ねこもフィラリア症という感染症に罹ることを知っていますか?
フィラリア症は犬の病気というイメージが強いかもしれませんが、実はねこにも感染します。
しかも、ねこの突然死の原因になるというのですから軽視はできません。
ねこのフィラリア症は月1回の投薬で予防することができると言われています。
今回は、ねこのフィラリア症について、予防の大切さも含めて紹介していきます。
ねこにも感染するフィラリア症とはどんな病気なのか。
そして、どのような症状が現れるのか詳しく解説していきます。
フィラリア症は蚊によって媒介される寄生虫感染症で、別名「犬糸条虫症」とも呼ばれています。
ミクロフィラリアに感染した動物の血を吸った蚊が、ほかの動物の血を吸うことで感染が広まります。
ミクロフィラリアにとってねこは最終宿主ではないため、ねこの体内ではほとんどのミクロフィラリアは成虫になるまえに死滅します。
しかし、一部のミクロフィラリアはねこの体で、2〜3ヶ月かけて5cmほどに成長し心臓や肺に寄生します。
ねこは犬と比べて心臓が小さいため、フィラリア成虫の数が少なくても重症化する可能性があるのです。
また、ねこの場合は寄生する数が少ないため、血液検査で見つけることが難しいとされています。
ねこのフィラリア症で怖いのは、突然死を引き起こすことです。
ねこは心臓に寄生したフィラリア成虫を免疫作用によって死滅させる作用を持っています。
その作用でフィラリア成虫が死滅した際に、それまで元気だったねこが突然死することがあるのです。
ねこの突然死のうち1割、研究者によっては3割強がフィラリアではないかといいます。
ねこのフィラリア症のおもな症状は「咳」ですが、ほかにも次のような症状が見られます。
初期症状は、咳や嘔吐といわれています。
そのほかにも、慢性の下痢や睡眠時間が増える嗜眠、食欲不振といった症状が現れることもあるようです。
ねこによってはほぼ無症状の場合もあるため、この時期にフィラリアと診断するのは困難とされています。
ねこのフィラリア症では、咳がおもな症状となるため、喘息やアレルギー性気管支炎と誤診されることもよくあるようです。
ねこのフィラリア症の治療は、フィラリア成虫を殺す駆虫薬と外科手術でフィラリア成虫を取り除くという方法があります。
ねこの場合、手術は負担が大きいため選択されることはほとんどないそうです。
現在、ねこのフィラリア症は確立した治療法があるとは言えない状態だといわれています。
愛猫を守るためには、しっかりと予防をしていく必要があるでしょう。
ねこのフィラリア症感染率が年々増加しているといわれています。
2010年の研究では、ねこの10匹に1匹がフィラリアに感染していることがわかりました。
しかも、感染したねこのうち4割は室内飼いだそうです。外に出さないからといって安心はできないのです。
ねこのフェラリア症は診断が難しいだけでなく、特効薬もなければ、確立した治療法もありません。
しかも、元気だった愛猫がある日、突然理由もわからないままに亡くなってしまうかもしれないのです。
そんなフィラリア症から守る唯一の方法が、薬による予防です。
毎月1回の投薬でほぼ100%予防できるといわれています。
フィラリア予防をしている飼い主はまだまだ少数派のようですが、最近は予防をすすめる獣医師が増えているそうです。
愛猫を守るためにもぜひ、フィラリア予防を検討してください。
ねこのフィラリア症は毎月1回の投薬でほぼ100%感染を防ぐことができます。
予防薬と予防時期について知り愛猫をフィラリア症から守りましょう。
いぬは、ミクロフィラリアがいる状態で予防薬を投与するとショック症状を起こし、最悪は死に至る可能性があります。
そのため、フィラリア症予防をおこなう際は、血液検査が必須です。
一方、ねこは寄生しているミクロフィラリアの数が少ないため、検査をしてもわからないことが多く、またミクロフィラリア血症のリスクが低いため必ずしも必要ではないといわれています。
そのため、検査をせずに投薬をする場合もあります。
ねこのフィラリア症予防薬には以下の3種類があります。
滴下タイプの予防薬のメリットは飲み薬のように吐き出される心配がないため確実に予防ができることです。
また、フィラリア症だけでなく、ノミダニ予防や寄生虫などにも効果があるため人気があります。
滴下タイプの代表的な予防薬は次の3種類です。
滴下タイプの予防薬は、肩甲骨のあたりの皮膚に直接薬液を塗りつけます。
毛をしっかりと掻き分けて皮膚につける必要があるため、慣れていないと上手につけられないことがあります。
もし、滴下タイプの薬を上手くつけられない場合は、動物病院で塗り付けてもらうのも手です。
また、薬を飲んでくれるなら飲み薬を検討してもよいでしょうし、注射という選択肢もあります。
滴下タイプの薬は、インターネットで安く購入できるものもありますが、安全のため動物病院で処方してもらいましょう。
フィラリア症予防と言われているため、感染しないための薬だと思っている人も多いのですが、実は体に入ったミクロフィラリアを駆除することが目的の薬です。
そのため、フィラリア症予防の期間は、蚊が出てきてから1ヶ月後〜蚊がいなくなった1ヶ月後までとなります。
地域にもよりますが、蚊の発生時期はだいたい4〜11月頃ですから、その場合の投薬期間は5〜12月です。
「もう、蚊がいないしいいかな」と自己判断で予防を終了してしまう方もがいるようですが、決められた期間しっかりとおこないましょう。
お住まいの地域の予防期間は獣医師に相談してください。
薬でフィラリア症を予防するのも重要ですが、フィラリア症の原因となる蚊に刺されないように対策をすることも大切です。
ねこの蚊避け対策といっても、特別なことはなく人間の対策と大きな差はありません。
室内が絶対に安全とは言えませんが、外に出て蚊の多い場所に近づいてしまう可能性を考えると外に出さないほうが安全と言えるでしょう。
ねこにとって外の世界は蚊以外にもさまざまな危険が潜んでいます。
ねこは室内飼いをおすすめします。
また、蚊取り線香などの蚊よけグッズを使うのもよいでしょう。
ペットの安全に配慮した成分や火を使わない蚊取り線香などペット専用のものを選んでください。
そのほかにも、化学成分を使わない商品もあります。
光で誘い込み電熱で駆除するタイプや紫外線で蚊を寄せ付けて中に吸い込むタイプなどもあります。
蚊除け効果のある首輪もありますが、安全性に懸念のある成分が使われている商品もあるため避けたほうが無難でしょう。
フィラリア症は蚊を媒介した寄生虫感染症です。
2010年の調査では、ねこの10匹に1匹が感染していることがわかりました。
しかも、感染したねこのうちの4割が室内飼いです。
フィラリア症は、ねこの突然死の1割を占めるとも言われています。
また、診断が難しく、治療法も確立されているとは言い難い状況ですが、ねこのフィラリア症は、予防薬を使うことでほぼ100%防げる感染症です。
愛猫のためにも、ぜひ、予防薬の使用を検討してください。