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ねこの習性
ねこと犬、比べてみるとこんなに違う!

ねこと犬、比べてみるとこんなに違う!

ペットの代表選手といえばねこと犬。ねこも犬も大切な家族として生活にうるおいを与えてくれる存在です。

しかし、同じペットであり動物でありながら、ねこと犬には違う点もたくさんあります。今回の記事では、ねこと犬の歴史や体、性質などさまざまな面から比べていきます。

 

目次

1.ねこと犬の歴史
∟1-1.ねこと犬、はじめは同じ動物だった?
∟1-2.人間と暮らすようになったのはいつ?
∟1-3.ねこと犬の品種の違い
2.ねこと犬の体の違い
∟2-1.ねこは三次元、犬は二次元
∟2-2.ねこは待つ、犬は追う
∟2-3.ねこは肉食、犬は雑食
3.ねこと犬の性格・行動の違い
∟3-1.ねこは内向的、犬は外交的
∟3-2.ねこは無口、犬はおしゃべり
∟3-3.しつけはどっちが大変?
まとめ

 

1.ねこと犬の歴史

今はごく当たり前に私たちと一緒にいるねこと犬ですが、いったいどのような進化を遂げ、人と生活を共にするようになったのでしょうか。まずはねこと犬の歴史を簡単にご紹介しましょう。


 

1-1.ねこと犬、はじめは同じ動物だった?

ねこと犬のご先祖様は同じ動物です。その動物は「ミアキス」といい、6,500~4,800万年前に北米やヨーロッパに生息していました。体調は30㎝、長い鼻先と尾を持つスリムな体つきで、現代の動物でいうとイタチに似ています。

※参考画像 イタチ  ミアキスはこのような体型をしていたと考えられています。

ミアキスは森林の中で爬虫類や鳥の卵を食べて生活していましたが、生存競争が激しくなったことから、平原に移るグループが現れました。

広い平原では身を隠す場所がなく、獲物を追って捕らえる必要があります。そのため平原グループのミアキスは群れを作り、リーダーの号令の下で狩りをする主従関係が生まれました。

また、体にも変化が見られ、長時間走れる強い筋力やコミュニケーションを取るための吠え声を身につけました。これが犬の始まりです。

一方、森林に残ったグループは、木々の中で身を隠し、獲物を待ち伏せして捕らえることができるよう、体はよりしなやかに、爪はより鋭く発達しました。これがねこの始まりです。


 

1-2.人間と暮らすようになったのはいつ?

犬家畜化の時期や過程については諸説ありますが、約3万3,000年前から中東もしくは東南アジアで家畜化が始まり、1万5,000年前には完全に家畜化された「犬」となって世界に広まったという説が有力です。犬は群れを作る動物のため人にもなじみやすく、狩りや夜の見張りの際に心強い味方になってくれました。縄文時代の遺跡からも埋葬された犬の骨が見つかるなど、犬を大切なパートナーとして扱っていたことが分かります。

犬と比べるとねこの家畜化の歴史は浅く、5,000~1万年前と考えられています。獲物となるネズミが多く、雨風がしのげる穀物蔵に集まったねこを、人がねずみ取りのために飼いだしたのが家畜化の始まりであるようです。


 

1-3.ねこと犬の品種の違い

犬とねこでふしぎな点といえば、品種による体の大きさの差です。犬の場合、重い犬種として知られるマスティフ(体重約100㎏)と小さく軽いチワワ(体重約2kg)では、なんと50倍もの差があります。

それに対し、ねこは最も重いとされているメインクーン(体重約7㎏)と、小型ねことして有名なシンガプーラ(体重約2.5㎏)で、3倍程度の差しかありません。

これは人とねこ、犬との関わりの違いによる品種改良の差によるものと考えられています。

狩猟の相棒として人と共に暮らすようになった犬は、文明が発達するにつれて、人の生活に役立つように改良されていきました。たとえば穴の中に住むウサギやキツネを狩るためには足の短いダックスフンド、カモ狩りには泳ぐのが得意で水の上に落ちた獲物を傷つけずに持って帰れるレトリーバーというように、さまざまな用途にあった品種が人の手によって作り出されてきたのです。

しかし、ねこはネズミ捕りもしくはペットとして人に飼われており、犬ほどさまざまな役割を果たすことはありません。ペット用に美しく改良されることはあっても、体の大きさまで変える必要はないため、犬のようにさまざまな大きさに品種改良されることがなかったのでしょう。

 

2.ねこと犬の体の違い

先ほどご紹介した通り、ねこは森林の木の上で獲物を待ち伏せして捕らえていた動物です。逆に、犬は平原で群れになって獲物を追いかけて捕まえる動物です。この狩りの仕方の違いは、ねこと犬の体の違いとも見ることができます。

それでは、ねこと犬の体の違いとして主なものをご紹介しましょう。


 

2-1.ねこは三次元、犬は二次元

森林で暮らしていたねこは、木登りが大得意です。ジャンプ力やバランス能力に優れており、三次元で行動することが可能です。ねこを飼う時には、キャットタワーやキャットウォークなど高所に登れるものを準備してあげましょう。

それに対し、平原で暮らしていた犬は走ることが得意である反面、木登りはできなくなりました。あまりに高低差のあるところは、のぼったり飛び降りたりする際に足をけがする恐れがあるため注意しなくてはなりません。また、活発に動くため、広めのスペースを用意してあげることも必要です。


 

2-2.ねこは待つ、犬は追う

ねこは待つ、犬は追うという狩りのスタイルの違いから、ねこと犬の体には以下のような違いがあります。

【1】骨格と筋肉

狩りの方法が違うため、ねこと犬は骨格や筋肉のつくりが大きく異なります。

ねこは肩甲骨が首の後ろにあるため、足の動きによって自由に動かすことができます。また、瞬発性に富む筋肉が発達しており、素早く動けます。

この骨格と筋肉の動きにより、ねこは獲物に飛びかかり、前足でしっかりと押さえて捕らえるといった狩りが可能です。

一方、犬の肩甲骨は筋肉で体の側面につながっており、体重を支えやすく、前足を前方向に出しやすくなっています。筋肉は持久力に優れ、長時間走ることが可能です。

こうした骨格と筋肉により、犬は獲物が疲れるまで走って追いかけることができます。

獲物を追い詰めたら噛みついて捕らえます。犬の前足は走ることに特化しており、ねこのように柔軟性に富んだ動きはできないためです。

【2】爪

ねこの爪の一番の特徴といえば、出し入れができるという点でしょう。

ねこの爪は木登りや獲物を捕らえるために使われることから、常に鋭くとがっていなければなりません。爪が出たままだとすり減ってしまうため、必要な時以外はしまえるようになっているのです。

また、爪をしまうことで足音をなくし、静かに獲物に忍び寄れるというメリットもあります。

それに対し、犬の爪は走る時の滑り止めになります。人がスパイクを履いてスポーツをしたり、雪道を歩いたりするのと同じです。犬は獲物を捕まえるために頻繁に走りますので、爪をしまう必要はありません。そのため、犬の爪はねことは違い、常に出たままです。

【3】体臭

ねこは体臭がほとんどありません。待ち伏せによって獲物を捕まえるねこにとって、体臭は邪魔なものであるためです。臭いによって「ここにねこがいる」ということを獲物に知られては狩ができません。そのためねこはこまめにグルーミングをして体臭を消しています。

一方、獲物を追いかけて捕らえる犬は、体臭があっても狩りに支障はありません。逆に、体臭は集団行動の中でコミュニケーションを取るために役立ちます。そのため、犬の体臭はねこに比べるとかなり強めです。


 

2-3.ねこは肉食、犬は雑食

犬・ねこは両方とも肉食動物ですが、犬はどちらかというと雑食寄りです。古代より人と共に暮らし、人が与えたものを食べていたためです。

犬の腸は祖先であるオオカミの5倍以上長く、でんぷんの消化酵素であるアミラーゼもオオカミより多く持っています。そのため、犬は摂取した炭水化物を100%消化することができます。

それではねこはどうでしょうか。パンやうどんを食べるねこも多いですが、基本的には肉食動物です。

ねこの炭水化物の消化吸収能力は犬の半分以下しかありません。そのため、ねこに白ご飯やドッグフードばかりあげていると消化器官に異常をきたすおそれがあります。

ねこと犬の食性の違いは歯の数からも読み取れます。ねこの歯は30本しかなく、平たい歯はありません。一応臼歯はありますが鋭くとがっており、飲み込める大きさに肉を切り裂くために使われます。

犬の歯は42本あり、人間と同じような形をした臼歯(後臼歯)が上あごに左右2本ずつ、下あごに左右3本ずつ、計10本もあります。この臼歯により、犬は穀物や植物をすりつぶして食べることができるのです。

 

3.ねこと犬の性格・行動の違い

ねこは単独行動、犬は集団行動をする動物です。その行動の違いは、そのまま性格の違いにもなっています。ねこと犬の性格や行動には、どのような特徴があるのでしょうか。以下にご紹介します。

※性格には個体差があります。これからご紹介する特徴が必ず当てはまるとは限りません。


 

3-1.ねこは内向的、犬は外交的

いつもは我が物顔で家の中を歩き回っているのに、お客さんが来たとたんどこかに隠れていなくなってしまった……ねこに良く見られる行動です。

単独行動をするねこは基本的に内向的です。子ねこの頃からたくさんの人に接していない限り、飼い主以外に心を許すことはあまりありません。また、飼い主に対しても構われ過ぎを嫌がることも多く、ちょっと寂しいと感じることもあるかもしれません。

一方、集団行動をする犬は社交的で、初めて会う人にも大歓迎で飛びついていくことが多いです。

また、特に人に対してフレンドリーなのは、長く人類と接しているため、人と関わることで安全や快適を得られるという本能を備えているからかもしれません。

しかし、その分寂しがり屋で、放っておくといたずらやおそそうなどの問題行動を起こす犬も多いので注意が必要です。

 


3-2.ねこは無口、犬はおしゃべり

犬は良く吠える動物です。アパートや集合住宅では、飼い犬の鳴き声がご近所のトラブルになることも多いようです。

群れで行動する犬にとって、鳴き声は重要なコミュニケーションの手段です。仲間を見ると明るい高い声で吠えたり、寂しいとクーンと鼻で鳴いたりと、声で感情を伝えます。

一方、単独行動をするねこは、鳴き声で相手とコミュニケーションを取ることはあまりありません。ケンカの時の威嚇か発情のアピール、母ねこが子ねこを呼ぶ時くらいです。

しかし、人に飼われているねこの中には、良く鳴くおしゃべりなねこもいます。実は、これは「対人専用」のコミュニケーション手段なのです。ねこはマイペースなようでいて、意外と人の生活に歩み寄ってくれているのですね。


 

3-3.しつけはどっちが大変?

しつけが簡単なのはなんといっても犬です。犬は主従関係を重視するため、リーダーである飼い主に従うことに喜びを覚えます。相手の意図を理解しようとする意欲や能力にも長けているので、しつけが通りやすい動物です。

それに対し、ねこは単独行動をする動物で、誰かに従うという性質はありません。そのため、犬と比べるとしつけはやや大変です。

しかし、ねこは優れた感覚で人の考えや感情を読み取ることができます。根気良くトレーニングをすればちゃんと覚えてくれるでしょう。

また、トイレのしつけはねこの方が簡単です。ねこはもともと同じ場所に用を足す習性があるためです。

 

まとめ

気まぐれで人見知りなねこと、忠実でフレンドリーな犬。同じ先祖を持つねこと犬ですが、生息場所や人との関わりにより、体も性格も正反対ともいえるほど大きな違いがあります。でも、どちらも古くから人と暮らしてきた、大切な友だちであり家族です。

一緒にハッピーな暮らしができるよう、ねこや犬を飼う時には、その体や性質の特徴を知り、それに合った環境を整えてあげましょう。



   
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