愛猫がスリスリしたり、ひざに乗ったりして甘えてくるのは、胸がきゅんとなるほどかわいいものです。
でも、興奮して噛んできたり、朝の忙しい時間に甘えてきたりすると、ちょっと困ってしまいますよね。
今回の記事では、ねこはどんな時に甘えたいと思うのか、また、甘える時にはどんな行動を取るのかを詳しくご紹介します。
ねこの甘えたい欲求をキャッチして、きちんとこたえてあげれば信頼関係がアップします。以下のような行動をねこが取ってきた時には、ねこをうんと甘やかせてあげましょう。
体に触れてくるのは、「構って」というねこのメッセージです。特に以下のような行動を取る時は、甘えん坊モードになっていますので、優しく声をかけてかわいがってあげましょう。
・スリスリする
ねこが頭や体をすりつけてくるのも愛情表現のひとつです。ねこの体には、「臭腺」と呼ばれる臭いを発する部分があります。臭腺を自分の身の回りのものにすりつけて臭いを移すことで、安心感を得ているのです。
また、ねこは仲間に体をすり寄せる習性があります。自分のにおいを相手につけつつ、相手のにおいを確認する、ねこなりのあいさつです。
また、スリスリと一緒に頭突きをしてくることがありますが、これもあいさつやマーキングの時に見られる行動です。
ねこの頭は意外と硬いので、頭突きをされると痛いですが、これもねこなりの愛情表現なのですね。
・フミフミする
前足を交互に動かしてフミフミしてくるのは、赤ちゃんの頃の名残です。
赤ちゃんねこは母ねこのお乳の出を良くするため、お乳をもみます。その癖が大人になっても残り、人の体や毛布などをフミフミすることがあります。
眠い時にすることが多いため、ねこがフミフミしてきたら構い過ぎないようにそっと見守ってあげましょう。
・ひざに乗る
ねこがひざに乗るのも甘えている時の行動です。大好きな飼い主のにおいに包まれて安心したいのです。また、寒いときや不安な時もひざに乗ってくるといわれています。
ねこが人の体に乗る理由については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
ねこはリラックスしている時、おなかを上にしてごろんと寝転ぶことがあります。SNSなどでは「ヘソ天」と呼ばれることもある行動です。
ねこは通常、おなかを見せることはありません。柔らかく、大事な内臓が入っているおなかは、敵に噛まれないように守るべき部分だからです。
そのおなかを惜しげもなく見せる「ヘソ天」をするのは、飼い主に心を許している証です。
とはいえ、おなかはやはりデリケートな部分。ヘソ天しているからといっておなかを触ると、怒ることもありますので注意が必要です。
ご機嫌な時に、ねこはしっぽをピンと立てたり、振るわせたりします。
しっぽを立てるのは、子ねこ時代に母ねこに肛門をなめて排せつを促してもらっていた時の名残であるといわれています。
しっぽを立てながら先をプルプルと細かく震わせているのは、嬉しくて興奮している証拠です。リラックスしている時というよりは、構ってほしい時に良く見られる行動なので、一緒に遊んだり、スキンシップを取ったりしてあげましょう。
ねこがゆっくりまばたきをする、もしくはじっと見つめてくるのも「甘えたい」という気持ちの表れです。
ねこはけんかをする時、相手とにらみ合いをします。逆に、相手に敵意がないことを示す際には目をそらしたり、まばたきをしたりします。
ねこのゆっくりしたまばたきは、「仲良くしようよ」という気持ちを表しているのです。
また、飼いねこは飼い主をじっと見つめることがあります。
「おなかがすいた」、「おもちゃをなくしたので探してほしい」といった欲求がある場合に見られる行動です。
しかし、本来は目をそらすことがマナーであるねこが、じっと見つめてくるのは甘えの気持ちがある証拠です。そう考えると、ねこに見つめられたらなんでもしてあげたくなってしまいますね。
ねこの目から読み取れるメッセージについてもっと知りたい方は、以下の記事をお読みください。
タオルやおもちゃなど、何かを持ってくるのも飼い主への「大好き」を示す行動です。飼い主さんの気を引くためにプレゼントをしているつもりなのです。また、おもちゃで一緒に遊ぼうと誘っているのかもしれません。ねこが何かを持ってきたら、「ありがとう」と優しく言って受け取ってあげましょう。
ねこが甘える時に見せる行動や甘える理由については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
ねこの甘え方はスリスリしたり、ひざに乗ったりととてもマイルドで、心がほっと温まります。
しかし、時には噛んだり臭いにおいを出したりと、ちょっと困った甘え方をするねこもいます。ねこの困った甘え方と、対処法を解説します。
ねことスキンシップを取っている時に、急に噛んでくることがあります。飼い主が好き過ぎて興奮し、つい噛んでしまうようです。
甘噛みならいいのですが、加減が分からずガブッと噛んでしまうねこもいます。あまりに強く噛んでくる場合は、何らかの不満や欲求を感じている場合があります。
噛まれる度に欲求にこたえていると噛み癖がついてしまいますので、噛まれたら低い声で「痛い」と言い、その場を離れるようにしましょう。
また、ねこをなでている時に噛んでくるのは「愛撫誘発性攻撃行動」といい、なでる時間が長過ぎたり、なで方が気に入らなかったりする場合に起こす行動であるあるといわれています。
甘えているねこから、臭いにおいがする場合があります。これはねこのお尻から出ている刺激臭です。多くの兄弟の中で成長する子ねこは、お尻から臭いを出して母ねこの気を引こうとします。甘えん坊の飼いねこはいつまでも飼い主を親だと思っているため、飼い主の気を引くためにお尻から臭いにおいを出すのです。
あまり臭う場合は、無添加のお尻拭きなどでねこのお尻を拭くと、臭いが和らぎます。
ねこは甘える時に、サラサラした水のようなよだれをたらすことがあります。リラックスして副交感神経が活発になり、よだれの量が増えるためです。特に心配はいりませんが、服やスマホなど濡れて困るものはねこから遠ざけておきましょう。
また、よだれがネバネバしていたり、血が混じったりしている場合は、ストレスや口内のけが、病気の恐れがあります。ねこの様子を良く観察して、元気がないようでしたら動物病院で診察を受けましょう。
歩いている時に前に出てきて寝転ぶ、新聞を読んでいる時に新聞の上に乗るなど、ねこに邪魔をされて困った経験のある方も多いのではないでしょうか。
実は邪魔をするのもねこの愛情表現です。大好きな飼い主がほかのことに気を取られていることにやきもちを焼き、構ってほしい時に邪魔をしてくるのです。
また、おなかがすいている時に邪魔をしてくることもあります。ねこが邪魔をしてくる時は、ねこが何をしてほしいか考えて、欲求を満たしてあげましょう。また、しつこく邪魔をする時には、ねこがくつろげる場所を作り、そちらで過ごしてもらうと良いでしょう。
いつもクールな愛猫が、朝だけ甘えてくる、夜のまったりタイムに甘えてくる…というような経験をしたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。ねこは体内時計に忠実に生きており、時間帯によって気分や活動度が変わる場合があります。
時間帯別のねこの甘えるタイミングと対応法を解説します。
ねこが一番甘えてくる時間帯は朝と言われています。
その理由としては、以下の4点が挙げられます。
夜、飼い主が寝ている間、ねこは退屈や空腹をがまんしています(がまんせずに飼い主を起こしてしまうねこもいますが)。飼い主が起きるとねこは喜んで、「ごはんちょうだい!」「構って!」と甘えてくるのです。
朝のねこは欲求がたまっているため、ニャーニャーと大きな声で鳴く、しつこくスリスリしてくるなど、甘え方もダイナミックになることが多いようです。
朝食や家事、仕事の支度にバタバタしている時に甘えられるとちょっと困ってしまいますが、少しでも時間を取ってねこを構ってあげましょう。
朝と夕方~夜にかけて狩りをするねこにとって、昼は休憩時間です。昼間は眠くてリラックスしていることが多く、甘え方も穏やかです。
飼い主のそばでじっとしたり、ひざにのって寝たりするねこも多く見られます。お休みの日にはねこと一緒に、好きなDVDを見たりお茶を飲んだりしてまったりした時間を楽しむのも素敵ですね。
夜になると飼い主に甘えてくるねこも多いようです。ねこは本来、夕方~夜にかけて狩りをする生き物であるため、夜にテンションが上がることがその理由です。特に昼間飼い主が出かけている場合、昼は退屈していますので、飼い主が帰ってきたのが嬉しくて興奮してしまうねこもいます。
飼い主の帰宅を玄関でお迎えしたり、お風呂にまでついていったりと、好奇心いっぱいの表情で飼い主の後をついて回ることも多いです。
夜に元気いっぱい、構ってモードになっている時は、おもちゃで一緒に遊んであげましょう。
のんびり屋のねこやシニアのねこは、一緒に毛布にくるまってリラックスタイムを過ごすと、ねこも飼い主も一日の疲れを癒せるでしょう。
ねこが甘える時に見せる行動や、甘えるタイミングについて解説しました。ねこはとても気ままで、好きな時に好きなように甘えてきます。時には臭いにおいを出したり、噛みついてきたりといった困った行動を取ることもあります。また、リラックスしたくて甘えてきているのに、構い過ぎると怒ってしまうことも少なくありません。
ねこのサインを読み取ってねこが喜ぶことをしてあげたり、困った行動をしてきた時にはきちんと対処をしたりと、適切な行動を取ることが重要です。
ねこの甘えたいサインは信頼の表れです。しっかりこたえてあげて、ねこともっと仲良くなってください。