ねこの魅力のひとつは、なんといってもあのぷにぷにした「肉球」ではないでしょうか。
ねこの肉球グッズもは、様々な会社から販売されています。
今回はそんなねこの肉球について、徹底検証してみました。
触ってよし嗅いでよし、ねこ好きさんを幸せな気持ちにしてくれる魔法のアイテム「肉球」。
でもこれ、ねこにとってどんな役割があるのでしょうか。
ねこの肉球について、その役目としくみを解説します。
ねこの肉球には、5つの役目があります。
動物はそれぞれ、外の世界を認識したり危険を察知したりするための五感があります。
五感には「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」があり、ねこの肉球は「触覚」にあたります。
人間の場合の触覚は皮膚全体となりますが、ねこの触覚はほとんどが肉球とひげです。
肉球とひげに触覚が集中しているおかげで、ねこは足元を常に見なくても障害物をよけて歩くことができるのです。
ねこの肉球最大の魅力であるぷにぷに感。
この弾力性が、飛び上がる時や着地した時、走っている時などにねこの体への衝撃をやわらげてケガを防ぎます。
そしてこの弾力性には消音の機能もあります。
高いところから飛び降りた時に、あまり音がしないのは肉球のおかげです。
音を立てずに獲物のそばに近づき、しとめる…狩りをしていた時代の名残がうかがえるパーツです。
ねこの汗腺は主に鼻と肉球にあり、ほとんどが肉球に集中しています。
この汗腺から汗を出して、体の中の余分な水分を蒸発させることで体温調節をおこなうとされています。
木の枝など細くて不安定なところでもすべらないのは、肉球からでる汗のおかげなのです。
ねこは自分で体をなめて毛づくろいをします。なめることで抜け毛をとって毛玉のない、なめらかで整った毛並みを維持しています。
ただし、顔は自分でなめることができません。そこで肉球の登場です。
肉球をなめて湿らせてから自分の顔をなでつけることで、ブラッシングしているのです。
ねこは肉球を使うことで、人間の手のようにつかまったり掴んだりすることができます。
木に登ったり、ねこじゃらしなどのおもちゃを掴んだり、授乳時に前足でもむ動作をしたりしているのがそうです。
そしてこれは、トラやライオンなど同じネコ科の動物全般に共通する特徴でもあります。
たくさんの神経が走っていることもあり、あまり触ると嫌がられてしまうねこの肉球。
4足とも同じだと思っていませんか?実は前足と後ろ足で数も呼び方も少し違うんです。
前足の肉球は7つずつあります。
・手根球(しゅこんきゅう)
この肉球は前足にしかありません。
ちょうど前足首近くの場所に、小さい肉球があり、それがこの手根球です。
獲物を狙って低い体勢を保つときなどに、前足首を守る役割があります。
・掌球(しょうきゅう)
中央にある一番大きな肉球です。
人間でいうと手のひらの部分にあたります。
・指球(しきゅう)
大きな掌球を取り囲む小さい肉球です。
人間でいうと指先の部分です。
後ろ足の肉球は5つずつです。
・足底球(そくていきゅう)
中央にある一番大きな肉球です。
・趾球(しきゅう)
大きな足球を取り囲んでいる小さい肉球です。
実は重要な役目をもっている「肉球」ですが、毎日お手入れは必要なのでしょうか。
答えは「NO」です。
その理由についても解説します。
ねこは自分でグルーミングして全身の毛並みを整えており、肉球についても、グルーミング時になめて手入れしています。
室内飼いのねこであれば、飼い主側で毎日肉球の手入れをする必要はないとされています。
外でお散歩してくる場合は帰宅時に、絞ったタオルや、ねこ用ウエットシートなどで肉球を含めて拭いてあげてください。
その時に、肉球がカサついていないか、出血していないかなども簡単にチェックしましょう。
日常のお手入れであれば、前述のねこ用ウエットシートや絞ったタオルで充分です。
ただし、ウエットシートを選ぶときには注意してください。
ねこに有害な成分の入ったウエットシートを使うと、あとでねこが肉球をなめた時にその成分を体内に取り込んでしまうことがあるためです。
犬とねこでは分解できる成分が違うため、犬用のウエットシートを使うと、ねこの体調が悪くなることがあります。
また、人間にとっては心地よいアロマや精油の成分もねこの体には負担になることがあります。
アルコールやプロピレングリコール、精油など、ねこに有害な成分が含まれていないかを事前に確認してあげてください。
もし肉球がカサついているときは、ねこ用のお手入れクリームを薄く塗ってあげましょう。
通常、ねこの爪は3週間から1か月目安で切るのがよいとされています。
ただし、子猫は爪の伸びるのが早いため生後1歳未満の子猫は10日に一回くらいが目安です。
ねこの爪は層状になっており、日常的な爪とぎで古くなった爪をとることはできても、とがった爪先は爪切りでないと切れないためです。
爪先がのびてとがったままだと、歩く時にひっかけたり、自分の体を傷つけてしまうおそれがあるので気をつけてあげましょう。
また長毛種のねこの場合、足裏の毛が伸びすぎると歩くのに邪魔になってしまうことがあります。
肉球に毛がかかっていたり、かくれてしまうくらい伸びている場合はカットしてあげてください。
肉球が毛でかくれることで転ぶ危険があるためです。
ハサミよりバリカンの方が扱いやすく肉球を傷つけにくいですが、自分でカットするのが心配な方はプロのトリマーへお願いしましょう。
ねこの肉球の色はさまざまです。
ピンクや黒、グレー、また肉球によって色が違うまだらなどもあります。
肉球の色は毛色と関係があるといわれますが、実際のところはまだ解明されていません。
そんなねこの肉球、こまめに観察することで体調を知ることもできます。
たとえば普段ピンクの肉球が白っぽくなっていたら、貧血になっている可能性があります。
色の変化がわかりにくい黒やグレーの肉球の場合も、カサついていたり、熱を持っていたりしたら体調を崩している可能性が高いです。
肉球で体調を知ることもできるので、個体差はありますが、できれば小さいころから触られることになれさせておいた方がよいとされています。
ねこは野生の名残で体調が悪いのを隠してしまいますので、普段から観察して、少しでも気になることがあれば病院を受診しましょう。
「ポップコーンのよう」と言われることもある、肉球の匂い。
この匂いには、ねこの汗腺が関係しています。
かいた汗が肉球の間で蒸れることで、あの匂いが発生するとされています。
加えて、ねこは肉球で様々なものに触れています。歩いたり、おもちゃをつかんだり、時にはトイレの後処理もしますよね。
その時々で触れたものの匂いが移りやすいことも原因のひとつです。
在宅勤務の普及もあり、ペットブームが再燃しています。
中でも、ねこ人気はとどまるところを知りません。
あのやわらかい体を抱きしめると、仕事の疲れも吹き飛びますよね…!
今回は、ねこの数ある魅力の中でも、もっとも魅力的なねこの肉球について、その役割やしくみ、お手入れ方法やあの匂いの理由などを解説してきました。
ただ可愛いだけではなく、いろいろな情報が詰まっている、ねこの肉球。
普段のコミュニケーションでしっかり観察して、長く一緒にいられるように気を配ってあげてくださいね。