高齢になってねこを飼ったか、病気になったか、それとも予期せぬ事故やアクシデントに見舞われない限り、飼い主は人より寿命の短いねこの最期をみとることになるでしょう。
家族の一員として一緒に暮らしてきたねこが、旅立って行ったときに考えなければならないのは、ねこの供養のあり方です。
愛猫が元気な今こそ、その日のためにねこのお墓についてどうするのかということは真剣に考えておくべきでしょう。
一昔前までは、愛するペットが旅立ってしまった後は亡がらを手厚く葬ることはあまりありませんでした。
しかし、時代の流れとともにペットも家族の一員であると言う考え方が浸透しました。
今では、ペットが亡くなったときには、ペットの死を人の死と同じようにとらえています。
そのため、葬儀を済ませて、ペットのお墓まで建ててしまうことが一般的になりつつあります。
ねこのお墓事情も同じ流れです。
ただ、飼い主が戸建ての住宅で暮らしているか、マンションなどの集合住宅で暮らしているかによって、ねこのお墓のあり方もそれぞれに違いが見られます。
ペット埋葬については、墓地、埋葬等に関する法律で禁止されていません。
また、他にペットの埋葬を規制する法律もありません。
飼い猫が亡くなったときに、私有地に埋葬するか、他人の所有する土地でも所有者の許可を得れば、そこに亡骸の埋葬を行いお墓とすることが可能です。
人とペットが同じお墓に入ることは、墓地、埋葬等に関する法律では禁止されていません。
ただし、人のお墓にペットの遺骨を埋葬するのが前提です。
逆にお墓と認められていないペット専有のお墓に、人の遺骨を埋葬することはできないことになっています。
ペットとして、飼っていたねこが亡くなったときの供養には、次のような方法があります。
1つ目は、ねこだけの供養のためのお墓になります。
2つ目は、人とねこと一緒に供養するためのお墓です。
昔から行われてきた供養のやり方です。
これは、庭など自分の所有する私有地にねこの亡骸を埋葬してお墓をとして管理する方法です。
しかし、他人の土地や公共の土地に無断で埋葬することは違法となるので止めましょう。
ねこの葬式や火葬を行ってもらった後で、霊園内にあるお墓や納骨堂に埋葬してもらう方法です。
火葬の他に納骨や永代供養がセットになっている霊園もあります。
ねこの供養としては、最も一般的な方法です。
火葬したねこの遺骨を、埋葬せずに手元に置いて供養するやり方です。
この方法は私有地のないアパートやマンションで暮らしている飼い主が一般的に取り入れている方法です。
散骨は、ねこの遺骨をこなごなに砕いた後で、骨を海や川、山にまくと言う供養のやり方です。
ただ、遺骨を砕いてパウダー状にした後、海や川などに散布するのは簡単ではありません。
トラブルの原因にもなりますから専門の業者に任せましょう。
ペットブームの到来とともに、ねこにも人と同じお墓に入れてやりたいと考える飼い主が増えてきました。
それは、お寺が管理するお墓や納骨堂に、ねこの遺骨も一緒に埋葬するとか、納骨して供養してもらうという方法ですが人気も高まっています。
新しい供養のやり方でしょう。
樹木葬も、お寺でのペットの遺骨の埋葬や納骨ができるのと同じようにねこが亡くなった後で火葬して、人の遺骨の眠る樹木や草の下へねこの遺骨を埋葬する方法です。
ペットのお墓については、ペットの飼い主にとっては当たり前の供養のあり方です。
ペットの飼い主でない人にとっては、まだまだ十分に認知されているとは言えない状況です。
例えば、飼い主が私有地にペットの亡骸や遺骨を埋めることに対しても、隣近所の住民が嫌悪感を持つと言うことも少なくありません。
また、お寺でのペットの遺骨の埋葬や納骨堂に人と一緒に納骨し供養することに抵抗を感じている人も多くいます。
ペットの亡骸や遺骨の埋葬を思わしく思っていない理由は次のようなものです。
飼い猫であれ、飼い犬であれペットの亡骸や遺骨を私有地に埋葬し供養することは決して違法ではありません。
しかし、隣近所の住民であれば、埋葬後の臭いが気になったり、お墓の中に浸透して行った水の行方も気になるのは当然でしょう。
また、野良猫や野良犬と言った動物がお墓を掘り起こす心配も拭い去れません。
私有地にお墓を作ることは、飼い主の独断では決められない問題でしょう。
仏教界では、ねこや犬は畜生といわれており、お寺でのペットの遺骨の埋葬や納骨にも嫌悪感を持つ檀家も少なくありません。
中には、お寺の墓地にペットの遺骨を埋葬に強い抵抗を覚えるとか、納骨堂に遺骨を納めることには強く反対を唱える檀家もいます。
これも、お寺の中にペットのお墓をもうけるときの無視できない問題でしょう。
亡くなったねこの供養を考えた場合によりよい方法は手元供養かもしれません。
手元供養なら、亡くなった愛猫の供養を毎日、行うことができますし他人に迷惑をかけることもないので安心です。
ただ、永代という訳にはいきません。飼い主が亡くなれば、家族や遺族に余計な負担をかけることになります。
また、亡くなったねこの遺骨に毎日、触れることにより亡くなった悲しみをいつまでも引きずる心配も否定できません。
ペットが亡くなった場合は、ペット霊園で葬式を済ませ、火葬後に遺骨を霊園のお墓に埋葬したり、納骨堂に遺骨を納めるなどして、長らく供養することができます。
ただ、霊園は一つの事業所ですから供養が永代にわたって続けられるという保証はありません。
また、埋葬や納骨にも少なからず費用が発生することも覚悟しなければなりません。
ねこの供養のためにどんなお墓を選べばいいのか正直、迷ってしまいそうです。
これが、ねこのお墓として最善だと言うものは、お墓の選択肢が多すぎてなかなか選ぶのは難しいでしょう。
飼い主がねこを飼っていた環境の違いでも、お墓を選べる条件はずいぶんと違ったものになります。
例えば、戸建で私有地のある住宅と賃貸のアパート、マンションではお墓を作る基準に相当な違いがあります。
もしも、飼い主の住まいの条件が、戸建てで庭付きの住宅であると言う前提で考えるなら、亡くなった愛猫の遺骨を手元に置いて供養することをおすすめします。
そして、しばらくは手元供養しながら愛猫の弔いをするのがいいでしょう。
そして、愛猫との別れの決心がついたなら、遺骨を住宅の近くに埋葬してお墓とするのが一番のいい方法かもしれません。
私は、これまで愛猫との悲しい別れをしてきましたが、猫の遺骨を花壇に埋葬してお墓としています。
そして、毎年、花壇には四季の花々を植えて愛猫の供養をしています。
愛猫との別れは本当に辛いものです。
しかし、その別れはいつ、突然に訪れるかもしれません。
その日が訪れたときに、飼い主さんは何をすればよいのか。
供養はどのようにすればよいかについて、あらかじめ考えておくことは大切なことです。
ねこのお墓を建てて、亡くなった愛猫を心から供養しようと思うのは、飼い主さんの愛猫に対する心からの愛情の表れでしょう。