すらっとした立ち姿に大きな耳が特徴のオリエンタルショートヘア(OrientalShorthair)。
一見するとシャム猫に似ているようですが、特徴であるポイントカラーのない猫種です。
シャム猫と言えば人間に甘えるのが大好きなねこですが、外見が似ているオリエンタルショートヘアはどのような性格なのでしょうか。
オリエンタルショートヘアの歴史を知ると、どんなねこかが見えてきます。
オリエンタルショートヘアが生まれた背景を見ていくと、シャム猫と密接な関わりがあることがわかってきます。
また、オリエンタルショートヘアが生まれた理由を見ると、人間の行なったことによるねこ絶滅の危機があったからこそ生まれたということが見えてきます。
そこで、まずはオリエンタルショートヘアはどのようなねこなのかを知りましょう。
オリエンタルショートヘアが生まれたのは1950年代です。
当時の状況を考えると、第二次世界大戦が終戦した頃のお話になります。
この戦争は世界中に影響を及ぼし、各国で食糧難を引き起こしたため一般家庭で犬やねこを養う余裕もなく、その数は激減してしまいました。
終戦後の状況を見ると、純血の猫種も激減しており、とりわけシャム猫は絶滅するのではないかとも言われていました。
そこでシャム猫の繁殖に力を入れ始めたのですが、近親同士では死産などの確率も上がってしまうため他のネコ種との交配が行われることとなりました。
そこで選ばれたのが、ブリティッシュショートヘアやアビシニアン、ロシアンブルーといったヨーロッパに多くいたねこでした。
これが、オリエンタルショートヘアが生まれるきっかけとなったのです。
シャム猫の遺伝は強く、他の猫種と交配しても外見的特徴はシャム猫でした。
しかし、数世代するとシャム猫の特徴であるポイントカラーのないねこが生まれたのです。
このねこは当時フォーリンショートヘアと呼ばれ、この後にも度々ポイントカラーのないねこが生まれることとなったのです。
こうしてポイントのないシャム猫として確立されていったフォーリンショートヘアは、その後猫種として登録されて現在のオリエンタル・ショートヘアとなっていったのです。
交配した猫種が様々いたため、オリエンタルショートヘアは様々なカラーや毛の長さが存在することも特徴としてあります。
シャム猫のポイントカラーがないねこをオリエンタルショートヘアと呼ぶこともありますが、毛の長さによって種類が分かれます。
シャム猫のように特に毛の短いタイプと、それより少し長い毛の長さのタイプの2種類存在します。
長毛種として生まれるケースも稀にありますが、この場合はあくまでもショートと名のついているオリエンタルショートヘアですので、公認されていないもののオリエンタルロングヘアと呼ばれています。
オリエンタル・ョートヘアが生まれる際にどのような祖先を持っているのかによって毛の長さが異なることも特徴の一つと言えますね。
シャム猫を先祖に持つオリエンタルショートヘアですが、一緒に暮らすとなるとその性格が気になるところです。
ねこの性格を知ることで接し方も見えてきますし、どんなことが喜ぶのかがわかっていれば仲良くなれる時間もグッと縮まります。
また、実際にねこと暮らしてみて「こんなはずではなかった」とならないようにも性格を知るということは大切なことなのです。
そこで、オリエンタルショートヘアの性格を知るとともに、一緒に暮らす際にはどんなことに注意していけば良いのかをご紹介していきます。
シャム猫の血を受け継いでいるオリエンタルショートヘアなので、ベースはシャム猫のような性格です。
シャム猫と言えば、人間好きで知られているねこですが、オリエンタルショートヘアはそこからさらに人間好きにしたねこと言えます。
とにかく人といるのが大好きで、甘えてきたりあの手この手で興味を引こうと必死になります。
一緒に暮らしている人が好きというのはもちろんですが、人間自体が好きなので来客があった際にも、少し時間が経過すればすぐに甘えているという可愛い一面も見られます。
もちろん個体差があったり、人間に嫌なことをされてきた場合は当てはまらないこともありますが、人間と接するのが好きな猫種なのでたくさん触れ合うことが可能です。
人間の気を引こうとして必死なオリエンタルショートヘアは、その方法としていたずらをすることがあります。
注目を集めたいということから、人間が見てくれることならなんだってしてしまうという強者です。
そのため、いたずら対策は必須のねことなります。
壁紙を保護したり登ってはいけない場所に登れないようにしたりと、手を焼くことが多いかもしれません。
さらに、落ちているものなどを誤飲してしまう可能性もあるため、口に入れてはいけないものを徹底排除する必要があります。
いたずらしてしまう原因は注目してほしいことなので、環境を整えるとともにもしいたずらしてしまった場合はふれあい不足として捉え、かまってあげることが必要になります。
スレンダーな風格のオリエンタルショートヘアですが、筋肉質であることも特徴です。
そのため、運動をすることでストレス解消を行うということも忘れてはなりません。
運動できるある程度のスペースを用意し、1日に少しでも遊びの時間を作るように心がけてください。
甘えてきたオリエンタルショートヘアに対して撫でても仲良くなれますが、一緒に遊ぶことでさらに信頼関係が深まっていきます。
キャットタワーを用意して上下運動をさせることでも運動量が増えるため、たくさん遊んでねこと仲良くなりましょう。
ねこと暮らすにあたって病気は最も気をつけなければならないことです。
例え病気になっても、ねこは体調不良を訴えてはくれませんし自然に治ることもありません。
そこで、人間がねこの病気を知り、異常が見られた際にはすぐに動物病院に連れていかなければなりません。
健康に気をつけていても病気になってしまうことがあるので、ねこと人間、どちらが悪いということはありません。
もし病気になってしまったときには、その対処を速やかに行うことが重要なのです。
そこで、オリエンタルショートヘアが気をつけたい病気に関して理解し、日頃から注意して見ていくことが重要となります。
ねこが様々な異常行動を起こすのがこの病気です。
知覚過敏症になると今まで見せなかった行動をしてみたり、瞳孔が開くことや背中が痙攣することがあります。
自分の体を傷つけてしまうこともあるため、軽視できない病気です。
現在原因とされているのはストレスですが、決定的な原因解明にまで至っていないことが現実です。
治療法は環境の改善が一番とされていますが、症状によっては薬物も使用するうことがあるため、症状が見られた際には一度動物病院を受診しましょう。
リンパ腫は人間にもありますが、ねこの場合は猫白血病ウイルス感染症という病気があり、この感染によってリンパ球がガン化してしまう恐ろしい病気です。
中枢神経系で起こることが多いため、咳などの症状から消化不良、てんかんなどの症状が起こります。
抗がん剤を使用する治療がメインとなりますが、これを放置してしまうとどんどん症状が悪化してしまうため、早期治療が求められる病気です。
ワクチンで猫白血病ウイルス感染症を予防することも可能ですので、ワクチン接種は欠かさず行いましょう。
とにかく人間が大好きなオリエンタルショートヘアは、ねことたくさん触れ合いたい方にとってはとても相性の良い猫種だと言えます。
イタズラしてしまうこともありますが、全てはかまってほしいという甘えなのです。
時々苦労することもあるかもしれませんが、振り返ればかけがえのないねことの時間を過ごしてきたと実感できるとても可愛い猫種であるということを覚えておきましょう。