ねこは大好きなのに自分には懐いてくれない、むしろ嫌われているのではないかと感じている方も少なくありません。
ねこは警戒心の強い生き物なので、接し方を間違えるといつまでも懐いてくれないのです。
ねこが喜ぶ接し方のポイントを押さえて信頼関係を作り、仲良くねこと暮らしましょう。
ねこに接する際最も重要な点は、ねこの気分に合わせることです。
ねこの気が立っているときやゆっくりしたいときに構ってしまうと一気に嫌われてしまう恐れがあります。
しかし、ねこに「今どんな気分?」と聞いても答えてくれません。
そこで、ねこの気分を知るには表情や様子を見て判断します。
ねこがどんな状態の時に触れて良いのか、どんなときは触れてはいけないかをご紹介して行きます。
ねこの感情は顔に多く現れます。見るポイントは目、ひげ、耳です。
目に関しては、緊張すると目を見開き瞳孔が開きます。
この状態のときはなるべくそっとしておきましょう。
逆に、瞳孔が少し閉じて目がトロンとしているときは撫でるチャンスです。
目を合わせて瞬きしてきたら懐いている証拠です。
ひげと耳に関しては、どちらも後ろ向きになると興奮状態なので触れようとすると怪我をする恐れがあります。
力が入っていない状態になるまでは放置しておくことをおすすめします。
この目、ひげ、耳の3つのポイントを押さえることで、ある程度どういう気分なのかを判断することができます。
リラックスしている時に優しく撫でてあげましょう。
犬が嬉しい時にしっぽを振るというのは有名ですが、同じようにねこの感情もしっぽに現れます。
ねこはしっぽを下げているときは恐怖心を抱えていたり獲物を狙っているときです。
また、バタバタ落ち着かない場合は落ち着かなかったり不満がある場合に見られます。
しっぽを上げているときは好意を示している証なので、もししっぽを高く上げきてきたときには構ってあげるとよいです。
ねことの信頼関係が築けると、常に寄ってくるときはしっぽを上げてきますので撫でたり遊ぶことによってさらに信頼関係が構築されます。
ねこの座り方を見てもねこの気持ちがわかります。
4本の足が地面についているときにはいつでも逃げられる体勢なので警戒していると考えて良いです。
完全にリラックスしているねこは体の側面を地面にけているので、この状態になると撫でると喜びます。
また、通称「スコ座り」と呼ぶスコティッシュフォールドによく見られるお尻をつけて座っている状態もリラックスしている状態です。
しかし、この座り方をしている時に毛繕いをしていることもありますので、邪魔すると怒られることもあるので注意してください。
「ねこは恩を忘れる」と言われていますが、実際にはそんなことはありません。
家族と一緒に暮らすねこを見ると、世話をしてくれる人に最も懐いていることが多いです。
本来ねこは懐く生き物ではありません。
懐いているねこは、成猫にもかかわらず子猫の頃に戻っているのだと言われています。
つまり、懐いているねこは人間のことを親だと思っているのです。
親猫は子猫の身の回りの世話をします。
つまり、自分の世話をしてくれる人を親だと思って懐くということです。
では、具体的にねこの世話はどのようなものがあるのかをご紹介ます。
生きるために最も必要なのはごはんの心配です。
そのため、ごはんをくれる人には最も懐くという習性があります。
野生のねこであっても餌付けが可能なほど価値のある存在であるため、毎日ごはんを与えてくれる人に人気が集まります。
また、ごはん以外にもチュールなどのおやつを与えるのも効果的です。
ごはんとは異なり、直接手から食べさせるのでねこの印象に残りやすいのです。
注意しなければならないのは、ごはんの与えすぎです。
人間と同様に、あればあっただけ食べてしまうねこも少なくありません。
肥満になってしまわないよう注意しながらごはんを出し、良好な関係を築きましょう。
ねこは臭いを気にする生き物です。
トイレをした後に砂で隠す行為も、自分の痕跡を残さないようにする本能からくるものです。
トイレの砂は臭いを隠してくれますが、それにも限界があります。
汚いトイレはねこも気になってストレスになってしまいます。
そこでトイレ掃除をしてくれる人という認定を受けるのも、ねこに好かれる方法の一つです。
頻度には紆余曲折ありますが、少なくとも1日1回はトイレ掃除を行いましょう。
掃除されていないトイレで用を足すのが億劫になり、病気になってしまうねこもいるため、健康のためにもトイレ掃除は重要なのです。
ねこにとって毛の手入れが重要であることは、日頃の毛繕いを見ていてもわかると思います。
そこで、人間が行う最も良いねこの毛のお手入れ方法はブラッシングなのです。
多頭飼いの家などを見るとお互いに毛繕いを行っているねこをみかけることがありますが、このように他人に毛繕いをしてもらうこともねこは嫌ではありません。
毛繕いを行う理由は、二層に分かれているねこの毛のお手入れです。
下層の毛を放置してしまうとゴアゴアして痒くなってしまうこともあるため、定期的な毛繕いが必要なのです。
撫でることで上層の毛は抜けますが、下層まではなかなか届きません。
そんなときに、ブラシを使って手入れすると気持ちよさそうな顔をしてじっとしています。
また、背中や首周りなど自分ではなかなか自分では届きにくい場所などをブラッシングすると、さらに良好な関係を築きやすいです。
人間であっても嫌なことする人のことは好きになれませんが、本能的に警戒心の強いねこであれば尚更です。
いくら普段から良好な関係を築けることを行っていても、一気に信用が崩れてしまう可能性もあります。
ねこによって嫌なことは本能的に嫌なことにも繋がっていることが多いため、人間で言う生理的に無理な人に認定されてしまうこともありますし、ねこにとって多大なストレスとなる可能性もあります。
ストレスは健康にも繋がってしまうため、ねこにとっての禁止事項と思って気をつけましょう。
ねこの気分が乗らない場合、無理強いをすると信頼関係が崩れることがあります。
よくある場面が、来客があって無理矢理ねこを連れてくるということがあります。
個体差や猫種によって差はありますが、ねこは人見知りをする生き物です。
これは、初対面の相手は自分の敵であると思う本能からくるものです。
初めての場所でなかなか表に出てこないねこも同様に、隠れている場所から引っ張り出してくるのもNGですので、絶対にしないでください。
ねこが「この人は安全である」「この場所に危険はない」と判断するのを待ちましょう。
こちらから何かを行うのではなく、出てきたくないときは遠くから見守ることが大切なのです。
私たち人間も大きな音には驚きますが、警戒心の強いねこにとって大きい音は恐怖心しかありません。
小さな子どもにねこが懐かないことはよくありますが、それは子どもの声が大きかったり大きな音をよく出すことが原因です。
静かな場所で暮らすことがねこにとってストレスのない環境と言えるので、大きな音には注意しましょう。
また、大きな声にもねこは恐怖心を覚えます。「猫撫で声」と言われる、小さく高い声をねこは好みますので普段からねこと接するときには、声にも注意しましょう。
よほど信頼関係ができているねこであれば永遠に撫でさせてくれますが、関係の浅いねこであれば少し撫でるとどこかへ行ったり嫌がります。
このとき、深追いをせずに撫でるのを止めることが大切です。
むしろ、嫌がる前に止めてしまうくらいがちょうど良いです。
少し足りないくらいを繰り返していると、「この人はしつこくない」「ちょうど良いところで止めてくれる」と思ってくれるので、ねこから撫でて欲しいアピールをしてきます。
引き際を大切にすることも、ねこと仲良く暮らすための重要なポイントなのです。
昔であればねこは懐かない生き物とされてきましたが、最近では接し方によって懐くものだということがわかりました。
ねこが懐いているということは、それだけストレスフリーな生活を送っているという証にもなるので、ねこの健康にも繋がります。
懐かれて癒される人間とストレスフリーで生きていけるねこ。
良い関係を築くことができると、どちらにとっても良いと言えます。
ねこという生き物の特性を知り、良好な関係を築きましょう。