他のねこと比較するとちょっと変わったロシアンブルー(Russian Blue)。
特徴的な見た目と性格から、イギリスのビクトリア女王やロシア皇帝にも寵愛された経歴のある由緒正しいねこです。
CMにも出演していることから、外見はCMなどで有名になっていますが、ロシアンブルーがどんなねこなのかを知ってみましょう。
ロシアンブルーはその名の通り、ロシア出身の青みがかったねこです。
ロシア出身の有名なねこと言えば、サイベリアンかロシアンブルーでしょう。
しかし、サイベリアンとは異なり、ロシアンブルーは一時期絶滅の危機に瀕していたこともあるのです。
名前の由来である「ロシア出身」という歴史と、「青い」という外見からロシアンブルーを見ていきましょう。
諸説があるものの、ロシアンブルーは元々ロシアで自然発生したねこだと言われています。
ロシアの中でもスカンディナヴィア半島に近いアルハンゲルという地方に住んでいたロシアンブルーでしたが、ロシアでも珍しい不凍港であったため、1860年ごろには商人と共に海へ出ます。
そのままヨーロッパへ渡ったロシアンブルーでしたが、さらに1900年代にアメリカへ渡っていくなど、世界各国で愛されるようになりました。
しかし、第二次世界大戦が起こったことによりロシアンブルーは絶滅に瀕してしまったのです。
この危機を救うべく、ヨーロッパでブリティッシュショートヘアやシャム猫との交配を繰り返して絶滅を回避し、現在のロシアンブルーとなったのです。
ロシアンブルーの外見的な特徴は、銀色にも見える青みがかったソリッドパターンの毛の色とエメラルドグリーンの瞳です。
ロシアンブルーを名乗るには、血統はもちろんのこと毛の色と目の色も指定されているほど厳格に指定されているのです。
目の色に関しては、生まれたばかりのロシアンブルーはキトンブルーです。しかし、成長と共にエメラルドグリーンへと変色していきます。
目の色や毛の色を指定されている猫種も珍しいことから、ロシアンブルーの希少性が伺えます。
ロシアンブルーの体格は通常からやや大きめですが、自然発生的に生まれたねこの血が濃く残っているため、筋肉質で骨格がしっかりしています。
また、ロシアの冬の寒さを耐え凌げるようにフカフカの毛を蓄えております。
サイベリアンは毛の層を3層にすることで寒さを凌いでいましたが、ロシアンブルーは他のねこと同様に2層ですが、毛を密集させて柔らかくすることで寒さを凌いだのです。
自然界でも珍しい毛の色と、吸い込まれそうなエメラルドグリーンの瞳にミステリアスさを感じますが、撫でると気持ちいいと感じられるほど毛は柔らかいのです。
外見だけでも、ロシアンブルーに魅了されてしまいそうですね。
ロシアンブルーの性格は、「ねこっぽくない!」と言われてしまうほど忠誠心が強いです。
さらに、ロシア生まれであることから日本で住むには注意しなければならないこともあります。
そこで、ロシアンブルーと一緒に暮らすために、私たちが注意しなければならない点をご紹介していきます。
特徴を知ることで、ロシアンブルーが快適な空間が見えてくるので、必見です。
ロシアンブルーの性格は、信頼した相手にはものすごく懐きます。しかし、なつくまでの時間が必要なねこです。
これは、ロシアンブルーが他のねこと比較しても臆病な性格であることが最も大きい要因です。
このことから、来客があった際などにも部屋から出てこないことがよくあるとは思いますが、無理に表に出すとストレスを溜めてしまいやすいねこだと言えます。
普段のロシアンブルーは温厚で、ボイスレスキャットと呼ばれるくらい鳴くこともあまりありませんが、ストレスが溜まると状況は変わります。
凶暴になってしまい暴れることもあるので、そんな様子を見たときにはなるべく放っておきましょう。
しかし、遊びは好きなので懐いてきたのを見計らって、どんどん遊んであげましょう。
普段から落ち着いていてあまり動かないねこなので、肥満になりやすいこともあります。適度に遊んで肥満防止に努めてください。
ロシアの寒い冬を越えられるように、ロシアンブルーの毛の密度は非常に高いです。
密度が高い分、抜ける毛の量が多いねこでもあります。そのため、1日に1度ほどのブラッシングを行いましょう。
抜けた毛をそのまま放置してしまうと、グルーミングにより大量に毛を食べてしまい、吐き出すことを繰り返す可能性があります。
毛玉を吐き出すこともねこにとっては日常ですが、ブラッシングを行うことで回数を減らすことや、回避することができます。
吐き出す際の体の負担を考えると、できるだけ避けさせてあげたいところです。
ロシアンブルーが小さな頃からブラッシングを行なっていると、嫌がることなく行うことができます。
ねこによってはブラッシングが好きなねこもいるため、コミュニケーションの一環としても率先して行なってください。
毛の密度が高いロシアンブルーですが、猫アレルギーが出にくいねこでもあります。
猫アレルギーの元となるアレルゲンの多くは、古い角質です。
ロシアンブルーはサイベリアン同様に、このアレルゲンが出にくい猫種です。
そのため、あまりお風呂に入れなくても良い猫種だと言えます。
本来ねこは濡れることを避けるため、お風呂に入ることがストレスでしかありません。
フケが多いねこにとっては定期的にお風呂へ入れなければ皮膚病の原因にもなりますが、ロシアンブルーはブラッシングでリスクを回避できます。
お風呂に入れるよりもまずはブラッシングを行いましょう。
ストレスを抱えやすいロシアンブルーなので、ストレスにばかり気を取られがちですが、ストレス以外にも注意しなければならないことがあります。
それは、ロシアンブルーがかかりやすい病気です。
ロシアンブルーの場合は、肥満が原因でかかりやすくなってしまう病気が多いのです。
物静かなロシアンブルーならではの肥満問題なので、一緒に暮らす私たちが注意する必要があります。
健康に過ごしてもらうことで、ロシアンブルーが少しでも長く元気に生活できるように心がけましょう。
ロシアンブルーがかかりやすい危険な病気として、糖尿病があげられます。
主に運動不足が原因ですが、命に関わる危険な病気です。
10歳前後から注意を払う必要があり、人間と同じような症状が出てくることも特徴です。
ご飯をたくさん食べているのに痩せていったり、水をいつもより多く飲む様子が見られると検査してみることをお勧めします。
治療方法はこちらも人間と同様に、食事療法やインスリンの投与です。
末期になると入院による集中治療が必要になる場合があり、命の危険もある病気となります。
運動や食事、ストレスに注意することによって未然に防げるケースもありますので、日常生活に注意すると共に、もし兆候が見られた場合は動物病院を受診しましょう。
ねこは常に四肢で体を支えています。そ
のため、体重が増加すると四肢に負担がかかってしまいます。
それにより、関節疾患を引き起こすリスクが高くなります。
人間であれば、体重が増えすぎて膝や腰に負担がかかるのと同様に、ロシアンブルーにも同じことが言えるのです。
体重コントロールによりリスクを下げることができますので、肥満の回避は糖尿病と同様にメリットが高いと言えます。
関節の疾患を抱えてしまった場合、以前より運動量が減ったり歩いているときに悲鳴のような鳴き声をあげることがあります。
関節に痛みを抱えることでさらに運動しなくなってしまう可能性が高いため、体重コントロールに十分注意しながら生活する必要がありますね。
ねこのなかでも珍しい忠誠心の持ち主であるロシアンブルーです。
一度は絶滅の危機に直面しましたが、現在は安定して生息している猫種です。
毛並みや目の色など、魅力の多いロシアンブルー。
一緒に暮らすことになった際には、肥満に注意しながら幸せな日々を送ってください。