寝ている時、くつろいでいる時、作業をしている時などに、ひざに顔に肩にねこが乗ってくることがあります。
ぽかぽか温かくて気持ち良く「私のことが好きなんだ!」と嬉しくなりますね。
しかし、ねこはなぜ飼い主に乗るのでしょうか。
ねこが飼い主に乗る理由を、乗る場所ごとに解説します。
ねこが乗ってくる場所No.1といえばやはりひざでしょう。
座っている時にひざに乗って来られると、嬉しい反面立てなくなって困ってしまう…なんてこともありますね。
それでは、なぜねこはひざに乗ってくるのか、その主な理由をご紹介しましょう。
ねこは気まぐれで慎重な動物です。
そんなねこが人の体に寄り添ってくるのは、もちろん信頼して甘えているからです。
ひざの上に乗って顔をじっと見つめてきたり、ゴロゴロ喉を鳴らしたり、ひざをモミモミしてくるのは愛情の証。
大好きな飼い主の匂いと温もりに包まれて眠りたい、なでたり声をかけたりしてかわいがってほしいという気持ちの表れなのです。
「犬は喜び 庭かけまわり、猫はこたつで丸くなる」という歌がある通り、ねこは寒いのが苦手です。
寒い時は歌の通りこたつに入ったり、ねこ同士でくっついたりして暖を取ります。
ひざに乗ってくるのも同じで、「寒いから温まりたい」と考えているのかもしれません。
自分はこたつ代わりか…と思うとちょっと複雑な気持ちになるかもしれませんが、ねこがひざの上で丸くなると、ひざも心も温かくなりますね。
ねこは飼い主や周りのものに良くスリスリします。
自分の匂いをつけて「これは自分のものだぞ」とアピールするためです。
飼い主のひざに乗るのも、自分の匂いをつけるためだと考えられています。
体調が悪いためにひざに乗ってくるというケースもあります。
体温調節がうまくできずに寒く感じている、体調が悪くて不安なため飼い主に甘えたいという時にひざに乗るのです。
ねこの様子を観察して、元気がない、鼻が乾いている、息づかいがおかしいなど、心配な点があったら、獣医師に相談しましょう。
寝ている時にねこが顔に乗ってくることもあります。
寝ている時に乗られるとびっくりしますし、息ができなくて苦しい…なんてこともありますね。
なぜ、ねこは顔に乗ってくるのでしょうか。
ねこが体のどこに乗るかによって信頼度が分かるともいわれています。
足先はまだ少し警戒しており、慣れてくるとひざ、お腹、胸とだんだん顔に近づいてくるようです。
顔の上で寝る、というのは信頼度マックスの証かもしれません。
寝ている時にねこが顔の上に乗ってくるのは、「起きてほしい」「ご飯がほしい」というような欲求を示している場合があります。
ねこは頭が良く、特に自分にとって良い結果になることはすぐに学習します。
以前に飼い主の顔に乗った時に起きたことを覚えていて、同じことを繰り返しているのです。
アクティブなねこは、飼い主の肩や背中に乗ることがあります。
特に肩に乗るねこは「肩乗りねこ」と呼ばれています。
Instagramなどでも飼い主さんの肩の上で誇らしげにしている肩乗りねこのかわいらしい姿を見ることができます。
しかし、ぐらぐらして不安定なのに、なぜ肩や背中に乗ってくるのでしょうか。考えられる理由をいくつかご紹介します。
祖先が樹木の上で生活していたため、ねこは本能的に高い所に上りたがります。
広い所を見渡せて状況が確認しやすく、地上の外敵や害虫を避けられる高い場所は、ねこにとっての安全地帯なのです。
飼い主の肩や背中に乗るのも、高い所に上って安心したい、あたりを見渡したいという気持ちの表れかもしれません。
高い所に上るために、飼い主の肩や背中を使うねこもいます。
いうなれば「踏み台」代わりにされているのです。
また、高い所から降りる時に、飼い主の肩や背中に飛び乗って降りる場合もあります。
ねこに背中を向けていて、急にドン!と飛び降りられて息が詰まったという経験をした方もいるようです。
ねこが高い所からじっとこちらを見ている場合は要注意です。
立っている、歩いている飼い主の背中や肩に乗る時は、それ自体を楽しんでいる場合もあります。
ぐらぐらしていてバランスを取るのが難しく、風に揺れる木に登っているような気持ちになるのかもしれません。
また、飼い主が歩くと周りの景色も変わり、乗り物に乗っているようで楽しいと感じている可能性もあります。
飼い主にとっても、ねこを背中や肩に乗せて歩くのは良い筋トレになるかもしれませんね。
性格や状況によっては、飼い主に乗ってこないねこもいます。
だからといって、決して飼い主のことが嫌いというわけではないので心配する必要はありません。
しかし、やはりかわいいねこに乗ってもらってぬくぬくしたい!という場合は、以下のようなことを試してみると良いかもしれません。
たとえ嫌いではなくても、緊張するような関係であればねこは飼い主に乗ってきません。
まずはねこと信頼関係を築くことが重要です。
特に大人になってからお迎えしたねこは、なかなか心を開かないこともあります。
無理に触ったり構ったりするとよけいに警戒してしまいますので、ねこのペースに合わせて、焦らずゆっくり仲良くなるようにしましょう。
ひざや肩は狭く、ぐらぐらしてバランスが悪いため「乗りにくい」と感じるねこもいるかもしれません。
乗りやすい環境はねこによって違います。同じようにひざに乗るのでも、あぐらにすっぽり収まるのを好むねこもいれば、体育座りのひざにしがみつきたいねこもいます。
ねこがひざや肩に乗ってきた時、姿勢を何度も変えるようであれば、居心地が悪いと感じている可能性があります。
体勢を変えたり、ひざに毛布を敷いたりするなど、ねこが乗りやすいよう工夫すると、気持ち良く飼い主の上にとどまってくれるかもしれません。
おやつを使ってひざや肩に誘うのも有効な方法です。
おやつをねこに見せ、ゆっくりと乗せたい場所にねこを導きましょう。
ねこが飼い主に乗ったら、おやつをあげたり、なでたりしてかわいがってあげてください。
それを繰り返していると、「乗ると良いことがある」「乗ると気持ちが良い」と覚えて、飼い主に乗るのを好むようになるでしょう。
ねこに乗ってもらいたいからといって無理やり乗せたり、降りようとするねこを押さえつけたりすると、ねこは飼い主に乗るのを嫌がるようになります。
ねこはもともと気まぐれでマイペースな生き物です。
無理強いせず、ねこの気持ちを尊重することが大切です。
そうしているとそのうち、「気まぐれに」乗ってきてくれる日が来るかもしれません。
ねこが飼い主に乗ってくる理由を、乗る場所ごとにご紹介しました。
ねこが飼い主に乗ってくるのは、愛情と信頼の証でもあります。
ねこが体に乗ってきたら、優しく声をかけたり、なでたりしてあげてください。
体も心もポカポカして、幸せ気分になれるでしょう。