2022.11.13
ねこの飼い方
ヴァン猫は厳重に保護されている超希少種

 

ヴァン猫は厳重に保護されている超希少種!一緒には住めないの?

トルコ原産のねこと言えばターキッシュアンゴラ、ターキッシュバンが思い浮かぶかもしれませんが、ヴァン猫(Van kedisi)という猫種をご存知でしょうか。

しばしばヴァン猫はターキッシュバンと同等に扱われることがあります。

しかしその存在は分けられており、さらにはヴァン猫となると希少種の中の希少種だったのです。

 

目次

1.ヴァン猫について
∟1-1.ヴァン猫って他のトルコ出身のねこと違うの?
∟1-2.ヴァン猫はどれくらいいるの?
∟1-3.ヴァン猫とは一緒に住めない!?
2.ヴァン猫の特徴とは?
∟2-1.ヴァン猫の性格は?
∟2-2.水遊びが大好きなヴァン猫
∟2-3.ヴァン猫の子どもなら住むことは可能!?
3.ヴァン猫がかかりやすい病気
∟3-1.皮膚糸状菌症は水虫に似ている
∟3-2.ヴァン猫の血液型に注意
まとめ

 

1.ヴァン猫について

世界中を見ても希少種とされ、現在も厳重に保護されているヴァン猫とは、他のトルコ原産の猫種とはどう異なるのでしょうか。

ターキッシュアンゴラやターキッシュバンと見間違えることもあるヴァン猫ですが、その存在価値は大きく異なります。

ヴァン猫は、どのような点が他の2種と異なるのか、ヴァン猫であるためにはどのような条件があるのかを見ていきましょう。


 

1-1.ヴァン猫って他のトルコ出身のねこと違うの?

ヴァン猫の条件として、まずは白猫であることが条件となります。

これに対し、ターキッシュバンは茶色のポイントカラーが入るので、ヴァン猫との区別は明確につきます。

また、白猫といえばターキッシュアンゴラも白猫ですが、ヴァン猫は目の色が限定されます。

ヴァン猫の目の色は琥珀色、もしくはブルーのどちらかです。

白猫に希に見られるオッド・アイも認められていますが、こちらも琥珀色とブルーのオッド・アイしか認められていません。

ターキッシュバンとターキッシュアンゴラとはとても似てはいるものの、ヴァン猫となるためにはその条件が限定されるのです。


 

1-2.ヴァン猫はどれくらいいるの?

ヴァン猫は非常に貴重であり、その保護のために1992年にヴァン猫研究センターが原産国のトルコに設立され、現在も保護と繁殖が行われています。

センター設立時のヴァン猫の数はなんと30匹ほどしかいませんでした。

しかし、2014年には保護数は144匹にまで増えたとのことです。

ただし、現在でも世界のヴァン猫を集めたとしても1000匹にも満たないことから、超希少な猫種と言えます。


 

1-3.ヴァン猫とは一緒に住めない!?

ヴァン猫と一緒に暮らしたいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ヴァン猫を一般家庭で飼育することは禁止されています。

基本的にはヴァン猫研究センターからは持ち出し禁止であり、希に譲渡されることがありますがその場合は          管理区域内に限定されています。

かなり厳重に守られているヴァン猫ですし、世界中に1000匹ほどいないことも考えると繁殖が目的なので去勢手術を行うこともできません。

また、純血を増やすことを目標としているので、他の猫種との交配も認められていないため、一緒に住むということはさすがに難しいようです。

もしヴァン猫の数が桁外れに増えることがあった場合は規制が緩和される可能性もゼロではありませんので、ヴァン猫研究センターを応援しましょう。

 

2.ヴァン猫の特徴とは?

ヴァン猫とは現在一緒に暮らせないまでも、どんな性格をしているのかが気になるところですね。

もちろん、ターキッシュバンやターキッシュアンゴラに似ている部分もたくさんあります。

世界でも希少種とされるヴァン猫の性格に迫り、ヴァン猫がどんな生活をしているのかに注目していくと、もしヴァン猫と暮らせることになった際には役立つこと間違いなしです。


 

2-1.ヴァン猫の性格は?

ヴァン猫は人間が好きということもあり、すぐに懐いてくれる可愛らしい一面を持っています。

また、コミュニケーションを取ることも可能で、何か要求がある場合は鳴いて人間に知らせてくれるのです。

全身が白く、青や琥珀の瞳で鳴いて要求してくるヴァン猫を見ると、他のねことは違ったまるで話せるねこであるかのような不思議な感覚に襲われてしまいます。

さらには非常に賢い一面も持っているため、例えばドアなどは簡単に開けてしまう姿も見られるなど、可愛いだけではない一面も持っています。


 

2-2.水遊びが大好きなヴァン猫

ヴァン猫は泳ぎ好きという、ねことしては珍しい一面を持っています。

ねこは水を嫌うことで有名な動物で、ねこと一緒に暮らしている方はお風呂に入れるののも一苦労という方も大勢いらっしゃいます。

しかし、ヴァン猫は泳ぎ好きです。

この謎は、ヴァン猫の毛がシングルコートであるとされています。

通常ねこの毛は、上層と下層に分かれたダブルコート、もしくは寒いところ出身のねこだとトリプルコートです。

ヴァン猫は暑い地域出身のねこに希に見られるシングルコートのため、毛が乾きやすいのです。

毛が少ない分、濡れても体が重くならないというメリットもあることから、水に濡れることを厭わないという性格が見られます。


 

2-3.ヴァン猫の子どもなら住むことは可能!?

ヴァン猫と一緒に暮らすことは難しくても、ヴァン猫を両親に持つねこであれば一緒に暮らすことはとても難しいですが可能です。

ヴァン猫の定義は厳しく、毛の色と目の色が違う場合はヴァン猫として認められません。

その場合、ヴァン猫研究センターから動物愛護家へ渡ることになります。

しかしここでも完全譲渡というわけではなく、IDカードが発行されて第三者への譲渡は禁止されているという徹底ぶりです。

一緒に住むことは不可能に思えますが、本気で一緒に暮らしたいという思いがあれば、ヴァン猫研究センターに働きかけることで何か動くかもしれませんし、愛護家として認められることを目指すことが一番の近道になります。

人間の視点から考えるとなんだか追い出されてしまったような感覚になりますが、センターで暮らすよりも幸せに暮らせるように心がけることにより、ねこの一生も幸せなものになります。

 

 

3.ヴァン猫がかかりやすい病気

ヴァン猫と暮らすことは難しいですが、どんなねこなのか気になる方も多いと思います。

ヴァン猫の特徴や性格はご紹介してきましたが、かかりやすい病気に関しても知っておくとヴァン猫の理解がさらに深まります。

また、遺伝的にもターキッシュバンやターキッシュアンゴラと似ており、かかりやすい病気も似ています。

ヴァン猫に限定せず、トルコ出身のねことしてかかりやすい病気に備えるという考えも良いかもしれませんね。


 

3-1.皮膚糸状菌症は水虫に似ている

皮膚糸状菌症は皮膚病の一種ですが、真菌が引き起こす病気です。

糸状と言えば、人間で言う水虫と同じだと考えて良いでしょう。

治りにくいことももちろんですが、きちんとした医療機関を受診しなければ症状が改善することが難しい病気です。

動物病院では検査したのちにローションや軟膏を処方されるので、それを服用することにより完治を目指します。

1歳未満が特に感染しやすく、感染すると菌が蔓延してしまうので注意が必要な病気でもあります。


 

3-2.ヴァン猫の血液型に注意

ヴァン猫に限らず、ねこは全体的にA型が多いのですがトルコ出身のねこはB型が多いです。

ターキッシュバン、ターキッシュアンゴラも気をつけなければいけないのが、この血液型です。

輸血が必要な手術を行う際はもちろんですが、母猫と子猫の血液型についてはねこの場合命に関わるので知っておく必要があります。

母猫と子猫の血液型が異なる場合、母乳を飲んだ子猫の体内では赤血球が破壊されてしまうのです。

人間も血液型の異なる両親から生まれる子は、どちらの血液型になるかはわからないので調べるまではわかりません。

ヴァン猫の子猫も同様で、生まれてすぐに血液型検査を行う必要があるのです。

自然界では生まれてすぐに亡くなってしまうしかありませんが、人間の元で生まれた場合は助けることができる命です。

 

まとめ

一時期ヴァン猫がSNSで注目を集めてから、知名度が一気に上がりました。

そこで一緒に暮らしたいと思った方にとっては、ヴァン猫が保護されていることを残念に思うかもしれません。

ヴァン猫の存在は一部団体からは生物学的根拠がなく、ただ外見にこだわっているだけではないかという声もあります。

ヴァン猫として生まれてこなくても、ねこはねこであることは忘れてはいけません。

これを気に、ヴァン猫と近い環境で生まれ育ったターキッシュバンやターキッシュアンゴラに注目し、一緒に住むことを検討してみても良いかもしれません。

また、もしヴァン猫を気に入った方はその保護に注目し、応援することも良いかもしれませんね。

 

 

 

 

 

   
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