ねこはあまり水を飲まない動物です。そのため、尿石症をはじめとする泌尿器系の疾患に注意が必要だと言われています。
でも、「注意しろと言われてもどうしたらいいの?」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そこで、今回はねこのおしっこと健康について紹介します。健康な状態のおしっこを知り、しっかりと管理できるようになりましょう。
愛猫を泌尿器系の疾患から守るためには、健康なおしっこの状態を知っておくことが重要です。
ねこによって個体差はありますが、目安を知っておきましょう。
健康なねこのおしっこの回数は、1日に2〜3回もしくは2〜4回で、5回以上は多すぎだと言われています。
ただし、個体差があり、1日に1回しかしないねこや4〜5回するというねこもいるようです。ねこが健康ならば、それがその子のペースですから、あまり神経質にならずに見守ってあげましょう。
注意しなければいけないのは、急におしっこの回数が増えたり、減ったりすることです。回数的に問題がなくても、1日に2回の子が急に4-5回もおしっこをするようになったら要注意です。なんらかの問題が生じている可能性があります。
健康なねこの1日のおしっこの量は、体重1kgあたり50ml以下です。体重4kgのねこは200mlが目安となります。これよりも多いとおしっこが多すぎる「多尿」という状態です。
使用している猫砂に50mlの水を吸わせて、塊の大きさと重さを確認しておくと目安になります。
健康なねこのおしっこの色は薄めの黄色と言われています。
ねこのおしっこの色が通常よりも薄くなったらおしっこの量が増えている、濃くなったら減っていると判断することができます。
また、おしっこの色がピンク色、赤色になっていたら血尿。白く濁っていたら細菌が混じっている可能性が疑われます。
おしっこの匂いがいつもと違うなと感じたら要注意です。泌尿器疾患の可能性があります。
たとえば、おしっこの匂いがしない場合は、慢性の腎臓病かもしれません。また、甘酸っぱい匂いがしたら糖尿病、いつもより臭くて、ツーンとくる匂いがしたら細菌性膀胱炎の可能性があります。
飼い主さんが日頃からできるおしっこのチェックポイントを紹介します。もし、以下の症状が見られるようでしたら、なんらかの病気の可能性があります。
とくに注意したいのは、「おしっこが出ない」という症状です。おしっこの体勢をとっているのに、まったくもしくは少量しか出ていない、24時間以上おしっこが出ていないといった場合は危険な状態かもしれません。早急に動物病院を受診してください。
ねこはあまり水を飲まないため、泌尿器系の病気になりやすいと言われています。泌尿器疾患は、トイレの回数が増えた、血尿が出た、おしっこが出ていないなどの異常で気づくことも多いです。
とくに、ねこでは以下の病気がよく見られます。見極めポイントもあわせて紹介しますので、参考にしてください。
■尿路結石症
■細菌性膀胱炎
■膀胱腫瘍
■尿道炎
■尿道閉塞
■急性腎不全
■慢性腎不全
ねこの泌尿器疾患は尿検査で早期発見が可能です。そのために欠かせないのが採尿です。
少しコツはいりますが、自宅で採尿できれば、動物病院にねこを連れていかなくても検査をすることが可能です。
飼い主さんが自宅でできる採尿方法を紹介します。
ねこの採尿方法としていちばん簡単なのがシステムトイレを使った方法です。普段からシステムトイレを愛用しているならば、なんの苦労もせずに採尿ができるでしょう。
トレイの下段に敷いているトイレシーツを取り外してしまうか、裏向きに設置して、ねこがおしっこをするのを待つだけです。排泄後に下の段に溜まっているおしっこを吸い取るだけで採尿完了です。
もし、猫砂がなくてもおしっこをしてくれるならば、採尿時は砂を除去してしまいましょう。不純物の混入を防げます。
お玉を使って採尿する方法は少しコツがいりますが、1度やり方を覚えれば、簡単に採尿することができます。
ねこがしゃがんでおしっこの体勢に入ったら後ろからそっとお玉を差し入れるだけです。ねこは、おしっこが出はじめると止めることができないため、上手く差し込むことができれば、確実に採尿ができます。
コツはしゃがんだあと少し待ってから差し入れることです。
ペット専用の採尿器ウロ・キャッチャーを使う方法もあります。棒の先に吸水性に優れたスポンジがついており、10秒ほどおしっこに浸すことで採尿できます。
やり方は、おたまと同じように排尿中に後ろから差し入れる、もしくは排尿直後におしっこに浸します。
排尿中に採る方法は、的が小さい分お玉よりも難易度が高くなるでしょう。
自宅で採尿できるのがベストですが、どうしても無理な場合は動物病院で採尿してもらう方法もあります。
動物病院でおこなう場合は、膀胱に針を刺しておしっこを採る膀胱穿刺という方法が一般的です。比較的負担の少ない採尿方法とされています。
ただし、おしっこが貯まっていないと採尿ができないため、タイミングを狙って受診をしなければいけません。また、激しく動くねこは採尿できない場合があります。
病気になったときに早期発見をすることはとても重要ですが、それ以上に病気にしないこと(予防すること)が重要です。
泌尿器系の疾患は、ストレスやトイレ環境に注意することで予防になると言われています。また、飲水量を増やすのも効果的です。
ねこはストレスが原因で病気になる動物です。ねこのストレスの原因は、さまざまですが、一般的には以下のようなことが考えられています。
もし、思い当たることがあれば、少しでも軽減できるように対策をしましょう。強いストレスを感じているようでしたら、獣医師に相談することをおすすめします。
ねこはトイレ環境に対してとても強いこだわりを持っています。猫砂やトイレの容器が気に入らない、置き場所が気に入らないといった場合は病気の原因になる場合もあります。
もし、ねこが次のような行動をするならば、トイレ環境に不満をもっている可能性があります。
ねこはトイレ環境に不満があると、トイレ以外でおしっこをしたり、我慢したりするようになります。その結果、尿路感染症や尿石症といった泌尿器系の病気の原因になることがありますので注意が必要です。
一般的にねこは、以下のようなトイレを好むと言われています。
愛猫がトイレに不満を持っているようなら健康のためにも見直しをおすすめします。
ねこが1日に必要な水分摂取量は体重1kgあたり50mlです。体重3kgのねこなら150ml、4kgのねこならば200ml必要だということになります。
水分摂取量には、食事から摂取する分も含まれますので、ウエットフードを与えている場合などは、飲む量が少なくても足りている可能性があります。1度確認してみましょう。
それでも、ねこの水分摂取量が足りていないということでしたら、以下の方法がおすすめです。
黙視でのおしっこ管理にも限界がありますよね。そんなときに活躍してくれるのが、おしっこに異常があると色が変化する猫砂です。見た目ですぐに気づくので、見逃しがありません。
また、毎日のおしっこの状態(回数、量など)を記録するなら、スマートトイレがおすすめです。
それぞれについて、もう少し詳しく紹介します。
ねこのおしっこの健康管理には、異常があると色で教えてくれる猫砂が便利です。普通にトイレで排泄するだけでおしっこの健康状態がわかります。
人気の商品には、「Lavitoile(ラヴィートワレ)」と「しぐにゃる」があります。おしっこを吸収すると、状態に応じて色が変化するので、異常があればすぐに気づくことができます。
どちらも、原料は、シリカゲルで1ヶ月間取り換え不要。毎日のお手入れは、色が変化した部分の猫砂を取り除き、たまに全体をかき混ぜるだけですから特別な手間もいりません。
ねこは、泌尿器系の疾患で命を落とすことが多い動物です。自宅で気軽にチェックできて、早期発見・早期治療に繋げられるのはとても大きな意味があります。
おしっこの回数や量などをチェックするならスマートトイレ「toletta(トレッタ)」がおすすめです。
有料の専用アプリ(月額1,480円(税込))を使用することで、365日、24時間常に自動でおしっこの健康をチェックしてくれます。体重や時間、尿量など細かくデータを記録してくれるので、異常にも気づきやすくなります。
また、カメラ搭載でトイレ中の様子を自動で記録したり、顔認識で多頭飼いにも対応していたりと、飼い主さんにとってかゆいところに手が届く仕様になっています。
外出していて確認できなかったり、ついつい記録を忘れてしまったりすることもあると思いますが、自動ならば確実に記録してくれます。
ねこは泌尿器系の病気になりやすいと言われています。愛猫の健康を守るためには、おしっこの状態を記録し、健康な状態を把握しておくのがおすすめです。異常が起きたときにもすぐに気づくことができるでしょう。
また、心当たりがなくても定期的に尿検査をおこなうのもおすすめです。早期発見・早期治療につなげることができます。尿検査だけなら、ねこを連れていかなくてもできますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?