ねこの優美な姿や生き生きとした姿を写真に撮り、SNSにアップしたい…と考える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかしねこはとても気ままな動物。思うようにポーズを取ってはくれません。
そんな手ごわいモデルをかわいく、美しく撮るためにはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。
今回の記事では、ねこの映える写真の撮るためのポイントをご紹介します。
まずは、写真を撮る前にしておくべきことをご紹介します。
ねこは新しいものに警戒心を抱く動物です。
特にカメラやスマートフォンをジッとねこの方に向けたり、写真を撮る際にシャッター音が鳴ったりするため、ねこが怖がってリラックスしてくれない場合もあります。
まずはカメラやスマートフォンに慣れてもらうために、ねこの近くに置いておくようにしましょう。
シャッター音を怖がるねこもいますので、普段から時々使うなどして、時間をかけて慣らしておくと良いでしょう。
撮影をする前に、撮影場所である部屋はきちんと片付けておきましょう。
部屋が散らかっていると撮影した際に雑然とした印象になりますし、被写体が多くなり過ぎて、メインであるねこがぼやけてしまいます。
肉眼ではさほど気にならなくても、レンズ越しに見ると毛の乱れや目ヤニはとても目立ちます。
いうなればねこは「モデル」になるわけですから、きちんとケアをして身だしなみを整えてあげましょう。
ブラシをかけて毛並みを整え、目やにや耳あか、顔周りの汚れはウェットシートで拭き取ると見違えるようになります。
また、見落としがちなのが目の中に入っている毛です。
ねこの毛は細いため肉眼では分かりづらいですが、写真に写りこむと目の色が変わって見えてしまうこともあります。
何度かまばたきをさせていると毛がまぶたに移動しますので、指か湿ったコットンで優しくぬぐって取るようにしましょう。
特に何も考えず、ねこの自然な姿を撮るのも楽しいですが、まずはひとつテーマを決め、それを極めるつもりで撮影をすると上達が早くなります。
例えば、ねこが以下のような行動を取っている時を狙うと、魅力的な写真が撮れます。
・寝ているところ
撮影初心者はまず寝ているねこの写真から始めると良いでしょう。
寝ているねこはほとんど動かないため、簡単にかわいい寝姿を写真に収めることができます。
また、寝起きもねらい目です。
寝起きのねこも動きがゆっくりであるため撮りやすいです。あくびや毛づくろいなど、ねこならではのポーズを取ってくれるため、シャッターチャンスがたくさんあります。
・ご飯を食べているところ
ご飯中もそれほど激しくは動かないため、撮影しやすい時間です。
食べ終わった後でペロッと顔を舐めたり、満足そうな表情を浮かべたりしているところを撮るのも楽しいでしょう。
・遊んでいるところ
ねこの写真を撮るのに慣れてきたら、遊んでいるところに挑戦してみましょう。
ねこらしい優雅さと躍動感のある写真が撮れます。
好奇心でいっぱいの、真ん丸なかわいい瞳が撮影できるのも魅力です。
準備ができたら、いよいよ撮影開始です。
最初はうまく撮れなくても大丈夫。まずはねこの動きに任せて、楽しんで撮影することが大切です。
以下の点に気をつけながら、たくさんの写真を撮ってみましょう。
カメラやスマートフォンアプリには長押し機能が搭載されているものもあります。
長押ししていると、その間ずっと写真を撮り続けてくれるというもので、人間の目ではとらえきれないねこの動きや表情の変化を撮影することができます。
連写中は絶えずシャッター音が響きますので、ねこが怖がらないよう慣らしておくことが重要です。
ねこを撮影する時は、つい自分の目線から、つまりねこより高い位置から撮ってしまいがちです。
こちらを見上げるねこも可愛いですが、どの写真も同じような構図になってしまいます。
おすすめはねこと目線を合わせて撮影することです。
ねこの見ている世界がクローズアップされるため、生き生きした写真を撮ることができます。
キャットタワーや棚の上に乗っている時などに、下から撮るのも面白い構図になります。
また、いつも正面から撮るのではなく、斜めや横、後ろから撮影してみたり、肉球やお尻などパーツだけを撮ってみたりするなど、色々試してみると新たな発見があるかもしれません。
ねこの写真を撮る時には、ついねこが中心に寄りがちです。
それももちろん悪いことではありませんが、時にはあえてねこを中心からずらしてみると空間に奥行きや広がりが感じられ、物語性が生まれます。
メインをほかの被写体にして、ねこはアクセントにするという撮り方も面白いかもしれません。
暗い室内で写真を撮ると、シャッタースピードが遅くなりブレの原因になります。
また、暗い所でフラッシュを使って撮影すると、ねこの目が赤く光り、見栄えが良くありません。
このような理由から、ねこの写真は自然光で撮るのが一番です。
太陽の光が強過ぎない朝、もしくは夕方、窓辺で撮影するのがおすすめです。
撮影する人が窓辺に立つ形で撮影するときれいに撮影できます。
光が足りない場合は、白い紙やレジャーシートをレフ板代わりにして光を反射させることで、陰になっている部分にも光を当てることができます。
先ほどご紹介した通り、ねこの撮影にフラッシュを使うと、赤目になりやすくなります。
また、ねこを驚かせてしまったり、目に負担をかけてしまったりするため、極力使わないようにしましょう。
ねこは気ままな動物で、人間のように目線をくれたり、ポーズを取ってくれたりはしません。
ねこが好むおもちゃを使ってねこの気を引くと、面白い動きをしてくれることでしょう。
また、箱やかごを用意しておくと、その中に入っておとなしくしてくれますので、好きなアングルから写真を撮ることができます。
写真上達の一番のコツは、「とにかくたくさん撮る」ことです。
アングルが、構図が……と気にしてばかりいると、同じような写真しか撮れません。
まずたくさん撮ってみましょう。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ではありませんが、連写機能を使って、たくさん撮った中から数枚は「これだ!」と思えるようなものがあるかもしれません。
先ほど触れた通り、おもちゃや箱などでねこの気を引くのは構いませんが、あくまで自然な動きを引き出すのに使うのに留めておきましょう。
ねこにこちらを向かせたいばかりに大きな音を立てたり、無理やりポーズを取らせたりするとねこのストレスになり、撮影を嫌がるようになります。
優しく声をかけ、ねこの好きなように動いてもらうことで、ねこは注目されることを喜び、撮影を楽しむようになります。
ねこの写真を撮っていると、ねこならではの撮影の悩みも出てきます。
特に起こりがちなねこ写真のトラブルと、その解決法をご紹介します。
ねこは瞳孔の大きさが変化する動物です。針のように細い目も神秘的ですが、やはり真ん丸のかわいい目を撮りたいものです。
ねこの瞳孔は暗い所で開きますので、丸い瞳を狙うのであれば、テーブルの下などやや暗い所で撮影します。
シャッター速度が遅くなりブレやすくなりますので、変更できるのであれば、ISO感度を上げてシャッター速度を速くすると良いでしょう。
また、興奮した時も瞳孔が開きますので、遊んでいるところを撮影するのも良い方法です。
黒猫は神秘的でかわいいのですが、写真に撮ると黒い塊に見えてしまうのが悩みどころです。
以下のような対処法を撮ることで、黒猫をきれいに撮影できます。
元気いっぱい動き回るねこを撮影するのは難しいものです。
できるだけ明るい場所で撮影することでシャッター速度を速くし、ブレを軽減することができます。
また、設定が可能な場合は、シャッター速度を1/125秒以上に上げたり、ISO感度を上げたりすることでシャッター速度を速くできます。
しかし、激しくブレている写真も躍動感があって面白いものです。
TwitterやInstagramには、「#猫の写真ヘタクソ選手権」というハッシュタグの元、激しいブレにより面白い姿になったねこの写真が多く寄せられています。
ねこが激しく動いて写真を撮れない場合は、思い切って「ネタ写真」に振り切ってしまうのも撮影の楽しみ方のひとつです。
今は専門のソフトが無くてもパソコンやスマートフォンのアプリで簡単に加工ができます。
撮影したままの写真も自然で良いですが、加工をすることでもっと魅力的な写真に仕上がります。
今回は、初歩的な加工法をいくつかご紹介します。
写真が明る過ぎる、もしくは暗過ぎる時には明るさ補正で整えます。
多くのスマートフォンでは、写真編集で行うことができます。
他にもコントラスト、ハイライト、シャドウ、ブラックポイントなどさまざまな調節機能がありますので、不自然にならない程度に加工するとよりきれいな写真に仕上がります。
写真の不要部分を切り取ることをトリミングといいます。
多くのスマートフォンでは、写真編集でトリミングを行うことができます。
余計なものが写っていたり、ねこの周りの空間が広過ぎたりする場合は、トリミングによって写真を整えることができます。
細かい色味調整を手軽にやってくれる機能です。
フィルターごとにテーマがあり、好みのテーマを選ぶことで、簡単にニュアンスのある写真に仕上がります。
映えるねこ写真の撮影法をご紹介しました。
シャッター速度やISO、光の使い方などさまざまなテクニックはありますが、最も大切なのは「ねこに合わせる」ことです。
ねこは気ままな割に神経質な動物です。
カメラやスマートフォンを警戒して動きが硬くなったり、好き勝手に動いて思うようにポーズを取ってくれなかったり…でも、そのマイペースさがねこの魅力ではないでしょうか。
そんなねこの魅力を引き出すためには、ねこにポーズを無理強いするのではなく、ねこの動きや気持ちを尊重して、ねこがリラックスできる環境の中で、撮影することが重要です。
大好きな飼い主さんに注目され、一緒にすてきな時間が過ごせていると分かるとねこも喜びます。
そして段々と、写真に撮られることを楽しむようになります。
映えるねこの写真は、カメラマンである人間とモデルであるねこの信頼関係があって初めて撮れるものなのです。