「ねこがこたつで丸くなる」と童謡にもありますようにこたつで丸くなったねこは、見ている側にとっても、実に微笑ましい光景ですよね。
いつもこたつで丸くなっているねこを見ると、本当にねこはこたつが好きなのだと思ってしまいます。
それでは、ねこはどうしてこたつが好きなのでしょうか。何か特別な理由があるのでしょうか。
ここでは、ねこがこたつを好きな理由とは何か?また、ねこがこたつに入るときに飼い主さんが注意しなければならないことなどについて解説します。
ねこは自分の居場所を探し出すのが得意な生き物です。
そんなねこがこたつを好きなのは、ねこの習性という、ねこならではのいくつもの理由があります。
その理由は次のようなものです。
ねこはもともと狩りを習性とする生き物です。
小さな岩場や森の中の穴場に潜んで、獲物となる小動物を捕獲するために身を隠す必要があったのです。
そのときの習性が残っており、こたつのような狭い空間が好きなのです。
ねこは狩りを得意とする生き物ですが、同時に敵から身を守るために暗い穴倉に潜り込んで身を隠します。
敵から見えにくくするために、暗い場所に潜むことが習性として残っているために、狭くて暗い安全なこたつが好きなのです。
基本的にねこは暑ければ涼しい場所、寒ければ暖かい場所を求めて体の温度を保とうとします。
私たちがこたつを使用するのは、気候が秋から冬にかけての気温が低くなると気です。
同じようにねこも寒さを感じて暖かい場所を探しているのです。
こたつは、そんなねこにとっては最適の場所なのでこたつが大好きなのです。
ねこはこたつ敷やこたつ布団の感触が柔らかくて、気持ちの良いものと思っています。
まるで、母猫にやさしく抱きかかえられるような感覚を味わえるからでしょう。
こたつの中で、ねこがよく「ふむふむ」するのは子猫のころの名残なのです。本当に気持ちが良いのでしょう。
こたつは狭くて、暗くて、暖かくて、気持ちの良い、ねこにとっては居心地の良い場所のようですが、意外と危険な場所でもあるのです。
どのような危険が潜んでいるのでしょうか。
電気で熱を発生させる電気こたつや電気カーペットなどは石油ストーブのように直接触れてやけどを負うようなことはありません。
しかし、自分の体温よりも高い温度のものに長い時間かけて触れ続けていると低温やけどを負うリスクがあります。
症状が重くなると水ぶくれや熱傷による潰瘍のリスクもあります。
ねこはこたつに入るときには、すっぽりと自分の身をこたつの中にうずめてしまいます。
しかし、こたつを温める赤外線はねこにとってはリスクのあるものだと言われています。
実は、赤外線は、ねこにとっては白内障や失明など目の異常をきたす危険性があるのです。
長時間、こたつの中にいることでそのリスクは高まります。
ねこは一度こたつの中に入るとなかなか出てこようとしません。
しかし、こたつの中に入り続けているとねこの体の中からは水分が失われます。
人間でもそうですが、こたつの中に入り続けていると喉の渇きを覚えます。
ましてや、こたつの中に全身をうずめているねこにとっては、体から水分が失われて脱水症の危険性が高まります。
電気こたつを含めて、電気器具には感電や火事の危険性があります。
特に、電気コードを使用する電気こたつは、ねこが通電中に電気コードを噛んでしまったり、引っかいたりしてしまうと感電したり、ショートして火事の原因となったりします。
また、電気コードを首に巻き付けたりすると窒息してしまう危険性もあります。
電気こたつでは一酸化中毒の危険性は考えられませんが、掘り炬燵で練炭や豆炭を使用している場合は一酸化中毒にかかる危険性があります。
また、一酸化中毒にかかると命を落としてしまうばかりでなく、精神が麻痺して火元に落ちてしまって大やけどを負ったり、暴れて火事を起こしたりと非常に危険です。
ねこがこたつに入るときのリスクや危険性については前項で述べました。
しかし飼い猫が大好きなこたつに入るときに、飼い主さんがリスクや危険を回避するためにはどうしたらいいのでしょうか。
飼い猫が低温やけどにかからないためには、電気こたつの使用温度をできるだけ低い温度に設定することです。
また、長い時間をかけてつけっぱなしにしておくのではなく、こまめにON-OFFに切り替えるように注意しましょう。
電気こたつの赤外線を浴びることによるリスクを避けるためには、電気こたつの使用を止めて、電気カーペットなどを電気こたつの代用として使うことをおすすめします。
電気カーペットの上にこたつを置いて、こたつ布団をかぶせてやればこたつとして代用できます。
しかし、低温やけどの心配はありますから低い温度設定とこまめな切り替えを行いましょう。
長い間、こたつに入り続けていると体の中の水分が失われて脱水症状を起こしがちです。
そうならないためには、体への水分の補給が必要です。
こたつの近くには、水分補給用の水を置いていつでも飼い猫が飲めるようにしましょう。
あまりにも長くこたつの中に入っているようだったら、無理してでも外に引き出して新鮮な空気を吸わせて水も十分に与えましょう。
飼い猫が誤って電源コードを齧ったり、引っかいたりしないように電気コードには、スパイラルチーブを巻くといいでしょう。
スパイアルチューブは電線や電源ケーブルを巻き付けて保護するものですが電気こたつの電源コードにも応用できます。
飼い猫を感電や電気コードのショートから守り、やけどや火事を起こさせないためにも必須のアイテムです。
飼い猫を一酸化炭素中毒から守るためには、練炭や豆炭を使った掘り炬燵を使用しないのが一番です。
掘り炬燵はねこにとっては危険が多すぎます。一酸化炭素中毒のリスクばかりでなく、大やけどの危険性や火事のリスクも高まります。
掘り炬燵を使うとしても練炭や豆炭は止めて電気こたつに交換したほうがいいでしょう。
飼い猫にこたつを安全に使かわさせるためには、こたつのリスクや危険性を取り除くことはもちろんですが、飼い主さんの心構えや創意工夫も必要です。
飼い猫をこたつのリスクや危険から守るためには、飼い主さんの心構えや注意が必要です。
そのためにも、飼い猫の様子をよく監視し安全に配慮することです。
たとえば、こまめにこたつの温度を確認したり、こたつの中の飼い猫の様子を確認したりしましょう。
脱水症には特に注意してあげましょう。
ペットを飼っている方へのためにペット専用のこたつもあるので利用するのがいいでしょう。
ペット専用のこたつは、人間の使うこたつと違ってさまざまな工夫が施されています。
たとえば、熱くならないように温度設定がされています。また、ヒーターには触れてもやけどなどしないように保護網が付いていたり、噛みつきや引っ掻きを防止するために電源コードにチューブが巻き付けてあったりと安全対策がしっかりとなされています。
大きさも、ねこなどペットが使うにはちょうどいい位のサイズがありますから利用をおすすめします。
これから、いよいよ寒さも本番を迎える季節に入ります。
こたつが好きなねこたちにとっては、ますますこたつの中で過ごすことが多くなるでしょう。
しかし、こたつによるねこの事故やトラブルも多く発生しています。
飼い猫が、こたつの中で、安心して、暖かく気持ちよく過ごせるように、飼い主さんもよく注意して上げましょう。