ねこの平均寿命は、完全室内飼いのねこが約16歳、家と外を行き来するねこが約14歳、野良ねこが5~10歳といわれています。
このため、飼っているねこを長生きさせる秘訣は、完全室内飼育をすることといえるのです。
環境が整っていれば、20歳まで生きてくれることも珍しくなくなってきました。
飼い主さんとしては、ねこが出来る限り快適に生活できるような環境を作ってあげたいものです。
本記事では、ねこが快適に生活できる家について解説していきます。
ねこが家の中で暮らすと、ねこにとって次のようなメリットがあります。
このため、室内飼育のねこの方が長生きすると考えられています。
また、室内飼育のねこにとって、家の中が最も安全な場所であると同時に、家の中が生活の全てになるといえるのです。
大昔のねこの習性を参考にしながら、ねこにとって安心できる場所を確認しておきましょう。
大昔のねこは、野山でネズミなどの獲物を捕獲して暮らしていました。
外敵と遭遇しても、木の上に登っていれば、安全を守ることができたのです。
このため、家ねこがタンスや冷蔵庫の上などの高い所に登りたがるのは、古くからの野生の習性によるものといえます。
また、ねこは高い所と同じくらい狭い所や暗い所も大好きです。
狭くて暗い所にいれば外敵に発見されて襲われる可能性が低くなるため、狭い所や暗い所が好きなのも大昔からのなごりといえます。
ねこはジャンプしたり、高い所に登ることが大好きです。
ねこは高い所にいると安全なだけでなく、自分が優位になった気分になるようです。
ねこが家の中で快適に過ごすためには、ねこが登ったり下りたりできる環境を作ってあげると良いでしょう。
家具に段差を付けて登り下りしやすくしたり、キャットウォーク(高い所に設置したねこ用の通路)やキャットタワーを設置してあげるのもお勧めです。
ただ、ねこが登るような高い所に邪魔な物が置いてあると、ねこにとって安心できません。
また邪魔ですと、ねこが上から物を落とそうとして飼い主にも危険になります。
高い所に物が置いてある場合は、念のため片付けておきましょう。
ねこを飼っている家には、ねこが入って落ち着けるような狭い箱などを置いてあげると良いでしょう。
また、もし家の中でねこの姿が見えなくなったら、ねこが気に入るような狭い所を中心に探してみましょう。
ソファの裏やベッドの下などで休んでいたり、寝ていることがほとんどです。
ただ、ねこが狭い所に隠れてご飯も食べずにずっと出てこない場合は、体調不良かもしれません。
その場合は、念のため動物病院に相談しましょう。
ねこにとって、暗い所はとても落ち着ける場所です。
大昔のねこは、外敵に見つからずに、安心して休むことができるため、木に空いた穴や洞穴で寝ていました。
家の中にも、ねこが落ち着けるような押し入れなどがあるといつの間にか入って寝ています。
また、ねこは好きな人の匂いがある所でも落ち着けるので、飼い主さんの布団の中も大好きです。
ねこが家の中で暮らしていくには、爪とぎやねこベッドが必要になります。
爪とぎやねこベッドが無い、あってもねこが気に入らなかった場合は、家の中のあらゆるもので代用してしまうため、気を付けましょう。
また、ねこはトイレの使い方はすぐに覚えますが、ねこトイレの場所にはこだわりがあります。
ねこの様子を見ながら、お気に入りの爪とぎやねこベッド、ねこトイレの設置場所を探してあげましょう。
家の中で暮らすねこは、壁や家具など様々な場所で爪とぎをしてしまいます。
壁や家具が、ねこにとって、爪を研ぐのにちょうどいい硬さの場所だからです。
家を傷つけないためにも、ねこが気に入る爪とぎを用意してあげましょう。
いつも爪とぎをしている柱や壁などの近くに爪とぎを置いてあげると、そちらを使うようになりやすいです。
買ってきたばかりの爪とぎには、ねこ自身の匂いやマタタビの匂いを付けておくと安心して使うようになります。
ねこはとても良く寝る動物です。
飼い主としては、ねこが気持ち良く眠れるような、ねこベッドを用意してあげたいものです。
ねこベッドの好みは、ねこによってそれぞれ違い、ねこの年齢や季節によっても移り変わります。
ねこが気に入るようなねこベッドの候補をいくつか置いてあげるといいでしょう。
トイレをしているところを見られたくないねこは少なくありません。
そのため、ねこトイレは人があまり通らない静かな場所に設置しておきましょう。
ねこがトイレに行きたいときにすぐ行けるように、ねこトイレまでは常にドアを開けておくか、ねこ用扉を付けるようにしてあげましょう。
また、ねこはご飯を食べる所ではトイレをしたがらない習性があります。
ねこトイレはご飯の場所からできるだけ離れた場所に設置しましょう。
ねこが暮らしやすい家を目指すためには、ねこが危険な目に遭わないように配慮することも重要です。
具体的には、ねこが家から飛び出したり、体調不良に繋がるものを食べてしまわないように注意する必要があります。
ねこが迷子にならないための対策として、柵などの障害物を設置しましょう。
また、ねこが食べると危険なものが家に置きっぱなしになっていないかチェックしておきましょう。
ここからは、ねこにとって危険になるものや対処法について解説していきます。
たまには窓や網戸越しにでも、外の景色や空気を感じさせてあげたいものです。
しかし、ねこが外に飛び出してしまわないよう、注意が必要です。
ねこには元々帰巣本能があるとはいえ、今まで室内飼育だったねこが、突然家から外に出てしまうと、そのまま迷子になってしまう恐れがあります。
飼っているねこが外に出てしまわないよう、次のような場所には飛び出し防止対策が必要です。
飼い主さんが玄関のドアを開けた瞬間、ねこが足元からすり抜けて外に出ようとすることがよくあります。
そのため、玄関ドアの手前に犬猫用の柵などを設置しておきましょう。
また、ねこは賢いので、扉や窓、網戸を手(前足)で開けてしまうねこもいます。
レバー型のドアノブを交換したり、窓はしっかりとロックをかけ、網戸はストッパーを設置したり、爪を立てられても破れない網戸に張り替えるなどの対策をしておきましょう。
猫草を食べるように、ねこは草を口にしてしまいます。
しかし、花や観葉植物のなかには、ねこが食べてしまうと中毒症状を引き起こすものがあります。
特に、次のようなユリ科の植物はねこが食べると猛毒で、腎臓の機能低下が起こり、命に関わります。
他にも、次に挙げられるような花や植物は、ねこが食べると中毒症状が現れるとされているため注意が必要です。
花瓶に花を生けたり、観葉植物を置いていると、ねこが食べたり棚の上から倒したりしてしまいます。
ねこがいる家の中には植物はなるべく置いておかない方が良いでしょう。
ねこには野生で生活していたときの習性が残っており、ねこが安全と思う場所にはいくつかの共通点がみられます。
家の中に高い所、狭い所、暗い所があるとねこが落ちついて生活することができるのです。
また、ねこは暑がりであり、寒がりでもあります。
家の中で、ねこが涼しい所や暖かい所へ自由に行き来できるようにしてあげると良いでしょう。
外の世界には感染症や交通事故など危険なことが沢山あり、最近は行政もねこの完全室内飼育を推奨しています。
これからねこを飼う人は、ぜひ完全室内飼育を検討してみてください。