世界にはヤマネコと家猫のハイブリッドである猫種はいくつか存在します。
今回紹介するチャウシーもその一つです。
ジャングルキャットと家猫との交配によって生まれたチャウシーは、体も大きくヤマネコの血を濃く受け継いでいます。
現在ロシアでは大変人気のあるチャウシーはいったいどんなねこなのかをご紹介していきます。
チャウシーは野生的な外見はもちろんのこと、体もメインクーンほどではないにしても大きく、興味を持つ人も数多いらっしゃいます。
そんなチャウシーは、どのようにして生まれたのでしょうか。
猫種としてはヤマネコと家猫のハイブリッドは少ないため、実際にはどんなねこなのかも気になるところです。
それでは、まずはチャウシーがどのようなねこなのかを見ていきましょう。
チャウシーの特徴はベトナムに住むジャングルキャットというヤマネコがベースになっています。
このようにヤマネコと家猫のハイブリッドを生み出す動きは、1960年代に始まった野生動物と一緒に暮らしたいという動きにはじまります。
そんな流れの中、実際にチャウシーが生まれたのは1990年代のことです。
初めてチャウシーの誕生に成功した後は、計画的に繁殖を行うグループ「チャウシー」が設立され、着実に数を増やしていきました。
1995年にはTICAに登録され、現在はWCFに猫種として認められるように申請を出すなど、これからさらに猫種としての地位を確立していくと言えます。
チャウシーという名前の由来は、古来に使用されていたラテン語が元になっています。
「フェリス・チャウス」というのがジャングルキャットのラテン語における名前であり、ここから命名されました。
ちなみに、祖先となっているジャングルキャットのジャングルという名前は現在も継承されており、ピクシーボブとチャウシーの交配によって生まれたねこをジャングルボブ、アメリカンカールの場合はジャングルカールといった具合に、いまだにジャングルという名前が使用されているのです。
これらの交配によって生まれたねこはまだ猫種として登録されているわけではありませんが、現在もチャウシーの中にジャングルキャットが色濃く残っている証拠です。
チャウシーが世界のキャットショーに出るためには、ジャングルキャットと家猫の子供を1代目として数えて、4代目以降であることが義務付けられています。
なぜ4代目以降でなければいけないかという理由は、ジャングルキャットの遺伝子が残り過ぎてしまい噛み癖があるからとのことです。
ねこはよく甘噛みをしてきますが、本気でかじられた場合は小さなねこでも怪我をしてしまうケースがあります。
チャウシーのように大きなねこに噛まれると危険なことから、この規定ができました。
日本ではまだ少ないチャウシーですが、ロシアでは人気が急上昇中の猫種です。
そのため、世界で人気が出るのも時間の問題であり、日本でも普及してくる可能性は十分にあります。
そんなチャウシーと暮らしたいと思った際には、どんな注意点があるのかを知ることは重要なことです。
四代目以降でなければキャットショーに出られないというねこと一緒に暮らすことは可能なのかという心配もありますね。
大切なのは信頼関係を構築することです。
そこで、チャウシーと暮らす際に注意したいポイントをご紹介していきます。
チャウシーの性格はとにかく遊ぶことが大好きです。
成猫になっても遊びが衰えないため、生粋の運動好きであると言えます。
さらに、人間とコミュニケーションを取ることが好きで孤独を嫌う傾向にあります。
賢いためしつけもさほど必要なく、重要なのはたくさん触れ合って信頼関係を構築することです。
鳴き声は小さいため、運動面をクリアできれば集合住宅などで暮らすには向いているねこであるとも言えます。
チャウシーは持って生まれたその筋肉と大きな体から、たくさん遊ぶことが必要なねこです。
遊ぶには広い場所が必要であり、場合によってはリードをつけて外で遊んでいる方もいらっしゃるほどです。
ちょっとした小型犬よりも大きな体を持っており、身体能力は高いため家の中では満足できない個体もいるため、外で遊ぶことも考えなければいけません。
また、キャットタワーを用意して上下運動を行うことも運動量が増えるのでお勧めですが、対応している重さには注意してください。
体が大きいことに加え、筋肉量も多いことからチャウシーは体が重いのです。
また、飛び上がる際など発生する力も大きいため、ある程度しっかりした作りのキャットタワーを準備する必要があります。
コミュニケーションを取るのが好きなチャウシーは留守番が苦手です。
留守番することでストレスを溜め込んでしまうこともあるため、極力1人にさせないように注意しましょう。
また、コミュニケーションを取ることで仲良くなれるので、話しかけたり撫でたりすることで信頼関係を構築できます。
賢いねこというだけあって、ある程度人間の言葉が理解できることと場合によっては返答してくれるため、本当にしゃべっている感覚になれるねこです。
賢いねこはコミュニケーション次第で信頼関係が大きく変わるので、なるべく留守番させないことと話しかけたり撫でたりすることを頻繁に行ってください。
チャウシーと暮らす際には、その健康も見ることが人間の役目です。
さらに、人間と同様に病気の原因は日常の生活が左右しますので、病気対策は日々の生活が大きく関わってきます。
そこで、どのような病気に注意し、その予防のためにはどのような生活を送れば良いのかをご紹介していきます。
チャウシーは日本では数少ない猫種であり、ヤマネコの血が混じっていることもあるので万が一異変を発見した際に連れて行ける動物病院を探しておくのも良いです。
ワクチンや定期検診などを通して定期的に通える動物病院があると、病気の際には話も進みやすいためお勧めです。
チャウシーと暮らすにあたって最も注意したいことはストレスです。
運動が大好きなチャウシーですが、家の中ではなかなか十分に体を動かすことができずにストレスを溜めてしまいがちです。
もちろん、人間が工夫して運動することで室内でストレスを発散することは可能ですが、遊びを怠ってしまうとすぐにストレスが溜まってしまいます。
ねこはストレスによって様々な異変が体に現れてしまいます。
場合によっては病気に発展するケースもあるため、ストレスは侮れない事案なのです。
欠かさず遊ぶことはもちろんですが留守番によってストレスを溜めてしまいがちなので、ストレスを溜めさせない生活を送りましょう。
肥満はねこにとっても万病の元となります。
内臓疾患が起こることはもちろんですが、ただでさえ体の大きなチャウシーが肥満になってしまうと、関節への負担が起こり運動に支障が出てしまいます。
自由に動けないことがストレスになるケースもあるため、肥満は絶対に避けたい現象なのです。
また、筋肉量の多いチャウシーが運動を怠ってしまうと筋肉量が落ち、さらに室内で生活することによって消費カロリーが減ってしまいます。
元々は1日20分運動すれば肥満にはならなかった場合でも、筋肉が落ちてしまうと30分運動しても肥満になってしまいます。
大切なことは、早いうちから肥満を意識して運動量を増やすことと、日頃から体重を気にすることです。
ヤマネコの遺伝子が濃く残るため体が大きく、それでいて遊び好きでコミュニケーションが好きなチャウシーの魅力は、他のねことは違った魅力があります。
今後さらに世界に広まっていったり、ジャングルボブやジャングルカールといった派生した猫種が人気が出る可能性のある魅力溢れる猫種です。
今すぐに一緒に暮らそうと思うと探す苦労がかかるとは思いますが、気になった方はさらにチャウシーに注目してみるのも良いかもしれませんね。