スマートな顔立ちに鋭い目つきのピクシーボブ(PixieBob)を見ると、野生的なねこに見えて魅力を感じる方も少なくありません。
しかし、一緒に暮らしてみると野生的というよりも、まさにイエネコだという方もいらっしゃいます。
そんなピクシーボブが一体どんなねこなのかをご紹介していきます。
パッと見はキジトラに見えるピクシーボブですが、その柄を見るとベンガルによく見られるブラウンスポテッドです。
顔つきを見てもどことなくヤマネコにも似ているため、野生的な部分を感じざるを得ません。
もしかするとヤマネコの遺伝子も入っているのではないかという想像もしてしまいそうですね。
そんなピクシーボブがどのようにして生まれたのかをご紹介していきます。
ピクシー・ボブの祖先となるねこが生まれたのは、1985年のことです。
アメリカのマウンドベーカーに暮らす1人の女性の元に尻尾の短い子猫がやってきたことが始まりです。
やってきた子猫と隣の家に住んでいたブラウンスポテッドのねこを交配したことで生まれたのが、初代のピクシーボブです。
その後、カスケード山脈に住む23匹のねこも繁殖に加わることになり、現在のピクシーボブが確立しました。
現在、猫種と認定を出す協会全てから認定を受けているわけではありませんが、特徴的な野生的外見と可愛らしい短い尻尾が特徴的なこともあり、徐々に人気が高まっています。
いくつかの協会から猫種として登録されていない理由は、ピクシーボブを生み出した女性がヤマネコの血が混ざっているという主張をしたためでした。
カスケード山脈に住む23匹のねこたちが交配に加わったこともヤマネコとのハイブリッドではないのかという考えから行われました。
こうした考えはピクシーボブ以外にもありますが、実際にはヤマネコとイエネコの交配は難しいのが現実です。
実際にピクシーボブのDNA鑑定をした際にも、ヤマネコの遺伝子は含まれていないことが証明されました。
ピクシーボブの名前の由来は初代のビクシーボブに名付けられた名前が「ピクシー」であったことに由来します。
ボブというのは短い尻尾を指しますが、実際にピクシーの尻尾は長かったと言われています。
しかし、ピクシーの親猫であり、最初に譲り受けたねこの尻尾が短いこともあり、ボブが追加されてピクシーボブという猫種の名前になりました。
短い尻尾にこだわった理由として、ピクシーボブが生まれた地域に生息する尻尾の短いヤマネコ、ボブキャットの血を受け継いでいると信じられていたことが由来です。
実際には受け継いでいないまでも、基本的にボブキャットの尻尾は短い状態で生まれてくるのでボブという名前がぴったりの猫種となったのです。
ピクシー・ボブと一緒に暮らしたいと考えても、日本で暮らすには少々難しい面があります。
国内でブリーダーが少なく、出会う機会が非常に少ないという根本的な問題があるのです。
もしピクシーボブと一緒に暮らしたい場合は、アメリカから輸入する必要があるケースも多くあります。
そのため、まずは会ってみて一緒に暮らすことを決意するというのは、アメリカに実際に行って探さなければならないかもしれません。
さらに準備にかかる時間や、検疫にかかる時間など時間がかかってしまう可能性が高いです。
それでもピクシーボブに惚れ込んでしまった方は、全ての問題を解決して一緒に住むようです。
野生的な外見のピクシーボブですが、実際に一緒に暮らしてみるとそんなことはないという声を聞くことがよくあります。
実際のところ、ピクシーボブと一緒に暮らすためにはどんなことに注意していれば仲良くなれるのかも気になるところです。
種類としてはイエネコですが、顔立ちや毛色などからヤマネコやチーターのような印象も受けるピクシーボブ。
その性格をよく知り、一緒に暮らす際にはかけがいのない関係を構築していきましょう。
ピクシーボブの性格は、社交性が高いという特徴があります。
そのため、人間とも仲良くなれますし犬と一緒に暮らすこともできるほど他者を認める性格をしています。
しかしながら、自分が一番ではなければ嫌だという面もあるため、多頭飼いや他の動物と一緒に暮らす場合でも、自分を最優先してほしいというわがままな面もあります。
そのため、ピクシーボブを後回しにしてしまうと、嫉妬してしまい拗ねてしまったりイタズラしてしまうのです。
そんな姿も可愛らしく思うかもしれませんが、ストレスに感じてしまうので、できるだけピクシーボブを優先してあげましょう。
野生的な外見であることと、自然発生的に生まれたピクシーボブは遊ぶのが大好きです。
体も大きくなるため、遊びもダイナミックで激しい一面も見られます。
そのため、一緒に遊んであげることでコミュニケーションが取れて仲良くなれると言えます。
気をつけなければいけないことは、広い場所を用意してあげなければ自由に動き回れません。
ある程度の場所を用意し、たくさん体を動かしてストレス解消に努めましょう。
また、ねこの運動は上下運動が最も効率的なため、キャットタワーを用意するなどの準備が必要です。
ただし、体が大きい分体重も重くなるため、キャットタワーの体重制限に気をつけながら準備しましょう。
ピクシーボブと一緒に暮らすために覚えておきたいのは、どんな病気に罹りやすいかということです。
自然発生的に生まれたピクシーボブは、特に命に関わる遺伝性の病気があるというとこはありません。
もちろん突然変異的にそれらの病気にかかることはありますが、発症率としてはそこまで多くはありません。
しかし、ウイルス性の病気やねこの生活習慣に関わる病気に関しては注意しなければいけません。
ここでは、ピクシーボブと一緒に暮らす際に注意したい点をご紹介していきます。
人間にも起こり得る遺伝性の特性ではありますが、命に別状があるわけではありません。
指の本数が多く、ピクシーボブの場合は前脚は7本の指があるまで認められています。
人間の場合は手術することもありますが、ねこの場合は手術の必要がありません。
注意すべき点は、爪を切る際に本数が多くなるということくらいです。
猫種の中でもピクシーボブだけは指が多いことがあるということを認められており、50%の割合でこの特徴が見られます。
ウイルス性の病気として、最もメジャーな病気として猫風邪があります。
人間の風邪と同様に、鼻水が出たり体温が上がる症状が見られますが、注意しなければいけないことは人間のように自然に治ることはまずありません。
人間の場合、食生活が充実していることやウイルスに体が強くなっていることがありますが、この条件がねこに当てはまることはありません。
体調が悪そうな場合、必ず動物病院を受診するようにしましょう。
また、ワクチンを打つことによりかかりにくくなったり、もしかかっても軽い症状で済むため、おすすめです。
ピクシーボブは自然界で生息していただけあって、筋肉量の多いねこです。
そのためご飯の量も多くなりますが、運動をサボってしまうとすぐに太ってしまいます。
対策方法はこまめに遊ぶことです。
ピクシーボブは遊ぶことも大好きなため、人間がおもちゃを持ってきたらすぐに飛びついて遊びに参加します。
これをサボってしまうといつの間にか体重が増えてしまい、大病の元になったり関節の病気にかかりやすくなります。
これらを回避するためにも、こまめに遊ぶことを心がけましょう。
日本ではとても少なく、一緒に暮らそうと思っても難しいのが現状のピクシーボブです。
しかし、その性格は非常にかわいらしく、一緒に暮らす中でたくさんの思い出を作ることができるのは間違いないことです。
探すのには苦労するかもしれませんが、ピクシーボブに惚れ込んでしまった方はなんとしてでも一緒に暮らしましょう。