「猫をもう一匹、欲しいが・・」、「一匹では可哀そう・・」など
飼い主さんのなかでも、愛猫を複数匹、飼ってみたいと考えている人は多いと思います。
実は、私はねこを多頭飼いしています。
最初は一匹から飼い始めたのですが、だんだんと増えていき、今では八匹まで増えました。
ねこの多頭飼は、決して簡単なことではありません。
多頭飼いすることへの迷いや悩みもありました。
今回は経験者として、多頭飼いするときの注意点やコツについて経験談を交えて解説していきます。
ねこを多頭飼いするきっかけには、ねこをもう一匹、欲しいからとか、ねこが一匹だと留守番させるのが可哀そうだとか、それぞれ理由があると思います。
この考え方は、もう一匹、ねこを飼いたいと考える飼い主さんの多頭飼いに対する積極的な姿勢です。
一方、やむを得ず飼いはじめたという消極的な姿勢のかたもいらっしゃるでしょう。
今、私が飼っているねこの中で、最初の一匹だけはねこの譲渡会で里親となったものです。
残りのねこは、全て捨て猫や迷い猫であったのを飼い猫として迎え入れたものです。
寒空に震えていた子猫とか、カラスに襲われていた子猫、道路わきでケガをしてうずくまっていたねこを、可哀そうだと思って引き取りました。
引き取るに当たっては、はたして、自分に多頭飼いができるかなど迷いや心配もありました。
先住猫がいる家の中で、新しく次のねこを向かい入れるときに感じた迷いや心配はいくつかあります。
先住猫との最初の対面となったのは、寒空の中でお腹を空かしてブルブルと震えていた、生まれて一か月もたたないよちよち歩きの保護したメスの子猫でした。
先住猫は、オスの成猫です。
子猫を飼ったとしても、うまく暮らせるかと不安がありました。
特に心配だったのは、成猫が子猫を襲ったり、傷つけたりしないかという不安です。
多頭飼いすることで、先住猫と新猫にストレスが生じるのではないかと言う不安ですぅ。
人でも知らないだれかと一緒に暮らすことには、ストレスを感じてしまうでしょう。
ねこも同じです。
もし、お互いのねこ同士がストレスを感じたどうしようかという心配です。
先住猫は、予防接種や定期的な健康診断を受けています。
そのためウイルスによる感染症やノミやダニ、条虫(サナダムシ)などの寄生虫は保有しておらず健康体です。
新しく迎え入れるねこが捨て猫の場合は、ウイルスや寄生虫を保有している心配があります。
先住猫はオス猫で、すでに去勢していましたから、新しく迎え入れたメスの子猫を妊娠させる心配はありませんでした。
ただ、メスの子猫が大きく育って外に出るようなことがあったら妊娠することも出てくるでしょう。
また、引き取ったねこがメスの成猫だった場合、妊娠している可能性があります。
妊娠している場合、一気に数が増えてしまいます。
心配は多々ありましたが、先住猫のいる我が家に新しい猫を迎え入れることになりました。
先住猫との関係も良好だったので、新入を迎える前の心配や悩みは、どうやら杞憂に終わり安心したものです。
しかし、問題は2番目となるオスの成猫を迎えたときから始まりました。
1番目の子猫との状況ががらりと変わりました。
その変化は次のようなものです。
2番目の新入りはオスの成猫だったために先住猫とウマが合いませんでした。
家に迎え入れてから、すぐににらみ合いや威嚇が始まったのです。
傍で見ていて危険な状態に思えたので、新入りのねこは離れの別室へと隔離することになりました。
新入りの猫には、耳ダニ、ノミ、条虫などの寄生虫がいることが検査で分かりました。
特に、耳ダニの駆除には1カ月も必要で、その期間は、完全隔離です。
新入りを迎えて一番に困ったことは、先住猫とウマが合わなかったばかりでありませんでした。
縄張り争いのための先住猫のマーキングが始まったことです。
家中にするので、このマーキングにはしばらく手を焼きました。
それまで、ご飯は残さずに食べていたのですが、先住猫が新入りを迎えたために、ストレスが溜まり、急に食欲が減退しました。
さらにストレスにより、元気もなくなってしまったのです。
オスのねこを迎え入れたことがよほどショックだったのでしょう。
1匹のねこを飼っているときはそれほど気にはなりませんでした。
しかし、ねこを多頭飼いするとなると、大幅な予算の追加が必要になります。
検診費用からはじまり、ワクチン摂取、避妊・去勢手術、定期健康診断、ケガ、病気などかかる費用はうなぎ上りです。
また、日常のフード代、猫砂、猫グッズ、おもちゃなど大きな負担になります。
多頭飼いとなると旅行などの遠出ができなくなります。
また、留守の間にねこ同士の喧嘩が始まるのではないかと、心配のあまり買い物もはじめのうちは短時間で済ませました。
しかし、ここで挙げた例は、多頭飼いをはじめて感じた主な例で問題点です。
他の細かい点を挙げたらキリがありません。
先住猫のいる家に、新しくねこを迎え入れるまでに済ましておきたい準備には次のようなものが考えられます。
実際に、私が先住猫のいる家に、新しくねこを迎え入れたときには、急に決めたので、事前の準備はできませんでした。
次に挙げるものは、新しく猫を迎え入れたときに感じた、「やっておくべきだった事前準備」です。
迎え入れるときのねこの年齢や性別にもよりますが、新猫を迎え入れるに当たってケージは必需品です。
特に、ちっちゃな子猫が先住猫からの危害を受けないためにはぜひ揃えておきたいものです。
また、先住猫と新猫をゆっくりと慣れさせるためにもケージがあった方がいいでしょう。
ねこを一匹だけ飼う場合は、トイレは一つでも構わないですが、複数のねこを飼うことになったら複数のトイレを準備して置くべきです。
ねこは、清潔を好む動物ですからトイレが汚れているとストレスがたまり排泄することを嫌がります。
膀胱炎などにかることもありますから、トイレの数は複数置くように心がけましょう。
トイレの数は一匹当たり一つのトイレが理想とされています。
人間が食べる場合でも、人の数だけ食器は必要です。
ねこの場合も同じことが言えます。
食器は複数の猫の共用ではなく一匹に一個の食器を用意してください。
多頭飼いしたい場合は事前に準備しておきましょう。
食事の場所は、フロアなど同じ場所でも構いませんが中の悪いねこ同士は近くで一緒に食事を取ることを嫌がる場合もあります。
食事の場所を変えるなどの配慮も必要です。
ねこは高いところが大好きです。
ですから、キャットタワーなどねこが自由に登れて遊べる場所は確保してあげましょう。
多頭飼いの場合は、キヤットタワーも部屋のスペースに余裕があれば、2基以上は用意してください。
種類の違ったキャットタワーの方が喜ばれます。
ねこを飼う時には、おもちゃは必需品です。
特に、ねこがお好みの「猫じゃらし」「ぬいぐるみ」「けりぐるみ」などは、ストレス発散にはもってこいのアイテムです。
多頭飼いのねこのストレスの発散や運動不足の解消のために事前に、複数準備しておきましょう。
気の合わないねこ同士がいる場合は、慣れるまでは新入りのねこを隔離しておきましょう。
また、ウイルス性の伝染病、ダニ、ノミ、条虫などの寄生虫を保有しているねこも、互いに触れ合えなくするためには隔離できる別室はかならず必要になります。
ねこは、臆病な性格です。
大きな物音や急な来客があったようなときは、慌てふためいてしまいます。
1匹の場合は、あえて用意しなくても隙間など隠れる場所はありますが、多頭飼いの場合は用意してください。
ダンボール箱など猫がいつでもとっさに隠れることのできる場所の確保は大切です。
ねこをできるだけ怖いと言うストレスから解放してあげましょう。
ねこを1匹よりも2匹以上は飼ってみたいと考えている飼い主さんは多いと思います。
しかし、ねこを多頭飼いすることは口で言うほど簡単なことではありません。
ねこが増えることへの心配や悩みなどストレスを感じることも多くなります。
また、飼われるほうのねこにとっても不平や不満などストレスも大きくなるでしょう。
猫の多頭飼いが決して悪いと言ってはいません。
ただ、多頭飼いする場合は、多くのねこが同じ屋根の下でもストレスがなく暮らせていける環境を作ってからはじめるといいでしょう。