ロシアンブルーの長毛種のような外見を持ったネベロング(nebelung)。
長寿ねことしても話題になっており、近年人気が上昇している猫種の一つです。
しかし日本ではあまり見かけることがないので、どのようなねこなのか知られていないことが多いのも事実です。
そこで詳しくご紹介していきますので、これを機にネベロングに詳しくなりましょう。
フサフサな長毛が特徴のネベロングですが、ただ毛が長いだけではなく青みがかっていることも特徴です。
ねこのブルー御三家と言えば、ロシアンブルー・コラット・シャルトリューですが、いずれも短毛種です。
ブルーな毛並みを持ち、さらに長毛種という他にはあまり見ないネベロングとは一体何者なのか、どのようなねこなのかをご紹介していきます。
ネベロングは1984年にアメリカで生まれたのが始まりです。
数匹生まれたねこの中に1匹だけ青みがかった長毛なねこがおり、これが初代ネベロングとなります。
その後にも青みがかった長毛のねこが生まれたため、この2匹を掛け合わせることでネベロングとしての繁殖がスタートしたのでした。
しかし、近親での交配は出産がうまくいかなかったり遺伝性の病気になることも多かったため、ネベロングに外見が似ているロシアンブルーとの交配も行われることとなりました。
こうして、健康面でも配慮した上で繁殖が行われるようになったのです。
その後、1987年にはロシアンブルーの長毛種としてTICAに登録されることとなり、AFCA、WCF、GCCFと次々と公認を受けていき、猫種としての確固たる地位を確立していったのです。
ネベロングの名前には2つの説があります。
一つがドイツ語の霧を意味する「ネベル」と長い毛を表す「ロング」を合わせてネベロングと名付けた説。
もう一つが「ニーベルンゲンの歌」という英雄が主人公の叙事詩からつけたという説があります。
初代ネベロングの親の名前もニーベルンゲンの歌にちなんだ名前が付けられていたことから、ベースはニーベルンゲンの歌から取って、ネベルとロングを合わせた造語として作られたという説が有効なようです。
ロシアンブルーに似ているとされるネベロングですが、実は目の色が大きく異なります。
ロシアンブルーは翡翠のようなグリーンですが、ネベロング瞳はグリーンではありますがすこし黄色がかっています。
当然ネベロングの子供の中には黄色い目として生まれてくる個体もいますが、目の色が黄色になってしまうとネベロングとしては認められないという厳しさがあります。
最初の規定がロシアンブルーの長毛種としての位置付けだったためにこのような厳しい規定が出てしまったのかもしれません。
ネベロングとはなりませんが、目が黄色であってもネベロングとほぼ同じ可愛いねこであることには変わりありません。
長毛種でありロシアンブルーに似ていることもあり、非常に人気が高まっているネベロングではありますが、実際に一緒に暮らす際に機になるのはどんなねこであるかです。
そこで、ネベロングの性格についてご紹介しながら、どんなことに注意していけば良いのかも合わせてご紹介していきます。
注意すべき点を守れば、ねことの信頼関係が深くなることは間違いありませんので、是非とも気をつけたいポイントです。
まずはネベロングの性格ですが、一度信頼関係が構築できた人であればずっと甘えてくるという性格をしています。
しかし、基本的には人見知りなため知らない人がいるとどこかへ隠れてしまうことも多くあります。
また、うるさい場所は嫌いなので状況によっては知っている人しかいない場面であっても1人になることも多いです。
一緒に暮らす人には絶大な信頼を置いており、遊ぶことも好きなのでお気に入りのおもちゃなどを出してくると飛びついてくる光景も見られます。
ちょっと気難しいねこではありますが、うまく付き合うことができればたくさん甘えてくれるねこなのです。
時々1人になりたがるネベロングですが、留守番が大っ嫌いです。
あまり留守にさせ過ぎてしまうと拗ねてしまい寄ってこなくなることもあるほど、留守番が嫌いなのです。
もちろん、拗ねた後でもごはんをあげたり一緒に遊ぶことですぐに仲良くなれますが、「信頼できる人間と少しでも一緒にいたい」という思いの強いねこだといいうことです。
拗ねてしまった際にも、無理に連れてくるのではなくおもちゃやごはんを利用して呼ぶようにしましょう。
なんだかツンデレのように感じるかもしれませんが、それもネベロングの魅力的な性格の一つとして捉えましょう。
騒がしいとどこか静かな場所に行くネベロングですが、静かな場所で過ごすための環境づくりを心がけましょう。
ねこにとって自分の逃げ場があることはストレス軽減になるためどこか静かな場所を用意することはもちろんですが、逃げ場にはねこの生活用品を置いておくとさらに良くなります。
トイレや水を置いておくと我慢することもなくなるため、暮らしやすい環境づくりができるようになります。
トイレと水は複数設置することで回数が増え、健康にも良いため逃げ場所の近くといつもいる場所の近くに置くと、ネベロングのストレスも軽減されて健康的に過ごせます。
ネベロングと一緒に暮らすためには健康面への配慮も欠かしてはなりません。
ネベロングは長寿ねことして知られており、平均寿命は15歳から18歳となっています。
中には21歳まで生きた個体もいるという報告があるほど、長寿なねこなのです。
もちろん、人間と同様に個体差があったり先天的な病気がある子もいますが、全体的には長寿であるとされています。
長く生きる可能性の高いねこの健康を守るために、私たちができることを考えてみましょう。
ネベロングは綺麗好きとしても知られています。そのため、トイレ掃除は頻繁に行う必要があります。
ねこは体の構造上腎臓が弱く、疾患が出やすい生き物です。
そのため、たくさん水を飲んでもらってたくさんトイレをして欲しいところではありますが、トイレが汚れているとトイレを我慢したり水を飲まなくなる傾向が強いです。
そこで、こまめにトイレ掃除を行うことはもちろんですが、どうしても手が回らない場合はトイレの数を増やすというのも方法の一つです。
綺麗な環境づくりを行い、気持ちよくネベロングに過ごしてもらいましょう。
万病の元となるのが肥満とストレスです。
家で暮らすねこにとっては大敵となるこの2つですが、ネベロングも例外ではありません。
特にネベロングの場合、静かな場所を好むため肥満になる確率が高く、気を抜いてしまうと一気に太ってしまうケースもあります。
そこで、信頼関係が構築できたら頻繁に遊ぶようにしましょう。
キャットタワーを用いて上下運動ができる環境を作ることもおすすめです。
運動することで肥満解消になることはもちろんですが、ストレス解消にも役立つので健康に過ごしてもらうためには絶対に習慣にしたいことです。
適度な運動が健康を保持するため、1日少しでも運動を行う時間を作ってくださいね。
どれだけ健康に留意していても、体調に異変が起こることはあります。
ねこは特に、自分の体調不良を隠そうとする傾向にあるため人間が日頃から注意していなければなかなか気づくことはできません。
また、「これくらいは大丈夫」と思っていても重大な病気であるケースもあります。
人間の場合は病院に行かなくても治るかもしれませんが、ねことなるとそうはいきません。
体調不良を発見した際には、すぐに動物病院へ連れていって適切な治療を受けるようにしてください。
ロシアンブルーの長毛種という位置付けのネベロングですが、一度撫でるとやみつきになってしまうほど素晴らしい毛並みをしています。
そんなネベロングは日本においてはまだ普及していないため、一緒に暮らそうと思ってもなかなか見つからないかもしれません。
しかし、気になっている方は一度見てみることをお勧めします。
一緒に暮らすことは不可能ではないので、探してみるのも方法の一つです。