今、世界中でねこブームが沸き起こっています。
島で、街角で、遺跡や博物館で、自由気ままに過ごすねこの姿は、風景に素敵なアクセントです。
今回の記事では、特に有名なねこスポットを10ヶ所ご紹介します。
シャウエンは北アフリカ・モロッコ北部のリフ山脈の奥深くにある町です。
モロッコの首都カサブランカから国営バスで6時間半とアクセスは大変ですが、「おとぎの国」という表現がぴったりの、青一色に染められた建物が立ち並んでいます。
ファンタジックな青い町並みの中で暮らすねこたちは、人馴れしたのんびり屋さんが多く、そのくつろぐ姿に癒されます。
シャウエンのねこが穏やかなのは、シャウエンの人々がねこを大切にするから。
モロッコの国教であるイスラム教の創始者ムハンマドにならい、イスラム教徒にはねこ好きの人が多いといわれています。
地中海西部のバレアレス諸島を構成する静かな島、フォルメンテーラ島。
パーティーアイランドとも呼ばれ、クラブやバーが多く立ち並ぶイビサ島からフェリーに乗り、約30分程度でアクセスすることができます。
澄み切った青い海と白砂の美しいビーチが魅力的で、「地中海最後の楽園」とも呼ばれています。
そこには新鮮な魚を目当てに、たくさんのねこが暮らしています。
そのかわいい姿は、まさに楽園に舞い降りた天使のよう。砂浜や観光名所、町並みを歩いていると、どこかでねこに出会えるかもしれません。
イタリアの首都であり、政治経済、文化、宗教の中心であるローマ。
「永遠の都」とも呼ばれ、雄大な古代遺跡をそこかしこで見ることができます。
その旧市街中心にあり、当時世界最大級と謳われたポンペイウス劇場の一部でもある「トッレ・アルジェンティーナ広場」には、現在ボランティアによる野良ねこの保護センターがあります。
保護センターには約300匹のねこが暮らしており、新しい家族に出会える日を待っています。
保護センターは寄付やセンターで販売されるグッズの売り上げでまかなわれているそうです。
イタリアでは犬やねこの殺処分が禁止されています。
動物の命と自由を尊重するイタリアの人々によって、遥かな時を超えて価値を伝え続ける遺跡とともに、今を生きるねこたちは守られ続けているのです。
マルタはイタリアの南側、地中海の中央に位置する小さな島国です。
人口42万人の倍近く、70~80万匹のねこがいるといわれており、メディアでも話題のねこスポットとなっています。
温暖な気候と治安の良さ、島国ならではの大らかさに包まれたマルタ島で、たくさんのねこがのんびりと暮らしています。
カフェのベンチに飛び乗ったり、公園を悠々と歩いたり……そんなねこたちの世話をしているのは多数のボランティアさんたちです。
大昔、古代エジプト王朝の人々が魔よけのために持ち込んだマルタのねこたちは、今も心優しいマルタの人々に守られ、観光客を呼ぶ「招きねこ」として活躍しています。
東ヨーロッパのバルカン半島に位置する国クロアチアの南部ドゥブロブニクは、ジブリの名作「魔女の宅急便」の舞台とにもなったといわれている、オレンジ色を基調としたかわいい町並みが人気です。
旧市街は「アドリア海の真珠」とも呼ばれ、1979年には世界遺産にも登録されました。
迷路のように立ち並ぶ家々のあちらこちらに、自由気ままに過ごすねこの姿を見ることができます。
また、旧市街の東側にあるシティハーバーは釣り人が多く集まり、その傍らには、魚をねだるねこが寄り添っています。
人々の生活に寄り添うねこの姿は、異国の地でありながら、どこか日本の原風景を連想させます。
ハネムーンでも人気のリゾート地であるミコノス島。
青い海と純白の建物が織り成す鮮烈な美しさは、一度見たら忘れられないといわれています。
そんなミコノス島はねこの楽園としても知られています。澄み切ったエーゲ海と真っ白い壁を背景にたたずむかわいいねこの姿がフォトジェニックであると評判です。
メインストリートの路地裏に入ると、迷路のような町並みを楽しめます。
入り組んだ細い道はねこのパラダイス。我が物顔に歩くねこ、家の前でのんびり眠るねこ、どこにもかしこにもねこがいて、シャッターを押す指が止まりません。
エフェソス遺跡はトルコの首都イスタンブールから飛行機と車を乗り継いで2時間の場所にある、ヘレニズム~ローマ時代の都市遺跡です。
世界最大級ともいわれるダイナミックさと保存状態の良さから、トルコでも有数の観光地として人気を集めています。
そこで出会えるたくさんのねこたちは、ねこ好きのトルコ人にかわいがられて育っているためか人懐こい子が多いようです。
遺跡の上で悠々と寝転ぶねこの姿は、深い歴史に培われた荘厳さを持つ遺跡と、現代に生きる私たちを結び付けてくれているかのようです。
ヘミングウェイは「老人と海」、「白鯨」で有名なアメリカの小説家です。
ねこ好きの小説家としても知られており、友人の船長からもらったねこ「スノーボール」を飼っていました。
スノーボールは多指症で6本の指があり、ヘミングウェイは「幸運を呼ぶねこ」として大切にしていました。
彼が執筆活動をしていたキーウエストの家は、現在ヘミングウェイ博物館として親しまれています。
そこにはスノーボールの子孫である6本指のねこたちが悠々と暮らしており、ヘミングウェイの紡いできた物語を現在に伝えてくれているかのようです。
リゾート地として大人気のバリ島は、バリ・ヒンドゥー教が信仰されており、ねこは神様に近い存在として尊ばれています。
飾っておくと幸運が訪れるともいわれている木彫りのねこの置物「バリ猫」はお土産としても大人気です。
バリ島では野良犬が多いため、ねこと出会える機会はやや少なめです。
でも、寺院やレストランに行くと、ちょっぴりシャイなねこたちに会うことができます。
特にねこスポットとして知られているのが、世界遺産にもなった「タマン・アユン寺院」です。
バリで最も美しいといわれるこの寺院では、インドネシアの民族音楽「ガムラン」の響きの中、野良ねこたちがのんびりと日向ぼっこを楽しんでいるそうです。
猴硐(ホウトン)は台北から片道一時間で行ける小さな村です。
かつて炭鉱で栄えていた村で、ねずみ退治のために飼っていたねこが増え、ねこがいっぱいの村になりました。
ねこマニアがSNSやブログに写真をアップしたことから、ねこスポットとして注目を集め、今では「猫村」とも呼ばれ、世界からねこ好きが集まる聖地となっています。
村に立ち並ぶ商店には個性的なねこグッズがあふれ、村を歩けば人懐こいねこたちに出会える癒しのスポットです。
世界のねこスポット10選をご紹介しました。
美しい町並み、ひなびた田舎、古代遺跡……世界にはさまざまな魅惑のスポットがありますが、そこにねこがちょこんといるだけで、さらに暖かく、すてきな場所になります。
世界中にねこスポットはあり、そこにはねこを愛し、大切にする人たちが暮らしています。
ねこ好きの輪は、言葉や文化の壁を越え、世界中に広がっているのです。