ねこの語源は「寝子」といわれるくらい、とにかく寝ることが大好きです。
元々肉食動物であるねこは、食事をしたら眠ってエネルギーを蓄えながら生活しています。
大人のねこは1日15~16時間、子ねこは1日20時間を寝て過ごしますが、そのうち熟睡するのは4時間程度で、それ以外はうたた寝状態といわれています。
何かあったときにすぐに目を覚まして動き出せるようにしているのです。
ねこを飼っている人は、家の中にねこが安心して眠れる場所をぜひ作ってあげましょう。
本記事では、ねこが安心して眠れる場所やねこベッドの選び方について解説していきます。
大昔のねこは、木の洞穴や草の茂みの中で身体を丸めて寝ていました。
木の洞や茂みの中は四方を囲まれていて薄暗く、熱がこもりやすく暖かいことが理由です。
また、高い所は周囲を見渡すことができ、外敵にも見つかりにくくなります。
ねこがベッドとして選ぶ場所は、こうした大昔の習性からきているのです。
本来、ねこは夜行性(薄明薄暮性)ですが、飼い猫の場合は飼い主さんの生活パターンに合わせる場合もあります。
飼い主さんと一緒に明け方に寝ているねこもいますが、お腹が空いて飼い主さんを起こしに来ることもよくあります。
そのため、昼間にねこが寝ていても無理に起こさずにそっとしておいてあげましょう。
ねこや動物はお腹を隠して眠るため、寝る時は身体を丸めている姿を見たことがあるでしょう
眠っているねこの身体の丸まり方には、周りの気温が関係してるのです。
ねこの周囲が寒いときは丸まり方が強くなり、暑いときは丸まり方が弱くなります。
中には大の字になって、空気に触れる身体の面積を最大にしようとする猛者もいます。
ねこが大の字になって寝ているということは外敵がいないことを表わしています。
飼いねこなら飼い主さんや家の中の環境が気に入っているという証なのです。
また、ねこが手(前足)で目を隠しているときは眩しいと感じているため、部屋の照明を暗くしてあげましょう。
多頭飼いしているねこが重なり合って寝ているのは、子猫時代の名残です。
子猫は身体が冷えやすいため、兄弟や母猫と重なり合って温まることで体調を崩さないようにしています。
また、周りの気温が寒いときも他のねこと重なり合って寝ることを好みます。
お互いの身体をくっつけ合って寝ることでぽかぽかして、気持ち良く眠れるのです。
他のねこのぬくもりを感じることで安心しているともいわれています。
中には飼い主さんと一緒の枕で寝たがる飼いねこもいるようです。
飼いねこの場合、飼い主さんと一緒に寝るねこもいれば、1匹で寝るのが好きなねこなど寝場所は様々です。
ただ、基本的にはねこが落ち着いて眠れる専用の場所を用意してあげたいものです。
ねこは安心できて、暖かくて、人や他のねこに邪魔されずに眠れる場所を好む傾向にあります。
家の中や普段のねこの行動を観察して、ねこのベッドに丁度良い場所を探してあげましょう。
大昔のねこは、木の洞などの高い所で寝ていました。
そのため、キャットタワーの上にねこのベッドがある場合は、大昔の野生時代と近い状態で寝ることができ、本能的に安心して眠れるようです。
低い場所にねこベッドを置く場合は、周りに囲いがあると安心できます。
この場合は、多少大きい箱を使う方法も効果的です。
ねこにとって、季節ごとに体温調節ができることはとても重要です。
そのため、冬は日の当たる暖かい場所、夏は涼しい日陰にねこベッドを置いてあげると喜びます。
ねこベッドを複数用意して家の中のいろんな場所に置いてあげると、ねこがその日の気温や気分によってベッドを渡り歩くようになります。
家の中にねこお気に入りのスポットを沢山作ってあげましょう。
ねこを多頭飼いしている場合は、他のねこと重なり合って寝るのが好きなねこもいれば、1匹で寝た方が安心できるねこもいます。
家の中にケージや箱を追加してあげると、ねこが1匹で眠れる場所を確保できるようになるため効果的です。
特に子ねこのうちは夜中にどんな動きをするか予想できないため、心配な場合はケージに入れてあげるのも良いでしょう。
飼い主さんのベッドやソファーでもいいですが、できればねこ専用のベッドを用意してあげたいものです。
ここからは、ねこが気に入って寝てくれるベッドの選び方について解説していきます。
ねこは毛布などに顔や身体をくっつけて、ぬくもりを感じられるものと一緒に寝るのが大好きです。
ねこベッドの見た目のオシャレさやデザイン性は、ねこにとっては全く興味のないことです。
高価なものでなくても、段ボールに毛布を入れた手作りのものでもねこは大喜びで使ってくれるためぜひ試してみてください。
一時期、ねこが土鍋の中で丸まって眠る「ねこ鍋」が流行しました。
ねこが土鍋の中で眠ってしまう理由には、土鍋の大きさが関係しているのです。
ねこは鍋のような狭いものに入ると、自分の身体がすっぽり入るので安心して眠れます。
狭くて身体にぴったりであれば、丸くなる姿勢を保つのに力がかからないためです。
つまり、ねこのベッドはねこの身体に比べて大きすぎる物より、少し小さめの方が身体の密着度が高いので安心して眠れるということです。
そのため、段ボールの箱や洗面台の流しの中などでねこが寝ている姿を見ることができます。
また、押し入れの中やベッドの下など、狭くて薄暗い所で寝るのも大好きです。
狭くて薄暗い場所は、外敵から身を守れるため本能的に安心して眠れるのでしょう。
飼い主のベッドでよく寝ているねこには、ふかふかして温かい素材のベッドがおすすめです。
特に子猫は母ねこのお腹のようなふわふわと柔らかくて暖かい場所が大好きです。
ねこが気に入っている毛布やタオルなどがあれば、ねこベッドの素材として使ってあげてもいいでしょう。
冬になると、暖房機器のそばやこたつの中で寝るようになります。
ただ、暖房機器やこたつでねこが火傷をしないように飼い主さんが注意してあげることが必要です。
ねこのベッドは清潔に保ちつつ、自分や飼い主さんの匂いが付いていると安心して寝てくれます。
ねこは縄張り意識が強く、自分の匂いが付いていると安心します。
そのため、自分の匂いが付いたお気に入りの毛布などを箱の中に入れて手作りのベッドにすることも効果的です。
また、保護ねこの里親になるなどしてねこを引き取った場合は、引き取る前にいた場所で使っていたものや、その場所の匂いが付いた毛布やタオルがあると安心して寝ることができるので、用意してあげましょう。
ふかふかのベッドはねこにとっても安心できるものです。ねこにとって、家の中に安心して眠れる場所があることはとても重要です。
飼い主さんは、ねこが居心地良く眠れるねこベッドを用意してあげましょう。
ただ、せっかくねこ専用のベッドと用意してあげたのに飼い主さんの布団に入ってくることもあります。
その場合は、飼い主さんを信頼している証拠と捉えてそのまま寝かせてあげましょう。
また、ねこが寝ている姿はとても可愛いのでついつい声をかけたり身体を触ったりしたくなりますが、無理やり起こすことはストレスになるのでやめてあげましょう。