにはその後のケアをしっかりと行いましょう。
ねこによく見られる性格でもありますが、嫉妬深いこともハバナブラウンの特徴でもあります。
自分が構ってもらえない時には拗ねてしまうことも多いのですが、多頭飼いなどでは自分が構ってもらう回数が少ないとストレスを抱えてしまうことも多いです。
特に先輩猫だった場合は後から来たねこにポジションを取られてしまったという感覚に陥ってしまうため、注意が必要です。
もし先輩猫の場合は帰ってきた時の声がけやごはんなどを先に行ってあげることを守るとストレスが軽減されることが多いです。
後輩猫としてハバナブラウンがやってきた場合にも、時間をしっかりかけて構うことによってできるだけストレスを溜め込まないように心がけましょう。
「まるで犬のようなねこ」といわれることもあるくらい、ハバナブラウンは賢くて遊びが大好きです。
体を動かすことがストレス解消にもつながるため、1日のうちに少しでも遊ぶ時間を作りましょう。
テンションが高くなった場合は1人で遊び始めることもありますが、人間が好きなハバナブラウンにとって遊んでもらうことはとても楽しい時間なのです。
一緒に遊ぶことで信頼関係も構築されますし、ストレス解消にもつながることからたくさん遊んであげましょう。
うまくキャットタワーなどを使って上下運動を行うことで、運動量も増えるのでおすすめです。
日本ではまだまだ希少なハバナブラウンと暮らすことを考えると、少しでも長く健康でいてほしいと考えるのは当然のことだと思います。
そこで、ハバナブラウンと暮らしていく中で日頃から注意しておきたい健康についてのポイントをご紹介していきます。
ねこも動物なので、予期せぬ病気にかかってしまうことはあります。
しかし、病気リスクを少しでも軽減してあげることは人間の役目です。
そして、もし病気に罹ってしまった際には速やかに病院へ連れていくことも忘れず行いましょう。
ハバナブラウンはストレスを感じやすいねこでもありますが、遠慮しがちなねこでもあります。
我慢しないことがねこの特徴に思われてしまうかもしれませんが、賢いねこは状況に応じて遠慮することがあります。
しかし、遠慮した場合はストレスを抱えていることが多いので、それが体調面に出ることも少なくありません。
そのため、もし遠慮しているような素振りが見えた場合には名前を呼んであげたりたくさん構ってあげることを忘れないでください。
そして、ストレス解消のためにたくさん遊んであげることも忘れてはいけません。
ねこにとってワクチンによって予防できる病気はたくさんあります。
特にねこが悩まされる猫風邪も同様で、一旦猫風邪にかかってしまうと完治までに時間がかかることと、動物病院を受診しなければ治ることはまずありません。
ワクチンで100%かからないわけではありませんし、毎年接種しなければ効果はありません。
しかし、ワクチンで予防できる病気もあります。
予期せぬ病気を避けるためにも、極力ワクチン接種を行った方が良いと言えます。
日本ではほとんど見ないハバナブラウンですが、外見はもちろんのこと性格も他にはない愛嬌たっぷりの性格をしています。
ハバナブラウンと出会うことはかなり難しいことかもしれませんが、不可能ではありません。
もし気になった方は、ハバナブラウンと出会うための行動を起こしてみると、運命の出会いがあるかもしれませんね。