ねこの首輪にはさまざまな種類、さまざまなデザインがあります。
かわいいもの、かっこいいもの、鈴やビジューがついたもの・・・・・・しかし、人間が見て素敵な首輪でも、ねこにとってはストレスになってしまうこともあります。
今回の記事では、首輪のメリットやデメリット、選び方や付け方についてご紹介します。
ねこのストレスフリーな首輪ライフのためにお役立てください。
「うちのねこはずっと家にいるから、首輪は必要ない」と思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、完全室内飼いのねこにとっても、首輪にはさまざまなメリットがあります。
首輪の最も大きなメリットは、「迷子になったときの身元確認になる」という点でしょう。
「マイクロチップを入れているから大丈夫」と思われるかもしれませんが、マイクロチップの認知度はまだそれほど高くありません。
ねこを保護した人が一目でねこの飼い主や連絡先が分かるよう、迷子札付きの首輪をつけておくことで、愛猫が自分の元へ帰ってくる確率が高まります。
ねこが迷子になってしまった場合、他の人にはそのねこが飼いねこなのか、野良猫なのか区別がつきません。
しかし、首輪をしていれば飼いねこであることが分かるため、保護してもらいやすくなります。
首輪をつけて体に何かが着いている状態に慣れていれば、エリザベスカラーやハーネスなど、他のものも抵抗が少なく着用しやすくなります。
治療や避難の際などに役立ってくれるでしょう。
やはり「かわいいねこがよりかわいくなる」というメリットを見逃すことはできないでしょう。
毛色に合わせたり、多頭飼いの場合はお揃いにしたり……そのかわいい姿を愛でたり、写真に撮ったりすることもねこ飼いさんの楽しみのひとつです。
続いて、首輪をつけることのデメリットについて解説します。
ねこにとって、余計なものが体にくっついているというのはストレスになります。
特に首輪が硬かったり、きつかったりした場合は不快なだけではなく、苦痛をもたらすこともあります。
首輪をつけているがゆえの事故が起こる場合もあります。
例えば木登りをした際、首輪が木に引っかかり宙づりになってしまった、口や足が首輪に引っかかってしまい、身動きが取れないということも起こりえます。
最悪の場合、窒息して亡くなってしまうこともありますので注意が必要です。
首輪をしていると、その部分の毛や皮膚がすり切れて皮膚炎になってしまう場合もあります。
首輪の素材による刺激や、首輪の下で繁殖する雑菌も皮膚炎の原因になります。
ねこの首輪は鈴付きが定番です。江戸時代の浮世絵にも鈴をつけた猫が登場するほどです。
しかし、鈴のついた首輪はねこにとって良いものなのでしょうか。
そのメリットとデメリット、鈴を選ぶ際の注意点についてご紹介します。
ねこに鈴をつけるメリットとしては、「どこにいるのか分かりやすい」という点が挙げられます。
ねこは狭いところに隠れるのが好きな動物です。
そのためどこにいるのか分からなくなってしまうことが多々あります。
鈴をつけていれば、その鈴の音からねこがどこにいるのかを知ることができるのです。
また、多頭飼いをしていて力関係にはっきりした差がある場合、強いねこの方に鈴をつけると、弱いねこは強いねこの居場所が分かり対応がしやすいというメリットもあります。
鈴をつけるデメリットとして最も大きいのは、「ねこのストレスになる」という点です。
ねこはとても耳が良い動物であるため、常に顔の近くで鈴が鳴っているとストレスになるといわれています。
しかし、普段から聞いている音は慣れてしまいますので、特に気にしないねこもいるようです。
首輪に鈴をつけるときには、ねこが嫌がらない音のものを選びましょう。
ねこによって音の好き嫌いはさまざまですので、いくつか試してみる必要があります。
ねこ用の鈴が別売りされていることもありますので、それを購入して首輪につけるようにすると、ねこが気に入らなかった場合でも首輪の方は使えるので無駄になりません。
首輪はねこのためにつけるものですから、ねこが快適につけられることが一番です。
ねこにとってストレスフリーな首輪を選ぶために気をつけるべきポイントについて解説します。
初めて首輪をつけるねこは、特につけていることを感じさせないような柔らかくて軽い首輪を選ぶ必要があります。
犬の首輪は固くて重いことがありますので、必ずねこ用のものにしましょう。
リボンやビジューがついている首輪はゴージャスでかわいいのですが、その分重くなったり、邪魔になったりしてねこのストレスになる恐れがあります。
まずは飾りのない首輪をつけ、慣れてきたら飾りつきのものも試してみるというようにするとねこの負担を軽くできます。
先ほどご紹介した通り、首輪は木やねこの体に引っかかり、思わぬ事故を引き起こすことがあります。
そのような事故を防止するためには、力が加わると外れるセーフティーバックルがついた首輪を選ぶと良いでしょう。
首輪全体、もしくは一部がゴムになっているものも、首や体をしめつける心配が少ないのでおすすめです。
首輪がきつすぎるとストレスや皮膚病の原因に、緩すぎると引っかかり事故や紛失につながります。
首輪はねこの体形に合ったものを選びましょう。
首輪をつけたとき、首と首輪の間に指を入れてみてください。
指が1~2本入る程度が理想的なサイズです。
特に長毛種のねこは見た目だけではフィットしているか分からないので、必ず指で確認しましょう。
ねこにとってストレスフリーな首輪を選んでも、慣れていないうちはつけるのを嫌がることがあるかもしれません。
その場合はどうすれば良いのでしょうか。いくつかの対処法をご紹介します。
初めて首輪をつけるときは、まず短時間から慣らしてみましょう。
最初は30分程度にとどめ、時間を置いて今度は少し長めにつけます。
それを繰り返し、だんだんつける時間を長くしていくと、ねこも首輪に慣れてくれます。
ねこも人間と同じく、楽しいことがあると少しくらい嫌なことは忘れられます。
首輪をつけているときに、遊んであげたり、おやつをあげたりして気をそらすのも良い方法です。
首輪を嫌がっているねこは、以下のような行動を取ります。
嫌がっているのに無理につけているとストレスになり、「首輪=嫌なもの」というイメージが固まってしまいます。
その場合は首輪をはずし、遊びやおやつなどで気持ちを落ち着けさせると良いでしょう。
首輪をつけたらつけっぱなしでは、ねこの体に良くありません。
こまめにチェックして、首輪のサイズがねこに合っているか確かめましょう。
特に子ねこはすぐに成長するため、気づいたら首輪がきつくなっていることが多いので注意が必要です。
また、首輪が不潔だと皮膚病になりやすくなります。
首輪はまめに取り換えたり、洗ったりして常に清潔な状態を保ちましょう。
首輪が壊れている場合、事故やケガの原因になりますので、すぐに新しいものに交換しましょう。
ねこの首輪についてご紹介しました。
室内飼いのねこには首輪はいらない、と思われるかもしれませんが、迷子になった場合や治療や避難の際、首輪に慣れていることが、ねこの命を守るのに役立ちます。
ストレスや事故、皮膚病の原因になることもありますが、飼い主の工夫次第でそのようなリスクは軽減できます。
ねこにとって最適な首輪を選び、しっかりケアをして、あなたの愛猫に、ストレスフリーな首輪ライフを過ごさせてあげてください。