体の毛が長く、凛々しい印象を受けるサイベリアン(Siberian)に魅了される方も少なくありません。
性格も慣れれば懐いてくれることから、その人気は不動のものとなっています。
今回は、そんなサイベリアンについてご紹介いたします。
一緒に暮らすための注意点やかかりやすい病気などもご紹介しますので、サイベリアンと住む夢を叶えましょう。
長毛種と言えばペルシャ猫を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、サイベリアンも人気の種類です。
サイベリアンが長毛種である理由は、生まれ育った気候に過ごしやすいように変化していったものなのです。
では、サイベリアンがどのように生まれたのか、さらにはどんな特徴があるのかをご紹介していきます。
サイベリアンの歴史は1000年前にまでさかのぼると言われています。
サイベリアンの正式名称は「サイベリアン・フォレスト・キャット」と言い、意味はシベリアの森の猫です。
この名の通り、サイベリアンはシベリア生まれ。この長い毛は寒さから身を守るためだったのです。
寒さ対策は毛の長さだけではありません。通常ねこの毛は2層に分かれていますが、それより多い3層に分かれています。
毛の密度を上げることにより、シベリアの寒さから身を守りながら生き抜いてきたのです。
寒い地域での生活が、サイベリアンを珍しい種類のねこに育て上げたのです。
サイベリアンは交配などで生まれたねこではなく、元々シベリアで生活していたねこです。
そのため、狩猟本能は現在でも健在です。
筋肉も多く、体格も良いことからその顔つきに相応しい身体能力を兼ね備えています。
通常のねこは1年ほどで成長は止まりますが、サイベリアンは生後3年ほどしてやっと成長が止まります。
一緒に暮らすサイベリアンがあまり大きくならないことに心配せず、ゆっくりと見守りましょう。
また、水を怖がるサイベリアンが少ないのも特徴です。
通常ねこは、毛が乾きにくいことから濡れることを嫌い、水を避けます。
これに対してサイベリアンは水を恐れず、浅い場所にいる魚であれば水の中に入って捕まえるほど、水に対する恐怖がありません。
このように、自然界で生きるねこの中でも、サイベリアンは少し変わった特徴を持っているのです。
狩猟本能がいまだに健在なサイベリアンと一緒に住んだ際には、たくさん遊んであげることが仲良くなれるきっかけとなります。
仲良くなると懐いてくるので、犬のような性格であると言う方もいるほどです。
しかし、来客などの知らない人が来た場合は、どこかへ隠れてしまうような人見知りっぷりも発揮します。
一緒に住み始めた際に、あまり懐いてくれないと心配するかもしれませんが、時を重ねることによって懐いてくれますので安心してください。
シベリアからやってきたサイべりアンですが、一緒に生活するために注意することがいくつかあります。
通常、ねこと一緒に暮らすこととあまり変わりはありませんが、特徴のあるサイベリアンの場合は特に注意しなければならないことがあるのです。
一緒に暮らすために注意しなければならないことは、人間とねこの幸せを実現するためにあります。
サイベリアンと幸せに暮らすために、注意すべきポイントをご紹介します。
サイベリアンの毛は密度が高いため、ブラッシングは必須です。
これは、ねこが毛繕いをした際に毛を飲み込んでしまうことはもちろんですが、抜け落ちて部屋中毛だらけということも起こります。
サイベリアンの特徴として、あまりフケが出ないため猫アレルギーの原因であるアレルゲンが出にくいという報告もあります。
そのため、フケやアレルギー予防というよりもは、毛のメンテナンスとして捉えてください。
長毛種のため、絡まって毛玉になってしまうケースもあります。
1日1回はブラッシングを行うように心がけましょう。
こちらもサイベリアンの毛の特徴によるものですが、本来寒い地域に住んでいたねこなので暑さに弱いです。
特に日本の湿度にダウンしてしまうサイべりアンも少なくありません。
できればエアコンを活用して適温にしつつ、湿度も管理してあげてください。
特に、夏場は外出する際、部屋を締め切って、蒸し暑い状態を作らないことを心がけましょう。
食欲低下などの夏バテはもちろんですが、熱中症を起こすこともあり得るということを忘れてはいけません。
夏冬で毛が生え変わるとは言え、ねこは年中毛を纏いながら生活しています。
自然界のねこは涼しい場所を探してそこで涼みますが、夏場の締め切った部屋でねこが過ごしやすい場所は皆無です。
どのねこでも夏対策は考えなければいけませんが、特にサイベリアンには注意が必要であることを覚えておきましょう。
サイベリアンは他のねこよりも水を怖がらないため、水の取り扱いには十分注意してください。
水槽がある家の場合は、サイベリアンと隔離する必要があります。
また、お風呂の水を入れたままの状態だと、お風呂に入ってしまい出られなくなることも考えられるでしょう。
これは、他の種類のねこと暮らす場合も注意が必要なことではありますが、サイベリアンの場合は危険に直面する可能性が高くなるため、特に注意してください。
ねこにとって安全な環境づくりを行うのも人間の役目です。危険をなるべく遠ざることを意識しましょう。
ねこに限らず、動物と暮らす上で病気の心配はついて回ります。
一緒に暮らす動物は体調が悪くても訴えてくれませんし、ねこであれば病気を隠すため尚更注意が必要です。
そこで、サイベリアンがかかりやすい病気についてご紹介します。
症状を注意しながら一緒に過ごすことにより、少しでもねこの寿命を伸ばすことができます。
これも、ねこと一緒に暮らす私たちの重要な使命なのです。
悪性腫瘍に関しては、全てのねこが歳を取ると発生する可能性があります。
悪性腫瘍は人間と同様に、遺伝によるものが多いです。
サイベリアンの遺伝子の中でも、特に毛色がホワイトであれば悪性腫瘍の発症率が高いと言われています。
遺伝性の病気に関しては、ねこの種類である遺伝情報に混ざっていることが多いためどうしてもこのような状態となってしまうのです。
そこで大切なのが早期発見です。
症状が出てしまうと悪性腫瘍が進行しているケースも少なくないため、定期検診が必要となります。
発症率が高いからこそ、動物病院での定期検診やかかりつけの信頼できる獣医さんを見つけることによって、リスクを回避しましょう。
聞きなれない病名だとは思いますが、ピルビン酸キナーゼ欠損症とは赤血球の寿命が短くなってしまう病気です。
具体的には、ピルビン酸キナーゼという酵素が赤血球に不足してしまい、エネルギー不足によって赤血球が破壊されるのです。
このことにより体内で赤血球の量が減少してしまい、貧血を起こしてしまうという症状が現れます。
治療法としては、輸血や脊髄移植も理論的にはありますが、ねこの負担を考えると現実的ではありません。
重度となれば脾臓の手術を行うこともありますが、医師と相談した上で悪化しないように努力することとなるケースが多いです。
ストレスによってピルビン酸キナーゼ欠損症が悪化してしまうこともあるため、なるべくストレスを与えないような環境づくりが必要となります。
遺伝子検査を行うことによって病気になるリスクがあるかの判断ができるため、早期発見がしやすい病気でもあります。
サイベリアンは特に、ピルビン酸キナーゼ欠損症になる確率が2.4%と他のねこよりも高いため、検査を行うことをお勧めします。
ねこの中でも珍しい特徴を持っているサイベリアンです。
性格も一緒に暮らすにはかなり魅力的で、長毛種の中でも人気の高い種類です。
サイベリアンは身体能力も高いため、遊び場を作ると喜んで遊んでくれるケースも多いです。
キャットタワーなど部屋に工夫を行うことを私たち人間が楽しんでできれば、サイベリアンも楽しく暮らせます。
環境づくりを工夫することで、サイベリアンとの幸せな時を過ごしましょう。