ねこにしてはとても大きな体を持っているメインクーン(MaineCoon)。
その大きな体とおっとりとした性格から、是非とも一緒に暮らしたいと言う方が急上昇の猫種です。
誰とでも仲良く暮らせるメインクーンですが、さらに仲良くなるためには何をしたら良いのでしょうか。
今回は、そんなメインクーンがどんなねこであるかと、メインクーンとの接し方についてご紹介します。
さまざまな猫種の歴史を調べていくと、どのようなルーツを持っているかがわかる場合がほとんどです。
しかし、メインクーンの場合は特殊であり、誕生の歴史に諸説あり、それぞれが全く違ったルーツを持っているという不思議なねこです。
あのような巨体が一体どこから誕生したかは知られていませんが、メインクーンは確かに存在します。
そんなメインクーンはどんなねこなのか、メインクーンの背景について迫ります。
メインクーンの名前の由来は、アメリカのメイン州とアライグマを意味するクーンから名付けられました。
メイン州はアメリカの北部にあり、ここから現在の姿になったと言われています。
クーンに関しては、一説によるとアライグマとの交配により誕生したのではないかという説もありますが、遺伝子的に可能性は低いようです。
そのため、アライグマと見間違えるほど大きなねこであることから、クーンという名前が付けられたものだと考えられます。
ただし、メインクーンの先祖はフランス革命で処刑されたマリーアントワネットの愛猫がアメリカに渡ってきたことに起源するという説まであります。
マリーアントワネットの愛猫である説を裏付けることは難しいですが、ヨーロッパ大陸から渡ってきたねこが起源となっていることは、かなり信憑性の高いことだと言えるようです。
その起源になったねこが、アメリカにいるねことの交配を繰り返し、いつしかあんなにも大きな体に生まれたというわけです。
どうやって誕生したのか謎に包まれたメインクーンですが、その謎も魅力の一つだと言えますね。
明らかなルーツは定まっていないものの、メインクーンを見ているとある猫種を想像する方もいらっしゃるでしょう。
それは、ノルウェージャンフォレストキャットとサイベリアンです。
ノルウェージャンフォレストキャットはその名の通りノルウェー出身であり、サイベリアンはその語源がシベリアにあるように、ロシア北部出身です。
この2種類の猫種に共通して言えることは、寒さに強く暑さに弱いことです。
メインクーンの出身地であるメイン州はアメリカの北東に位置します。
雨があまり降らないことで気温の上がりやすい西海岸を避け、さらに涼しい北へ移動したと言うことを考えると、ノルウェージャンフォレストキャットやサイベリアンがアメリカへ渡り、過ごしやすい地域を探して北東部に行き着いたという説が濃厚になります。
大きな体が特徴のメインクーンですが、現在のところ家で暮らす猫種の中でギネス記録を持っています。
イエネコの中でも、世界最大であることが証明されているのがメインクーンです。
成長すると100cmにもなるメインクーンですが、ギネス記録は2010年に更新された123cmが最大です。
なぜここまでメインクーンの体が大きくなったかというのにも諸説ありますが、寒さに耐えるためには有利であることから、体の大きいねこ同士の交配により実現したことという説が有力です。
体が大きいと体内に蓄えられる熱量も多くなります。
寒い空気に触れる表面積は広くなるものの、体温が逃げないように厚い被毛を纏っているという、とても寒さに強いねこなのです。
メインクーンと一緒に暮らすことを考えたときに、どんな性格であるかは気になるところです。
個体差はありますが、性格は猫種によって分かれることがほとんどです。
そこで、メインクーンの性格をご紹介していきます。
また、身体的な特徴もご紹介していきますので、実際に暮らすためにどのように接すれば仲良く暮らせるのかというヒントにもできますね。
別名「ジェントルジャイアント」と呼ばれるほど、穏やかさを持っているメインクーン。
とても穏やかな性格をしており、他の動物とも仲良くできるほどおっとりとした性格をしています。
とはいえ、ねこの基本的な性格は持っているので、撫でられていたと思ったら急にどこかへ行ってしまうこともしばしばあります。
これはねことしては自然な行動なので、どこかへ行ってしまったときはそっとしておきましょう。
しかし、他の動物とも仲良くできることから、ねこの多頭飼いや犬などのほかの動物がいる場合にも、うまく生活していける猫種だと言えます。
メインクーンの特徴とも言える長い毛ですが、毛の生え変わり時期になると一苦労してしまいます。
体も大きいため、生えている毛の量が通常のねこより多くなるのです。
ねこは自分で毛繕いを行いますが、限界があります。
自然界で暮らしている頃は、風が吹いたり草木に毛が擦れることにより、抜け毛が体から離れていたのです。
しかし、家で暮らすねこにとっては自分で毛繕いできる量を超えているのが現状です。
毛玉になったり、毛繕いしているうちに大量の毛を食べてしまって胃の中に毛が滞在してしまう毛球症になるリスクもあります。
そこで、定期的なブラッシングを心がけましょう。ブラシにつく大量の毛に驚く方も多いはずです。
また、食事によって毛球症を回避することもできます。
ねこのご飯選びの際、毛球症対策のご飯を選択するのも大切なことと言えます。
毎日ブラッシングしていても、毛の生え変わり時期にはその毛の量に困ってしまう方も多くいらっしゃるかもしれません。
そこでおすすめなのは、お風呂に入れてシャンプーを行うことです。
通常のねこであれば、水を嫌がるのでお風呂はストレスになるため、フケがひどくなった際にしかシャンプーをお勧めできません。
多くのねこは毛が二層になっているため、乾くまでに時間がかかり体力が奪われてしまうため嫌がるねこが多いのですが、メインクーンは水を嫌がらない数少ない猫種です。
メインクーンだけではなく、サイベリアンなど北国で育ったねこは水を怖がらない傾向があります。
これは、寒い地域では陸に獲物を見かけない日もあるため、川などの水の中の獲物を狙って食べていたからだとされています。
あまり頻繁にお風呂へ入れることは風邪を引くリスクもあるため、おすすめできませんが、あまりに抜け毛がひどい場合は最終手段として実行してみるのも良いでしょう。
ただし、個体差があるためあまり嫌がるようであればお風呂は避けたほうが良いです。
自然出身のメインクーンですが、同じ種族での交配となるため遺伝性の病気も発症しやすくなります。
もちろん、メインクーンだけがかかりやすいと言うわけではありませんが、特に気をつけたい病気についてご紹介します。
メインクーンと少しでも長く一緒に暮らすため、私たち人間はねこの体調不良を発見した際には、すぐに動物病院を受診するように心がけましょう。
心臓が徐々に肥大してしまう遺伝性の病気です。
最悪の場合は心不全により死に至るケースもあるため、兆候が見られた場合にはすぐに動物病院を受診する必要があります。
発症に気づかないねこも多く、案外多いとされている病気ですが、症状が悪化すると危険な病気です。
メインクーンの場合は、肥大型心筋症が優性遺伝で遺伝してしまいますが、遺伝子検査により発見することが可能です。
少し動くと疲れたりする姿が見られると疑うべき病気ではありますが、突然重度な症状を発症してしまうこともありますので、気をつけましょう。
人間であっても心臓移植しか治療法がないほどの病気ですが、悪化を防ぐことができます。
定期検診を受けるなどして、病気の対策に努めましょう。
腎臓に多数ののう胞ができてしまい、腎臓機能が低下する病気です。
代表的な遺伝性の病気であり、発症時期も個体によってさまざまです。
症状としては、多飲多尿や食欲不振が多いのですが、嘔吐や脱水症状が見られるケースもあります。
腎臓の細胞がのう胞になってしまう病気なので、治療によって残っている健康な腎臓部分を残し、負担を減らす治療になります。
ペルシャ系に発症する病気ですが、メインクーンにも発症する病気です。
早期発見が大切になる病気ですので、異変に気づいた際にはすぐに受診しましょう。
世界最大のねこであるメインクーンですが、その性格はとても穏やかであり、優しい猫種です。
穏やかなだけでなく、ねこの中でも賢い部類に入るので、メインクーンとの暮らしは特別なものとなることは間違いありません。
調べれば調べるほどメインクーンの魅力に取り憑かれてしまうほど、人気急上昇のねこです。