毛のない猫種と言えばスフィンクスやスフィンクスのミックスが思い浮かぶかもしれませんが、実はドンスコイ()も毛がありません。
さらに、スフィンクスは産毛があるのに対し、ドンスコイは全く毛が生えていないなのどの違いもあります。
無毛のねこを探している方は、ドンスコイについても検討してみるのも良いかもしれません。
ドンスコイの特徴はなんといっても毛がないねこであることですが、ドンスコイはどこで生まれたねこなのでしょうか。
また、同じ毛のないスフィンクスとの違いも気になるところです。
そこで、ドンスコイがどんなねこであるのかをご紹介していきますので、さらにドンスコイに詳しくなりましょう。
ドンスコイが発見されたのは1987年のことです。
ロシアのロストフ・オン・ドンというところで、子どもにいじめられていたねこを助けたことが始まりです。
助けた時に驚いたのは毛のないねこであったことでしたが、それでも保護し、育てることとなります。
2年後に助けられたねこは子どもを産みますが、いずれも毛が生えていなかったり、最初は毛が生えていたものの成長するとともに抜け落ちてしまうという特徴があったのです。
そこで、何かしらの遺伝性の病気ではないかと思い、手放すことも考えていたところ、毛がないことに注目したブリーダーに引き取られることとなります。
その後、1997年にFIFeで登録され、2005年にはTICAにも登録されることとなり、現在でも世界中で愛される猫種となったのです。
ドンスコイという名前は、2005年にTICAで登録された時に初めて使用された名前でした。
それまでは、無毛のねこであるスフィンクスから名前を取って「ドン・スフィンクス」と呼ばれていました。
ドンという名前は、出身地であるロストフ・オン・ドンから取られたものでしたが、「ドン出身のスフィンクス」という意味合いが抜けませんでした。
しかし、ドンスコイとスフィンクスは遺伝子的にも別であるため、スフィンクスという名前が外されて、現在はドンスコイという名前になっているのです。
ドンスコイは被毛の種類で4種類に分けることができます。
最初から被毛がない「ラバーボルドー」、被毛を持って生まれてくるが抜け落ちてしまう「フロックド」、一部がはげて生まれてきて、最終的には抜け落ちてしまう「ベロア」そして最後まで少しの被毛がある「ブラッシュ」です。
ブラッシュ以外は結果的に被毛が抜け落ちてしまうため変わりはありませんが、ドンスコイは生まれてきてもブラッシュかそれ以外の区別がつかないことがあります。
もし子猫で家に来た際には、どんな容姿になるのか楽しみですね。
ドンスコイとスフィンクスの違いは産毛とヒゲの有無にあります。
スフィンクスは産毛があるのに対し、ドンスコイはほぼありません。
また、スフィンクスの無毛である遺伝子は劣勢遺伝に対してドンスコイは優勢遺伝となっているため、生まれてくる子のほとんどは無毛です。
ごく稀に被毛があるドンスコイが生まれるのがブラッシュなので、確率としてはかなり低いと言えます。
他にも、スフィンクスにはヒゲが生えませんが、ドンスコイはヒゲが生えるのも外見の違いです。
スフィンクスよりもドンスコイが気になった方は家にお迎えすることも考えるかもしれませんが、そこで重要になるのは性格です。
性格次第でねことの接し方や生活が変わってくるので、猫種による大まかな性格については把握しておく必要があります。
ドンスコイの性格、さらにはその性格からどのように接すれば良いのかをご紹介していきます。
ドンスコイの性格は穏やかであり人間が好きなので、座っていると横にくっついて寝始めるという光景が見られます。
また、遊ぶことが好きなことと人見知りをしないというのも特徴で、たくさん構ってあげることで信頼関係が構築できる猫種です。
また、ねこには珍しく水掻きをもっており、個体差もありますが基本的には水を恐れることなく入っていけるねこです。
人間が大好きなあまり、留守番が苦手であることも特徴的なねこです。
そのため、長時間留守番をさせてしまうとストレスを抱えてしまうケースもあります。
基本的にねこは1人で平気だと思われがちですが、懐いている人間がしばらくいなくなるとストレスを抱えてしまう生き物です。
ドンスコイはその傾向が他の猫種よりも強いため、できるだけ留守番をさせない生活を心がけましょう。
しかし、もし仕事などで留守番が多くなってしまう場合は、多頭飼いや他の動物と一緒に暮らすことも方法の一つです。
ドンスコイは他の動物にも寛容なため、すぐに仲良くなれる特性があります。
留守番が苦手なねこでも、多頭飼いなどを行うと普段は仲が悪いのに留守番中は一緒に寝ている光景を見ることができるほどです。
ドンスコイと暮らす際には、1日に少しでも良いので遊ぶ時間を設けてあげてください。
特に留守番をさせてしまう日などは、ストレス解消のために遊ぶことは大変効果的です。
体を動かすことでストレス解消になることはもちろんですが、肥満予防にもなるため遊びは必ず取り入れましょう。
信頼関係も構築されるため、重要なポイントとなります。
遊ぶ際には壁にねこがぶつかってしまわないように配慮しながら遊ぶことを忘れないようにしましょう。
ドンスコイと暮らす際に注意しなければいけないのは皮膚のケアです。
他の猫種であれば被毛があり、様々な肌のトラブルから守ってくれますが、ドンスコイは直に皮膚があるのでケアが必要となるのです。
現在のところドンスコイは遺伝的な病気は認められていないので、健康に気を付けるポイントは他の猫種と変わりません。
しかし、肌だけは別ですので、日頃から注意してケアを行う必要があります。
そこで、具体的にどのようなケアが必要になるのかをご紹介していきます。
ドンスコイに対して最も必要になるのが、全身を清潔に保つことです。
他の猫種であれば、被毛が余分な皮脂を吸収してくれるため、ブラッシングなどを行うことによって皮膚のトラブルは回避できます。
しかし、ドンスコイは余分な皮脂が溜まってしまい皮膚の病気になってしまうことがあります。
特にシワになっている部分は皮脂が溜まりやすいので、皮膚トラブルを起こす可能性が高いです。
ドンスコイは水を怖がらない個体が多いことから、できるだけ頻繁にシャンプーをしてあげることが必要です。
もし水を怖がるようであれば、シャンプーシートなどを使用して清潔を保つように心がけましょう。
被毛がないことで起こるトラブルとして、皮脂の他に紫外線への対策があります。
基本的に部屋から出ない場合はあまり問題にはなりませんが、窓が空いている時に日向ぼっこをしていたりベランダに出る場合は紫外線の標的になります。
対策としては服を着せることが良いですが、もし嫌がるようであれば紫外線に晒されてしまうので日光に出さない配慮が求められます。
白猫に関しても紫外線が大敵となりますが、ガラス越しであれば紫外線の多くはカットされるために、少しねこには我慢してもらう必要があります。
被毛がないことで心配になることは、寒さや暑さに弱いという点です。
ねこは毛繕いを行って被毛を湿らせ、その気加熱で体を冷ます行動を見せますが、被毛のないドンスコイはそれができません。
部屋の中を年中暑すぎず寒すぎずを保ちましょう。
エアコンは常につけっぱなしの方が電気代が安く済むので行っている方も多いかもしれませんが、問題は寒さ対策です。
石油ストーブなどを使用している場合は、留守中に火災の恐れがあるためあまりつけっぱなしはお勧めできません。
ヒーターなど、寒い時に暖まれる環境をつくるように心がけましょう。
被毛がない猫種として、認知度はスフィンクスに劣りますがその性格やちょっとした特徴から確固たる人気を確立させつつあります。
たくさん接することが好きなドンスコイは一緒に暮らした際に間違いなく良い思い出をもたらしてくれるでしょう。
気になった方は、一緒に暮らすことも考えても良いかもしれませんね。