ねこにはキャットフードをあげていれば栄養上の問題はありませんが、たまにはそれ以外のご飯もあげたいものです。
しかし、人間が食べるものの中には、ねこにとって体に良くないものも少なくありません。
ねこにあげても良い食材には、どのようなものがあるでしょうか。
また、どのように調理をすれば良いのでしょうか。ねこにあげても良いご飯についてご紹介します。
※本記事はねこにあげても良い食材を紹介するものであり、あげることを推奨するものではありません。
まずは、ねこにあげても良い肉や魚介類をご紹介します。
肉や魚介類は良質なたんぱく質が豊富で、ねこにとっても良いエネルギー源になります。
基本的には加熱し、骨がのどや体内に刺さらないよう、きちんと取り除いておきましょう。
ねこは肉食であるため、肉に関しては基本的に何でも食べられます。
ただし、ベーコンやウインナーのような加工肉は塩分や添加物が多いため、ねこにあげてはいけません。
【1】牛肉
牛肉は有害な菌が少なく、人間でも生で食べることができます。
ねこにも生であげることはできますが、新鮮なものだけにしておきましょう。
ビタミンB12やナイアシンが豊富で、神経機能の回復や皮膚の炎症防止の効果も期待できます。
【2】豚肉
豚肉はビタミンB1が豊富で、筋肉の成長や疲労回復といった効果があります。
生食はトキソプラズマという寄生虫がいる恐れがありますので、しっかり火を通してからあげましょう。
【3】鶏肉
鶏肉、中でもささみは高たんぱく・低脂質で、ねこの体に良い食材です。
ビタミンKやセレンが含まれており、筋肉の成長やガン予防に良いと言われています。
生ではサルモネラ菌やカンピロバクターが心配なので、十分に加熱してからあげるようにしましょう。
【4】レバー
レバーはビタミンAや鉄分を多く含み、貧血予防や消化促進に役立ちます。
しかし、食べさせ過ぎるとビタミンA過剰症になり、食欲不振や関節炎を引き起こす恐れがあります。
また、レバーは鮮度が落ちやすいため、生のままあげるのは危険です。
必ず火を通してからあげましょう。
「ねこには魚」というのは、日本人ならではの考え方であり、ねこにNGな魚介類は少なくありません。
ねこに魚をあげるときには、種類を選ぶようにしましょう。
【1】マグロ・カツオ
キャットフードにはマグロ・カツオを原料としたものが多く見られます。
マグロ・カツオはねこにとって良い食材なのです。
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸が多く含まれており、適量であれば炎症を抑制し、皮膚や毛、心臓血管、腎臓などに良いとされています。
しかし、不飽和脂肪酸を摂取し過ぎると黄色脂肪腫の原因となりますので注意が必要です。
【2】ブリ・ハマチ・カンパチ
ブリ・ハマチ・カンパチなどもねこにあげて大丈夫です。
脂が良く乗っているものは肥満の原因委になりますので、湯通しをするなどして脂を落としてからあげましょう。
【3】白身の魚
白身魚は高たんぱく・低カロリーで、ねこの体に良い食材です。
また、タウリンというアミノ酸を多く含んでいます。
ねこは自分の体でタウリンを作ることができないため、キャットフードにはタウリンが添加されています。
タウリンは体の恒常性を維持し、病気を予防してくれる効果があります。
白身の魚としては、タイやタラが挙げられます。
また、サーモンも身の色はピンク色ですが、それはアスタキサンチンという色素が含まれているためで、白身魚に分類されます。
ねこは肉食のため無理に野菜や果物を食べる必要はありませんが、水を飲みたがらないねこにとっては良い水分補給になります。
また、繊維を含む野菜や果物を適量あげると、便秘解消に役立ちます。
ただし、繊維の摂り過ぎは下痢の原因になりますので気をつけましょう。
野菜は水分を多く含み、低カロリーなため、ダイエットにも効果的です。
青臭いにおいが好きなのか、野菜を好んで食べるねこもいますので、適量取り入れてみても良いでしょう。
【1】レタス、きゅうり、大根
ほとんどが水分なので、水を飲まないねこのおやつとしてあげると水分摂取に役立ちます。
生のままで食べさせてもOKです。
ただし、大根のしっぽのあたりは人間でも辛くて胃を痛める原因になりますので気をつけましょう。
【2】白菜、キャベツ
必ず茹でて火を通し、細かく刻んであげるようにしましょう。
ビタミンC、ビタミンKが豊富で、ねこの毛や皮膚、骨、血液の健康にも良い効果が期待できます。
ダイエット中のねこのご飯のかさましにも良いでしょう。
【3】かぼちゃ、さつまいも
ホクホクした食感が楽しいかぼちゃ、さつまいもは、ご飯のトッピングにも最適です。
必ず火を通し、食べやすいサイズにカットしてあげましょう。カロリーが高いため、あげ過ぎには注意してください。
【4】その他
上記でご紹介した以外にも、ねこが食べてOKな野菜はいくつかあります。
トマト、ほうれん草、小松菜、豆苗、水菜、いんげん、アスパラガス、とうもろこし、じゃがいも、にんじん
いずれも加熱して細かくしたうえで、少量ずつ与えるようにしましょう。
人にとってもおいしいおやつになる果物を、ねこと一緒に食べられるのは楽しいものです。
糖分が多く肥満の原因になりますので、あげ過ぎには注意しましょう。
【1】りんご
りんごは水溶性食物繊維であるペクチンが豊富で、便秘解消に効果があるとされています。
ねこにあげるときには喉につまらせないよう、細かく切ったり、すりつぶしたりしてあげましょう。
【2】いちご、ブルーベリー
いちごやブルーベリーもねこが食べてOKな果物です。細かく切って食べさせてあげましょう。
ただし、尿路結石になったことがあるねこには、ブルーベリーは控えるようにしましょう。
【3】桃、梨、スイカ、メロン
水を飲まないねこの水分補給としても役立ちます。
細かく切るか、果汁を飲ませてあげると良いでしょう。
皮と種は取り除きます。
特に桃の種は中毒症状を引き起こすこともありますので、絶対にあげてはいけません。
【4】その他
以下のような果物もねこにあげても良いとされています。
バナナ、さくらんぼ、柿、パイナップル、マンゴー、キウイ、みかん、栗(加熱すること)
様子を見ながら、少しずつあげてみましょう。
上記でご紹介したものの他にも、ねこが食べてOKな食材はいくつかあります。
新鮮で添加物の少ないものを選んであげましょう。
無糖ヨーグルトやカッテージチーズはねこも食べられる食材です。
良質のたんぱく質が含まれており、乳酸菌による整腸作用も期待できます。意外とカロリーが高いため、小さじ2杯程度に留めておきましょう。
ナチュラルチーズやプロセスチーズは塩分や添加物が多いため、ねこにあげるのは良くありません。
また、牛乳もお腹を壊してしまうねこがいるため、あげないようにしましょう。
ねこ用のミルクやチーズであれば安心ですが、肥満の原因になるためあげ過ぎには注意です。
ねこは肉食なので穀物を消化できないと言われることもありますが、加熱したものであれば問題なく消化できます。
そのため、炊いた白米をねこにあげても問題ありません。
白米は炭水化物やミネラル、ビタミン、食物繊維をバランス良く含んでいます。
もちろんキャットフードの方が栄養バランスは良いですが、気分転換のために米飯に肉や魚を合わせた手作りごはんをあげるのも良いでしょう。
ただし、ごはんにみそ汁をかけた昔ながらの「ねこまんま」は、塩分が多いため、ねこの体に良くありません。
また、同じ穀物由来の食品でも、パンはあげない方が良いでしょう。
塩分や油が多く含まれているため、塩分過多や肥満の原因になります。
節分の豆まきに使うような炒った大豆は消化が良くないため、ねこにはあげないほうが無難です。
しかし、納豆やおから、きなこのような大豆を加工した製品は、適量与えることで便秘改善やダイエットに役立ちます。
豆腐もヘルシーで食べやすく、体に良い食材ですが、マグネシウムを多く含むため尿路結石になった経験のあるねこにはあげない方が良いでしょう。
たとえねこにあげても良い食材でも、あげ方を間違えるとねこの健康を損なってしまいます。
ねこに人の食材をあげるときの注意点をご紹介します。
ねこにあげるごはんは基本的に味付けをしなくて構いません。
味付けをすると塩分過多になりますので、素材そのままであげるようにしましょう。
あげても良い食材でも、ねこに良くない部位や調理方法があります。
基本的に肉、魚、野菜は茹でる、もしくは蒸して与えましょう。
生はもちろん、油で焼いたり揚げたりするのも良くありません。
カロリー過多や下痢の原因になります。
また、肉や魚の骨、野菜や果物の皮や種は取り除き、消化の良い肉や実の部分だけをあげるようにしましょう。
まれに特定の食材に対してアレルギーを起こすねこがいます。
また、水分や繊維質の多いものを食べ過ぎると下痢をする場合もありますので、新しい食材をあげるときは、まず少量から試してみましょう。
ねこが食べて良い食材であっても、人間のおかずのおすそ分けはNGです。
人間の味付けはねこには刺激が強過ぎます。
特に、タレがかかった焼肉は危険ですので、絶対にあげないでください。
タレの中にネギやタマネギが入っている恐れがあるからです。
ねこがネギ類を食べると赤血球が破壊され、ひどい貧血を起こすことがありますので、絶対にあげてはいけません。
ねこにあげても良い食材をご紹介しました。
キャットフードやねこ用おやつがあればねこの食事は万全ですが、ちょっとした楽しみや、食欲がない時の気分転換に、普段食べないものをあげるのも良いものです。
人の食べる食材をねこにあげる時は、下ごしらえや調理法に気をつけて、様子を見ながら少しずつあげてください。
さまざまな食材を口にすることは、ねこの食生活を豊かにし、良い刺激になることでしょう。