体の一部に色がついており、全体的には白く、長毛種のバーマン(Birman)は神聖ささえ感じられるほど不思議な雰囲気を持ったねこです。
猫種としての歴史も古く、過去には神聖なねことして扱われていたこともあります。
そんなバーマンとは、一体どんなねこなのでしょうか。一緒に暮らす際の注意点などもあわせながらご紹介します。
猫種としてはかなり古くから存在しているバーマン。
また、古くから愛されてきたことから伝説まで残っているほどの神秘的なねこなのです。
そんなバーマンはどこで生まれ、どうやって世界に知れ渡ることになったのでしょうか。
まずは、バーマンの歴史と特徴についてご紹介していきます。
バーマンの繁殖が始まったのは、1920年頃のお話です。
出身地はミャンマーで、当時は寺院で暮らしていたバーマンを引き取ってフランスで育て始めたのが始まりです。
1925年に猫種として公認を受け、翌年の1926年に出演したキャットショーをきっかけとして、世界中に広まり人気を集めました。
ミャンマーの寺院で暮らしていたことからバーマンは神聖なものとして扱われており、さらには伝説まで残っている珍しいねこです。
聖猫と呼ばれている地域もあることから、バーマンが愛されていることがうかがえる猫種なのです。
バーマンにはこんな話が残っています。
昔、寺院に暮らしている白猫が住んで、その寺院には青い瞳を持つ金色の女神像が祀られていました。
その寺院には僧侶もいたのですが、ある日強盗が寺院に押し入ります。
強盗を見てショックを受けた僧侶は、発作を起こして倒れ込んで動けなくなってしまいます。
そんなとき、一緒に暮らしていた白猫が大きな音を出しました。
結果的に強盗は逃げることとなったのですが、僧侶は発作のため命を落としそうになります。
その僧侶の上に、白猫が乗ると目が青くなり、毛が金色になったと思ったその瞬間、白猫は女神に姿を変えたという逸話があります。
この話があるため、バーマンは神聖なねことして現在も大切にされているのです。
バーマンの特徴は、白くてフサフサした毛にポイントとして色がついている部分がることです。
足に色がついていることから、前足を「グローブ」、後ろ足を「レース」と呼んで親しまれています。
ポイントカラーの濃さに個体差はありますが、顔の周りと足先に色がついていることはバーマンの特徴でもあります。
また、目が透き通るような青であることも特徴的で、神秘的な瞳とも言われており、バーマンの魅力の一つです。
ちなみに、バーマンという名前の由来は、ミャンマーの以前の名前であるビルマからその名を名付けられていることから、地域を代表するねこであるとも言えます。
寺院で暮らしていたことと昔の伝説があることから、神聖なねことして愛されているバーマン。
その神秘的な存在に惹かれて一緒に住むことを決意した場合、どのようなことに注意して暮らせば良いのでしょうか。
ねこと良好な関係性を構築するためには、ねこの性格を知って好かれる行動をすることです。
そのため、バーマンと仲良くなるためには性格を知ることが第一となります。
もちろん、個体差があるため全てのバーマンに当てはまるわけではありませんが、猫種の傾向を知っておくとねこの本音に近づけるため、良好な関係性を構築しやすくなります。
では、バーマンの性格と注意点についてご紹介しましょう。
バーマンは筋肉質ではあるものの、穏やかな生活を好みます。
元々寺院で暮らしていた頃はネズミを捕るためにいたため狩猟本能はあるものの性格はのんびりしています。
さらには、人間に対して懐きやすく愛情深いともされており、喋りかけると鳴いて返事をしてくれるなどのコミュニケーションを取ることも可能です。
逆に言えば、あまりしつこい甘えは好きではないこともあり、人間がのんびりしていると近づいてきて甘えてくるというスタイルを好みます。
バーマンを構っている際には、ゆったりとした時間を心がけると関係性を近つけるのが早くなります。
バーマンと暮らす際に注意したいのが肥満です。
あまり活発ではないねこに共通して言えることですが、バーマンは標準体型もずんぐりしてるため肥満に気づきにくい傾向にあります。
ワクチンや定期検診に行った際に、獣医さんに体重の相談をしてみると、適正体重で過ごすことができます。
バーマンは放置しているとあまり体を動かさないため、肥満の危険性は高くなります。
ただし、過去にはネズミを捕ることが得意だったバーマンですので、人間が働きかけて遊ぶことによって運動を行うことができます。
1日に少しでも良いので、お気に入りのおもちゃで遊び、バーマンに運動してもらうように心がけましょう。
バーマンは長毛種ですので、毎日のブラッシングは必須です。
手入れしていれば撫でると病みつきになるような毛ですが、ブラッシングをサボってしまうとすぐにゴアゴアになってしまいます。
また、毛繕いによって毛を食べ過ぎてしまうことで起こる毛球症予防にも、ブラッシングは欠かせません。
さらに、毛が白いので気付きにくいですが、古い角質をブラッシングにて落とさなければいけませんが、それをサボってしまうと皮膚トラブルを起こす原因にもなります。
コミュニケーションの一環にもなりますので、人間による毛のケアは必須事項になることを忘れないでください。
ねこも生き物なので、病気にかかることがあります。
人間であれば少し休めば健康になることもありますが、ねこの病気は重大なことが多いため動物病院を受診しなければ健康になることは難しいです。
また、早期発見が命を助けることも多いため、日頃からねこの体調に異変がないかみる必要があります。
さらに、バーマンは生活習慣によって病気になることが多いこともあるので、人間が生活習慣も併せて気を使う必要があります。
それでは、バーマンがどのような病気にかかりやすいのかをご紹介していきます。
バーマンの特徴でもある鼻の低さですが、鼻の穴から鼻腔の距離が短いがために起こってしまう病気です。
原因は先天的なものもありますし、アレルギーなどによる後天的なものもあります。
注意していてもこの病気にかかることはあるため、苦しそうな様子が見られた場合には動物病院を受診しましょう。
ねこは基本的に鼻呼吸なため、鼻が詰まってしまうと苦しいのです。
さらには、ただでさえ毛の長いバーマンが、体温調節がうまくいかずに熱中症にかかってしまうケースもあるため、侮れない病気です。
軽度であれば経過観察となりますが、ひどい状態だと手術や投薬も行わなければなりませんので、早期対策が求められる病気です。
肥満が原因で起こることの多い病気ですが、関節の負担をなるべく減らすことが必要です。
人間の膝や腰と同じく、最も負担をかける自分の体重を減らすことが一番の治療方法になります。
それでも心配な方は、ねこが飛び降りるポイントに硬めの薄いクッションなどを引くこともおすすめです。
高いところに登るねこですが、そこから降りる際にもかなりの高さから落ちてきます。
そこでの関節に対するダメージを軽減させるために、部屋の環境づくりを工夫してみましょう。
関節のトラブルは年齢を重ねるごとに蓄積されて発症します。
健康なうちから対策しておくことがカギとなりますね。
見た目も神秘的であり、さらには物静かに過ごすことが好きなバーマンは、神秘的であるという印象を与えてくれます。
生活習慣が病気につながることも多いバーマンですので、日頃から病気にならない工夫をすることで、健康でいられる時間も長くなります。
もしバーマンと暮らすことになった際には、日頃から健康に注意しつつ、一緒に穏やかな時間をたくさん過ごしてください。
そうすることで、バーマンも愛情を持ってくれて接してくれますので、かけがえのない時間がもたらされます。