ねこの好きな場所はどこだか分かりますか?
実は、ねこは狭くてうす暗い所や高いところが大好きです。
それには理由があります。それは、ネコ科の習性によるものです。
詳しくは後ほど解説します。
しかし、ねこが好きな場所は狭くて薄暗い場所や高い場所だけではありません。他にもいろいろと好みの場所があります。
よくよく飼い猫の様子を観察していると、たいがいの飼い猫は自分の好みの場所を見つけて、リラックスしながら毛つくろいをしていたり眠ったりしています。
ねことは、狭義には食肉目ネコ科ネコ属に分類されるリビアヤマネコが家畜化されたイエネコ(家猫)に対する通称です。
家猫の流を組む飼い猫には、狭くて暗い場所に潜んで、高い樹木の上で生活していたもともとネコ科の習性が備わっています。
狭くて暗い空間や高い木に登るのには次のような理由があります。
ねこの祖先が餌にしていたネズミなどの小動物は、岩場の隙間や穴など狭い所に隠れていることが多く、これを捕食するために穴に潜り込む習性があります。
また、穴の中は外敵から身を守れるばかりでなく仕留めた獲物を安心して食することができたのです。
また、狭くて暗い岩場の隙間や穴の中は冷たい外気に熱い日射に直接、触れない分だけ比較的に過ごしやすい場所だったのでしょう。
これもねこの習性によるものです。
ねこは、地上の外敵から身を守るため、あるいは外敵をいち早く発見するために、高い樹木の上で生活する能力を身に付けた進化していきました。
また、ネズミやリスなどの小動物も木に登りますし獲物の捕食のために木に登ることを覚えたのではと考えられています。
一日中、家の中で暮らしている飼い猫にとっては、岩場の隙間や穴と言ったものや、登ることのできる樹木などはありません。
それでも、ベッドの下や押し入れなど狭くて薄暗い隠れ家になるところやキャットタワー、カーテーンレールなど高い所に登ることはできます。
飼い猫がベッドや押し入れの中に隠れるのも好むことやキャットタワー、カーテーンレールに登るのを好むこともねこ本来の習性や能力からくるものでしょう。
ねこは、もともと集団で生活することを好まない動物だとも言われています。
集団で生活できない分、縄張り意識が強い動物です。
ねこを多頭飼いしているとよく分かりますが、ねこは自分だけで所有できる場所を見つけることに長けています。
自分のテリトリーこそがねこ好み場所です。
ねこが好む場所で最上位にくるのがベッドやソテファーの下です。
ねこはベッドやソファーの下に隠れて、毛づくろいをしたりしています。
ベッドやソファーの下は安心できるのでしょう。
また、急な来客があったとき、花火や雷鳴と言った激しい音に驚いたときに我先にと逃げ隠れます。
ねこにとっては安心できる隠れ家なのでしょう。
押し入れの中も、ねこにとっては安心できる場所なのでしょう。
食事や排せつ時間以外のほとんどを押し入れの中で過ごすねこもいます。
押し入れの中でスヤスヤと寝入っている姿を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
キャットタワーは飼い猫にとって人気ナンバーワンの場所といっても過言ではないでしょうか。
もともと、高い所に登るのが得意なねこですから、ねこにとっては居心地の良い場所なのでしょう。
ただ、縄張り争いの強いねこですので、多頭会の場合はキャットタワーをめぐってねこ同士のいさかいをよく目にすることになるでしょう。
冷蔵庫の上もねこたちにとっては、キャットタワーと同じく居心地の良い場所なのでしょうか。
キャットタワーの次に人気の場所になっています。
冷蔵庫の上から見える家の中の様子が気に入っているみたいですね。
カーテーンレールの上も人気の一つです。
カーテーンレールに登るのが好きなねこは、子猫が多いです。
子猫は、身軽だからカーテーンレールに登りやすいのでしょうね。
家の中にある備品でねこが好きな場所はタンスです。
タンスの上に乗って毛繕いをしているねこをよく見かけます。
特に、夏場はひんやりした場所がお好みなのでしょうか。
クーラーの真下にあるタンスの上が、ねこたちのお好みの場所です。
冬場は、窓際が人気です。
日の当たる窓際は、暖かくて気持ちがいいのでしょうね。
暖かい太陽の光を浴びながら転寝をしているねこの姿は、非常に可愛らしいものです。
ねこにとって、冬場の人気の場所と言ったらこたつの中です。
こたつの中は、暖かくて安心して過ごせる場所のようです。
どういう訳かこたつの中でのねこ同士の喧嘩はあまり目にしません。
こたつは多頭飼いのねこたちにとっては、唯一のゆっくりと寛げる空間なのかもしれません。
洗濯ものなどを干して乾かすサンルームもねこにとって人気の場所です。
夏場は、暑すぎてねこもサンルームは敬遠しますが、冬場は、日当たりが良く昼寝をするのにはもっていこいの場所みたいです。
食事もそっちのけで、朝から晩までサンルームで過ごすねこもいます。
飼い主にとって、一番、嬉しいのはねこと一緒に布団に入って眠れることです。
ねこにとっても、大好きな飼い主と一緒に布団で寝ることは安心できるのでしょう。
特に、冬場になるとねこから布団に入れてと催促があります。
よほど好みの場所なのでしょうね。
野生で暮らすねこは、自分で好きな場所を探して見つけることは出来ますが、ねこにとってはそうはうまくはいきません。
ましてや、多頭飼いともなるとお気に入りの場所を探し出すと言う選択肢はぐっと少なくなります。
そのためには、飼い主さんがねこのために、ねこが安心して気持ちよく過ごせる環境を作ってやらなければなりません。
ねこが高い所に登るのは、ねこが本来、持っている習性です。
家の中にねこの好みの高い場所がなかったら、飼い主が整備してやらなければなりません。
キャットタワーはそんなねこたちの気持ちを満足させる唯一の備品です。
少なくても家の中に1基のキャットタワーは整備してあげましょう。もしも、多頭飼いであったなら2~3基とキャットウォークは用意してください。
冬場の寒い日や夏の暑い日には、飼い猫たちが快適に暮らすためのエアコンの整備は必要不可欠です。
ねこは、特に寒い所が苦手です。
部屋の中でも暖かい環境を整えてあげたいものです。
ただ、石油ストーブの類で部屋を温めるのは感心できません。石油ストーブの類はねこが火傷などケガをする心配があります。
他に暖を取れるものと言えば、電気こたつや電気カーペットなども揃えてあげるのもいいでしょう。
また、高温多湿な日本の夏もねこは苦手ですので、1部屋だけでも夏はエアコンを常に稼働してあげてください。
ねこなどのペットを飼う場合は、空気清浄機も必要なアイテムになります。
特に、多頭飼いする場合は、ねこの毛やフケなどで部屋の空気がすぐに汚れてしまいます。
ノミやダニから飼い猫の健康を守ることやウイルス性の病気からねこを守るためにも空気清浄機はあったほうがいいでしょう。
狭い空間や高い所は、ねこたちが寛げる場所であり、好みの場所でもありますが、一方、危険な場所でもあります。
押し入れなどは地震などで崩れないように、大きくて重いものは置かないようにしましょう。
もしものときに圧迫事故などに巻き込まれる恐れもあります。
ねこが好む場所は整理整頓しておきたいものです。
また、キャットタワーは、高くなるほど崩れやすくなります。
しっかり固定するなど対策を施してください。
愛猫のために、ねこの好きな場所を提供してあげることは飼い主の責務です。
ねこは与えられた空間の中で、自分のすきな場所を見つけようと一生懸命です。
ただ、部屋と言う空間の中で探し出すのはねこにとっては無理な話です。
ねこがリラックスして寛げる場所や、安全で安心な場所を作ってあげましょう。
そうしてあげれば、愛猫もきっと喜んでくれるはずです。