自分の家の愛猫はもちろんかわいいですが、町で出会った野良猫もまたかわいいものです。
また、中にはおなかを空かせていたり、けがをしていたりと保護が必要な野良猫もいます。
野良猫と仲良くなりたい!助けてあげたい!と思ったら、どうすれば良いのでしょうか。
今回の記事では、野良猫との正しい接し方をご紹介します。
ねこ好きなら、外で出会ったねことも仲良くなりたいと思うのは当然のことです。
しかし、野良猫は飼われているねことは違い、人に馴れていません。
接し方を間違うと、ねこにとってストレスになったり、けがをしたりする恐れもあります。
野良猫と接する時には、以下のようなことに気をつけましょう。
野良猫は基本的に人を警戒しています。
仲良くなりたいのであれば、辛抱強く接する必要があります。
特に気をつけるべき点をご紹介します。
【1】視線に気をつける
ねこは目を合わせると「敵意がある」と認識します。
特に人間はねこより大きいためねこを見下ろす形になり、ねこにとっては恐怖の対象になります。
野良猫と仲良くなりたいのであれば、姿勢を低くして目をなるべく合わせないようにしましょう。
【2】大きな声や音を立てない
ねこは聴力が非常に発達しており、音に対して特に大きく反応します。
野良猫と接する時には、大きな声や音を立ててびっくりさせないようにしましょう。
野良猫に話しかける時には、落ち着いた声音でゆっくり話し、安心させることが重要です。
【3】無理に触らない
ねこが近づいてきたらなでたくなりますが、野良猫の場合はぐっと我慢です。
野良猫からすると、ただでさえ恐る恐る人間に近づいているのに、上から手が下りてきて良く分からないにおいをつけられる、というのは恐怖でしかありません。
まずは手のにおいをかがせて安心させ、慣れてきたら手の甲でそっとなでてみましょう。
ねこは人間にはない菌やウイルスを爪や口内に持っています。
ねこにひっかかれたり噛みつかれたりすると、その菌やウイルスが傷口から侵入し、病気を引き起こすことがあります。
特に野良猫は清潔とはいえない環境で暮らしており、お互いに病気を移し合っている恐れがあります。
野良猫に触れる時はひっかかれたり噛みつかれたりしないよう気をつけ、触ったあとはきちんと手を洗いましょう。
ねこを見るとついつい構いたくなってしまいますが、安易に野良猫に近づき、人馴れさせてしまうと以下のような問題が起こります。
野良猫にとって人間は得体の知れない存在であり、避けるのが自然のルールです。
そのルールを捻じ曲げてしまうと、かえってねこを不幸にしてしまうこともあります。
特に子ねこに必要以上に接触すると、母ねこに警戒され育児放棄につながる恐れがあります。
その野良猫に対して責任が持てないのであれば、そっと見守るのも大事なのです。
おなかを空かせた野良猫がいたら、ついついご飯をあげたくなってしまいます。
しかし安易にご飯をあげると、ねこにとってもその町にとっても不幸なことになりかねません。
野良猫にご飯をあげる時の注意点をご紹介します。
基本的には、野良猫にご飯をあげるのは、以下のような問題が起こるため望ましいことではありません。
【1】衛生面の問題
外でねこにご飯をあげていると、食べ残しに虫やネズミが集まったり、糞の量が増えたりして不衛生になります。
【2】野良猫が増える
ご飯をあげると栄養状態が良くなり、子ねこがたくさん生まれます。
自然界では外敵に捕まったり、餓死したりして自然淘汰されますが、ご飯をあげる人がいると多くの子ねこが生き残ります。
成長した子ねこはまた子ねこを生むため、急速に野良猫が増えてしまうことになります。
狭い地域にねこが密集するため、病気をもらったり縄張り争いでケガをしたりする不幸なねこが増えることになります。
【3】ご近所とのトラブル
ご飯をあげることで、ねこはその場にいつくようになります。
ねこ好きにとっては毎日かわいいねこに会えるのは嬉しいですが、ねこ嫌いのひとやねこアレルギーの人にとっては迷惑でしかありません。
また、いついたねこに庭をトイレ代わりにされたり、荒らされたりして困る人も出てきます。
その結果ご近所トラブルに発展してしまうこともあります。
上記でご紹介したとおり、野良猫にご飯をあげることでさまざまな問題が生じます。
しかし、目の前で飢えているねこを放っておけないというのも自然な感情です。
どうしても野良猫にご飯をあげたい時、注意すべき点をご紹介します。
【1】自治体の決まりを確認する
自治体によっては、条例などによって野良猫にご飯をあげることを禁止しているところもあります。
また、ご飯をあげるのはOKでも、あげ方について決まりを定めている自治体もあります。
まずは自治体のホームページを調べるなどして、野良猫にご飯をあげることについて決まりを確認し、必ず守るようにしましょう。
【2】ご飯をあげる時間を決める
ご飯は置きっぱなしにしてはいけません。
虫やネズミが集まり不衛生ですし、他の地域からねこを呼び寄せる原因にもなります。
決まった時間にご飯をあげて、食べ終わったらきちんと片付けましょう。
そうすれば、ねこは決まった時間に食べに来るようになります。
【3】排泄場所を準備する
野良猫のトラブルで最も深刻なのが糞尿の被害です。
ご近所トラブルになる恐れもありますので、必ず排泄場所を準備しましょう。
自分の庭でご飯をあげて、トイレまで済ませてもらうのが理想的です。
【4】周囲を清掃する
ご飯の食べ残しや糞はきれいに掃除します。
その際、ねこが汚したところだけではなく、ごみが落ちていたら拾い、きれいにしておきましょう。
そうすることで町の美化につながり、ご近所トラブルが起きづらくなります。
【5】避妊・去勢手術をする
先ほどご紹介したとおり、安易にご飯だけあげていると不幸な野良猫が増える結果となります。
ご飯をあげるのであれば、責任を持って避妊・去勢手術をしましょう。
地域によってはさくらねこ活動をしているところや、飼い主のいないねこの避妊・去勢手術に助成金を出すところもありますので、まずは市役所に相談すると良いでしょう。
野良猫を見つけたら、ご飯だけあげるのではなく、ちゃんと「うちの子」として迎えるのが理想です。
しかし、野良猫は人に馴れていなかったり、病気を持っていたりする場合があります。
野良猫を保護して家で飼うためにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。
まずは野良猫を捕獲します。捕獲器は市役所や地元の動物愛護団体で借りることもできますので、まずは相談してみると良いでしょう。
捕獲器は入り口以外を新聞紙などで覆うとねこが入りやすくなります。中にはねこをおびき寄せるためのご飯を置いておきましょう。
設置する場所が他人の敷地である場合は事前に連絡して許可を取っておきます。
先ほどご紹介したとおり、野良猫は感染症を持っている場合が多いです。
捕獲したねこを触る際には、肌の露出のない服装をして、手袋をすると安全です。
ねこを捕まえたらキャリーバックに入れて病院に連れて行き、以下のような処置を行います。
ねこの状態によっては落ち着いてからの処置となります。どちらにせよ、速やかに獣医師に見せ、相談するようにしましょう。
外にいるからといって野良猫とは限りません。
迷子や外ねこなど飼い主がいるケースもあります。また、さくらねこや地域ねこのように地域や団体が見守っているねこかもしれません。
保護したねこが本当に野良猫かどうか、以下のような方法で確認しておきましょう。
ねこを病院へ連れて行って処置を受け、飼い主がいないことを確認したら、いよいよ「うちの子」として迎え入れることになります。
基本的には普通にねこを迎え入れる準備で問題ありませんが、特に人馴れしていない場合は静かで落ち着ける場所を用意してあげましょう。
外でずっと過ごしてきた野良猫は室内での暮らしに慣れていません。爪とぎやトイレの使い方などを覚えるのに時間がかかる場合もあります。
最初は室内を荒らしたり、おそそうをしたりすることもあるかもしれませんが、根気良くしつけをしましょう。
当然のことながら、しつけがうまくいかないからといって再び外に捨てるのは論外です。
野良猫に出会った時の接し方をご紹介しました。
野良猫は家で飼っているねことは異なり、人に馴れていなかったり感染症を持っていたりしますので、安易に近づくのは望ましくありません。
野良猫と仲良くなりたい、ご飯をあげたい、保護したいという場合は、ねこの気持ちを尊重し、地域のルールを守ることが重要です。
野良猫も人の愛情や保護を求めています。
正しい方法で野良猫に接し、お互いに幸せな関係を築きましょう。