2023.10.21
ねことの生活
高齢者がねこを飼う時の注意点

シニアになってもねこと一緒!高齢者がねこを飼う時の注意点

いくつになってもねことの生活は楽しいもの。しかし、高齢になるとねこの世話が大変になったり、自分に万が一のことが起こった時のことが心配になったりと、ねこを飼うハードルは上がってしまうかもしれません。

しかし、しっかり準備をしておけば、高齢になってもねこを飼うことは可能です。

今回の記事では、高齢者がねこを飼う時の注意点について解説します。

 

目次

1.高齢者がねこを飼うのは大変?良くある悩みとは
∟1-1.ねこのお世話ができなくなる
∟1-2.ねこと一緒に暮らせなくなる
∟1-3.知識不足のため適切な飼育ができない
2.高齢者がねこを飼うメリット
∟2-1.心が癒される
∟2-2.生活に刺激が生まれる
∟2-3.周囲の人とのつながりが持てる
3.高齢者がねこを飼う時の注意点
∟3-1.相談先を見つける
∟3-2.万が一の時について考えておく
∟3-3.ねこの「老後資金」も準備する
4.高齢の家族がねこを飼う時の注意点
∟4-1.高齢者がねこを飼うことをやめさせられる?
∟4-2.お世話をサポートする
∟4-3.飼えなくなった時の対処について話し合う
まとめ

 

1.高齢者がねこを飼うのは大変?良くある悩みとは

現在は少子高齢化により、一人暮らしの高齢者が増えています。そのためねこを始めとしたペットを家族として迎える方も少なくありませんが、高齢者がねこを飼う中で、さまざまな悩みに直面することもあります。

高齢者がねこを飼った時、特に起こりがちな悩みを以下にご紹介します。


 

1-1.ねこのお世話ができなくなる

高齢になり体力が落ちると、ねこの世話がしづらくなります。

ねこは犬とは違い散歩の必要がないため、体力はそれほど必要ないように感じますが、トイレ砂やキャットフードの袋を運ぶ、ねこを病院に連れて行くなど、体力を使うお世話はたくさんあります。

それに加え、視力や握力が弱くなって、爪切りやブラッシングといったお手入れが難しくなるという悩みを持つ方もいるようです。

また、ねこも高齢になると介護が必要になり、「老老介護」になってしまうケースも少なくありません。


 

1-2.ねこと一緒に暮らせなくなる

特に一人暮らしの高齢者の場合、入院や介護施設への入居のため、ねこの世話ができなくなる恐れがあります。

また、ねこより先に飼い主が亡くなり、ねこの引き取り手がいないという問題も増えています。


 

1-3.知識不足のため適切な飼育ができない

昔はねこを自由に外出させたり、子供を産ませたりすることは珍しくありませんでした。しかし現在では完全室内飼い、避妊・去勢手術をしっかりするという飼い方が一般的です。

それを知らず、昔の通りにねこを飼うと、交通事故や病気、望まない繁殖につながる恐れがあります。

また、獣医学の進歩によりねこも長寿になりましたが、その分歩行困難や認知症など介護が必要になるケースも増えています。十分な知識がないため、そうした高齢ねこのケアが難しく、適切な飼育ができないと悩む高齢者も多いようです。

 

2.高齢者がねこを飼うメリット

上記のような心配があることから、ねこを飼うのをためらったり、家族からねこを飼うことを反対されたりする高齢者も少なくありません。

しかし、高齢者がねこを飼うことで、さまざまな良い効果もあります。

高齢者がねこを飼う主なメリットを以下にご紹介します。


 

2-1.心が癒される

高齢者に限りませんが、ねこと一緒だとほっと癒されます。人がねこと見つめあったり、触れ合ったりすると「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。オキシトシンは別名「幸せホルモン」と呼ばれており、心身の痛みを和らげる効果があります。

また、オキシトシンは精神を安定させる効果のあるセロトニンや、やる気や幸福感を生み出すドーパミンといった神経伝達物質の分泌を促します。

高齢になると感情のコントロールが難しくなり、不安感や怒りが大きくなります。高齢者がねこと暮らすことで心が落ち着き、穏やかな毎日を過ごせるかもしれません。


 

2-2.生活に刺激が生まれる

悠々自適な高齢者の暮らしは、どうしても生活リズムが崩れがちです。また、起きてもすることがなく、テレビを見て一日を過ごすという方も少なくありません。

しかし、ねこがいればいやおうなくお世話をすることになります。

朝起きてねこにごはんをあげ、トイレを掃除し、遊んだりブラッシングをしたりするなど、やるべきことがあるため気持ちが引き締まり、生活リズムが整います。

また、ねこの気まぐれな動きを見ると、「理解したい」という気持ちから脳が活性化するといわれています。それに加え、ねこに触れ、声やにおいを感じることで五感も刺激されます。

ねこと一緒にいると癒されるだけではなく、適度な刺激のある生き生きした毎日を送ることができるのです。


 

2-3.周囲の人とのつながりが持てる

仕事や育児から手が離れ、家にいるようになるとどうしても周囲との関わりが少なくなってしまいます。

しかし、ねこがいれば周囲の人とのコミュニケーションが活発になります。家族と一緒にねこと触れ合ったり、近所の人と飼いねこ自慢をし合ったり、ねこの定期健診に行って獣医師や看護師と話をしたりと、発語の機会が増え、孤独や不安の解消や認知症予防につながります。

 

3.高齢者がねこを飼う時の注意点

高齢者にとって、ねこは孤独や不安を癒し、生活に刺激を与えてくれる大切な存在になります。しかし、ねこと一緒に楽しく暮らすためには、ねこが最後まで幸せに過ごせるように気を配らなくてはなりません。

高齢者がねこを飼う際、特に注意すべき点について解説します。


 

3-1.相談先を見つける

高齢になると、どうしても自分だけでできないことが増えてきます。ねこの飼育も例外ではなく、いつものお世話や介護でサポートを受けなければならないこともあるかもしれません。

そのような時の相談先や、ねこのお世話ができない時に頼める相手を見つけておきましょう。

普段からねこと触れ合っている親戚や友人、近所の人がいれば、ねこの世話や預かりをお願いできます。

また、ペットホテルやペットシッター、動物病院に相談するのも一つの手段です。

自分やねこが元気なうちから準備をしておけば安心です。


 

3-2.万が一の時について考えておく

多くの場合、ねこの方が飼い主より先に亡くなります。しかし、飼い主が高齢である場合、飼い主の方が先に亡くなったり、介護施設に入所したりするなど、ねこの世話ができなくなることがあります。

そのような時、残されたねこが幸せに暮らせるよう、元気なうちから考えておかなければなりません。

自分で飼えなくなった場合の選択肢としては、以下のようなものがあげられます。

新しい飼い主を見つける

家族や近所の人など、信頼できる人が近くにいるのであれば、ねこの新しい飼い主になってもらうと安心です。ねこも懐いている相手であればより理想的です。

近くに新しい飼い主になってくれる人がいない場合は、スーパーや公民館の掲示板やインターネットなどで新しい飼い主を募集するのも一つの手段です。

動物愛護ボランティアの中には、飼い主探しをサポートしてくれるところもありますので、一人で探すのが難しい場合は相談してみると良いでしょう。

老猫ホームに預ける

高齢になり、介護が難しくなったねこを受け入れる専門のホームもあります。専門のスタッフがねこの介助や健康管理をしてくれるため、安心して預けられます。費用は1年間で40~50万円程度、別途病院代や送迎代がかかることもあります。

動物愛護団体に預ける

動物愛護団体の中には、ねこを生涯預かるサービスを行っている所もあります。40~50万円で一生涯ねこを預けられるところもあり、老猫ホームよりも安価な点がメリットです。新しい飼い主を探す、治療や投薬を行うなど、ねこが幸福に生きられるようサポートをしてもらえます。

ねこと一緒に住める施設に入所する

現在では、ねこと一緒に住める老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も増えています。高齢者もねこもこれまでの生活と変わらず、大好きな「家族」と過ごせる点が大きなメリットです。

※上記諸施設の料金・サービス内容は施設によって異なります。詳細は各施設にお問い合わせください。


 

3-3.ねこの「老後資金」も準備する

ねこを飼うにはお金がかかります。どれだけ費用がかかるかは状況により異なりますが、100~300万円程度はかかると考えておくと良いでしょう。

特に先ほどご紹介したねこの預かりサービスやねこと住める施設を利用する場合、よりお金が必要になります。

ねこが最後まで幸せに暮らせるよう、ねこのための「老後資金」も準備しておきましょう。

ねこの飼育にかかるお金については、以下の記事も併せてお読みください。

ねこはお金がかからない?ねこの一生に必要な金額とは

 

4.高齢の家族がねこを飼う時の注意点

高齢の家族がねこを飼っている、もしくは飼おうとしているけど、世話ができるか心配なのでやめさせたい…と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに高齢になるとねこの世話は大変ですが、周囲の人が適切なサポートをすることで、高齢の方もねこと一緒に楽しく過ごすことができます。

高齢者がねこを飼う時、家族はどのような点に気をつければ良いのでしょうか。以下に詳しくご紹介します。


 

4-1.高齢者がねこを飼うことをやめさせられる?

認知症や体が不自由であるなど、ねこのお世話が難しい高齢者がねこを飼おうとしている…家族としては反対したくなるかもしれません。

しかし、ねこを飼うこと自体を止めることはできません。ねこはその人の「所有物」になり、所有権を侵すことはたとえ家族でもできないためです。認知症や体が不自由な人に対しても同様に、所有している財産であるねこを取り上げることはできません。

また、ねこの存在が癒しや刺激になり、高齢の方が元気になることも考えられます。

頭ごなしに「ねこを飼わないで」と反対するのではなく、どのような点に気をつければねこを飼えるか、一緒に考えてあげましょう。


 

4-2.お世話をサポートする

先ほどご紹介したとおり、高齢者がねこを飼う場合、体力の低下や知識不足のため適切なお世話ができないという点が心配されます。

しかし、逆に考えれば、高齢の方ができないところを家族がサポートすることで、高齢の方もねこを飼えるということでもあります。

  •  ・トイレの砂やキャットフードなど重い物を届ける
  •  ・爪切りやブラッシングを手伝う
  •  ・動物病院やトリミングサロンに送迎する
  •  ・飼い主の体調不良や入院の際にねこのお世話を代わる

など、サポートできる点はたくさんあります。

しかし、最初から高齢者が家族にお世話を丸投げすることを前提にねこを飼うと、家族の負担になってしまいます。

ねこを飼う前に、高齢者がどこまで自分でお世話ができるか、家族はどこまでサポートできるか話し合うことが重要です。


 

4-3.飼えなくなった時の対処について話し合う

飼い主である高齢者が亡くなる、もしくは病院や介護施設に移るなど、ねこを飼えなくなった場合どうするかという点も確認しておきましょう。

「家族がなんとかしてくれるだろう」と考えている場合もありますので、引き取れない場合は、ねこをどうするかあらかじめ決めておくことが重要です。

なかなか口に出しにくい話題ではありますが、ねこの命がかかっていることですので、しっかり話し合っておきましょう。

 

まとめ

高齢者がねこを飼う時の注意点についてお話しました。高齢になるとねこのお世話が難しくなることから、ねこを飼うことを躊躇したり、家族に反対されたりすることもあるかもしれません。

しかし、ねこが最後まで幸せに暮らせるようしっかり準備をしておけば、高齢の方でもねこを飼うことは十分に可能です。

特に現在では高齢の方がねこを飼うサポートを行っている団体や施設もありますので、積極的に相談すると良いでしょう。

ねこのかわいらしさやぬくもりは、たくさんの癒しや刺激をくれるはず。高齢だからと諦めず、ねことの暮らしを楽しんでください。

 

 

 

   
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