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ねこの習性
雨の日、晴れの日、ねこはどうなる?天気ごとのねこのケアを解説!

雨の日、晴れの日、ねこはどうなる?天気ごとのねこのケアを解説!

ねこと天気の関係について考えたことはありますか?家の中で過ごすねこですが、晴れや雨といった天気の変化を敏感に感じています。天気によっては体調を崩したり、病気になったりしてしまうこともありますので、飼い主がしっかりケアをしてあげなくてはなりません。今回の記事では、天気ごとのねこの変化や起こりやすい病気、飼い主がすべきケアについて解説します。

 

もくじ

1.雨とねこ
∟1-1.雨の日にねこが良く寝る理由
∟1-2.ねこが顔を洗うと雨になる?
∟1-3.カビや食中毒に注意
∟1-4.気象症に注意
2.雷・台風とねこ
∟2-1.怖がってパニックになるねこもいる
∟2-2.避難時の準備をしておく
3.雪とねこ
∟3-1.ねこ風邪に注意
∟3-2.雪の日に散歩はOK?
4.晴れとねこ
∟4-1.晴れの日は絶好の狩り日和?
∟4-2.ねこは日向ぼっこが好き!
∟4-3.熱中症に注意
∟4-4.日光皮膚炎に注意
まとめ

 

1.雨とねこ

まずは雨が降ったときのねこの反応や注意点について解説します。


 

1-1.雨の日にねこが良く寝る理由

雨の日のねこは良く眠ります。それは野生時代の生活のなごりであるといわれています。野生のねこはネズミや鳥のような小動物を狩って生きていますが、雨の日はこれらの獲物も活動しません。そのため雨の日は無駄な体力を使わないように、眠って過ごします。その本能が飼いねこの中にも残り、雨の日は良く眠るのだと考えられています。

また、ねこの毛は水を吸い込みやすく、雨によって体が冷えてしまいます。それを避けるために雨の日は出かけず、安全な場所でじっとしているというねこの本能が働いているともいわれています。


 

1-2.ねこが顔を洗うと雨になる?

昔は天気予報がなかったため、動物や自然の変化から天気を読み取ろうとしていました。例えば「ツバメが低く飛ぶと雨」、「夕方に虹がかかると明日は晴れ」といった言い伝えがあります。

その中に、「ねこが顔を洗うと雨になる」というものもあります。これは本当なのでしょうか。

結論からいうと、「どちらともいえない」です。

雨が降る前には湿度が上がります。そのためヒゲに湿気が溜まり、ハリがなくなるためねこは顔を洗って湿気を取り除きます。その点から考えると、ねこが顔を洗うのは雨が降る前兆であるというのは間違いではありません。

とはいえ、ねこはグルーミングを良くします。おいしいものを食べた後や、気持ちを落ち着けたい時にも顔を洗うため、「顔を洗うと必ず雨が降る」とはいえません。

確かにねこは雨が降る前に顔を洗いますが、雨が降らない時も顔を洗うため、天気予報にはならないというわけです。


 

1-3.カビや食中毒に注意

雨が多く降る季節は、食べ物にカビが生えたり痛んだりしやすくなります。特にウエットフードをあげている場合は、食べた後にすぐ片付けるようにしましょう。

また、ドライフードも保存方法を誤るとカビが生えます。しっかり密閉し、高温多湿を避けて冷暗所で保存しましょう。ただし、冷蔵庫で保存するのはNGです。冷蔵庫から出した際に温度差で結露が生じ、カビの原因になるためです。


 

1-4.気象症に注意

雨の日に頭が痛くなるなど、天気によって不調を訴える人も少なくありません。それと同じく、ねこも雨の日などに体調を崩してしまうことがあります。これを「気象病」といいます。

気象病は天気の変化によって引き起こされる症状の総称です。原因はさまざまですが、雨の日の気圧低下や湿度上昇によるものが多いようです。

雨の日には元気や食欲がない、落ち着きなくウロウロしている、飼い主にいつもより甘えるといった行動を示す場合は気象病かもしれません。落ち着ける場所を用意して、ゆっくりと休ませてあげましょう。

また、低気圧の時は血管が膨張します。雨の日に頭が痛くなるのは、この膨張した血管が神経を圧迫しているためと考えられています。ねこも血管が膨張することによる「血液循環障害」に陥ることがあるため注意が必要です。雨の日に特に元気がない、嘔吐をしているという場合は獣医師に相談しましょう。

 

2.雷・台風とねこ

しとしと降る雨は穏やか感じがして良いものですが、雷や台風になると人間でも怖くなってしまいます。雷や台風からねこを守るためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。


 

2-1.怖がってパニックになるねこもいる

雷・台風で特に注意したいのが音です。ねこは聴覚が優れているため、雷や台風の大きな音を聞いてパニックになってしまうこともあります。ストレスで体調を崩したり、脱走してしまったりしないよう、ねこの気持ちが落ち着く工夫をしましょう。例えば、以下のような対策が有効です。

  •  ・箱やベッドなど落ち着ける場所を作る
  •  ・一緒にいて声をかけたり、なでたりしてあげる
  •  ・大好きなフードやおやつをあげる
  •  ・雨戸やカーテンを閉めて外の音を聞きづらくする

 

2-2.避難時の準備をしておく

規模の大きな台風が来た場合、避難を余儀なくされるケースもあります。その際ねこはどうするのか、普段から準備しておきましょう。

ワクチン接種やノミ・ダニ駆除を済ませておくのはもちろんのこと、避難所でも生活できるよう、ケージやハーネスに慣れさせておくのも重要です。ごはんや水、薬、トイレなども最低5日分は準備しておきましょう。

迷子札やマイクロチップを使って、ねこが万が一逃げてしまった時の対策も忘れずにしておきましょう。

 

3.雪とねこ

「雪やこんこ」という歌の中に、「犬は喜び庭駆け回り、ねこはこたつで丸くなる」という歌詞があります。ねこは寒さに弱い動物であり、雪は苦手なようです。では、雪の日にはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。以下にご紹介しましょう。


 

3-1.猫風邪に注意

雪が降るような寒い時期には、ねこも免疫力が下がって「猫風邪」になりやすくなります。猫風邪とは人の風邪のような症状が見られる感染症の総称であり、原因はヘルペスウイルスやカリシウイルス、クラミジアなどさまざまです。特に体力のない子ねこやシニアねこは感染しやすいので注意が必要です。

定期的なワクチン接種、保温・保湿、食事や生活環境を整えるといった対策で猫風邪のリスクを減らすことができます。

また、猫風邪はくしゃみやせき、鼻水などで他のねこにもうつります。多頭飼いをしている場合は、風邪をひいているねこと他のねこを会わせないようにしましょう。


 

3-2.雪の日に散歩はOK?

散歩が日課のねこは、雪の日でも散歩をしたがる場合があります。特に好奇心旺盛な若いねこは、外の様子が大きく変わるため点検に出たいとウズウズしてしまうかもしれません。しかし、雪の日にねこを外に出すと、以下のようなトラブルが起こる恐れがあります。

【1】しもやけや凍傷

ねこの足の裏には肉球があり、その部分は毛が生えておらずむき出しになっています。そのため冷たい雪の中を歩くと、しもやけや凍傷になる恐れがあります。

ペット用の靴や靴下を履ければ良いのですが、たいていのねこはいやがります。もしも雪の日にねこを外に出したら、あとで肉球を拭いたり、保湿クリームを塗ったりとケアをしてあげましょう。

【2】融雪剤・凍結防止剤による被害

雪の降る地方では、雪の季節になると融雪剤がまかれます。これらはねこの体に良くないものなので、ねこが触ったり口にしたりしないよう気をつけなくてはなりません。

例えば、融雪剤に含まれている塩化カルシウムは、ねこの皮膚や肉球に付くと皮膚炎を起こします。また、誤って食べてしまうと嘔吐や下痢、潰瘍の原因になります。

融雪剤ほどではありませんが、凍結防止剤も注意が必要です。凍結防止剤の成分は塩化ナトリウム(塩分)が含まれており、皮膚炎や誤食による塩分の摂り過ぎになることがあります。

雪の日のねこの散歩は不可能ではありませんが、ねこや周りの様子を見ながら、事故や病気にならないよう慎重に行う必要があります。

 

4.晴れとねこ

温かな太陽の光を浴びるとねこも元気になりますが、熱中症や日光皮膚炎といった病気を引き起こすこともあります。晴れの日のねこの変化や注意すべき点について解説しましょう。


 

4-1.晴れの日は絶好の狩り日和?

先ほど触れた通り、ねこは獲物が活動しない雨の日には寝てばかりいます。逆に、晴れの日は小動物の動きも活発になるため、絶好の「狩り日和」になるわけです。そのためねこは晴れの日には活動的になります。

家の中では狩りができないので、おもちゃを使って一緒に遊んであげると良いでしょう。


 

4-2.ねこは日向ぼっこが好き!

ねこは晴れた日に窓辺に寝そべり、日向ぼっこをします。太陽の光を浴びることで皮膚や被毛を殺菌し、ウイルスや菌から身を守っていると考えれています。また、体を温めることによる新陳代謝の活発化や血行促進も期待できます。

また、ねこは太陽の光を浴びることでビタミンDを合成するといわれていましたが、研究によりねこにはビタミンDを合成する能力がないことが分かりました。栄養価の高いキャットフードをあげていれば、「日光浴をさせないとビタミンDがとれない」と心配する必要はありません。


 

4-3.熱中症に注意

ねこは晴れの日に元気になるとはいえ、カンカン照りの暑い日は要注意です。部屋の温度が上がり、熱中症になる恐れがあるためです。ねこは汗腺が発達しておらず汗をかけないため、体温調節は得意ではありません。そのため人が平気な環境でも熱中症になってしまうことがあります。以下の点に気を付けて、ねこを熱中症から守りましょう。

  •  ・部屋の温度は27~28℃に保つ
  •  ・ねこが自分で快適な場所を探せるよう、部屋のドアを開けておく
  •  ・いつでも新鮮な水が飲めるようにしておく
  •  ・ブラッシングをして冬毛を取り除く

 

4-4.日光皮膚炎に注意

日向ぼっこはねこにとって良い効果も多いですが、危険な面もあります。それが「日光皮膚炎」です。

日光皮膚炎は紫外線によって引き起こされる皮膚炎で、特に皮膚の薄い耳の先に良く見られます。特に白ねこや色の薄いねこは紫外線の影響を受けやすいため要注意です。

初期症状は軽い日焼けと抜け毛ですが。進行すると炎症や皮膚のはがれ、かゆみや痛みが生じます。そこまで進むとねこ自身が気になって引っかいてしまい、より悪化してしまいます。慢性化すると皮膚癌を発症し、皮膚がただれ、脱落してしまうことすらあります。

日光皮膚炎からねこを守るためには、日に当てないのが一番です。また、特に罹病リスクの高いねこは、ねこ用の日焼け止めを使うのも一つの手段です。

 

まとめ

ねこはとても敏感な生き物で、天気によって気分や体調が大きく変わることもあります。天気によって引き起こされる病気もありますので、飼い主がしっかりねこの様子を見て、適切なお世話をしてあげなくてはなりません。

天気ごとのねこのケアをしっかりして、雨の日も雪の日も、もちろん晴れの日も、ねこと一緒に楽しく過ごしましょう。

 

 

 

   
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