ねこ界のブルー御三家でもあるコラット(Korat)は、他のロシアンブルーやシャルトリューとは一味違った猫種です。
古くから愛されてきたコラットを気になってしまった方は多いはず。
そこで、コラットの歴史やどんな性格かを知り、もし一緒に暮らすことを検討している方はその判断材料にしてみてはいかがでしょうか。
ブルー御三家の中でもスマートなたたずまいのコラットですが、どのようなねこなのかを見ていきましょう。
古くから人々の間で認識され、幸運の象徴としても親しまれてきたコラットです。
もしコラットが気になった方は、どんなねこであるかを知るとその魅力に気づいて一緒に住むことも考えてしまうかもしれませんね。
最も古いコラットが登場する文献は、タイで勢力の強かったアユタヤ王朝にまで遡ります。
14世紀から18世紀まで、実に4世紀もの間タイで栄えていた文明に愛されていたねこなのです。
特徴であるブルーがかった毛並みから、見かけたものに幸運をもたらすとして信じられていた神秘的なねこだったのです。
1896年にはキャットショーに出るものの、あまり注目を集めることはありませんでした。
しかし、1959年にアメリカへ渡り繁殖が始まると、1965年にはアメリカだけではなく、カナダを含むほとんどの協会から猫種としての登録を受けます。
北米だけではなく、1975年にはイギリスの協会からも公認を受けて、世界でも認められる猫種となったのです。
コラットは幸せをもたらすねことして重宝されていました。
現在でも希少種とされ重宝されているのはもちろんですが、別名「幸運の猫」という意味の「シ・サワット」という呼び名を持っています。
コラットという名前は原産地であるタイのコラト高原からその名を受け、当時の国王ラーマ5世が名付けました。
さらには、毛色を雨雲に見立てて雨乞いの象徴とされたり豊作の象徴とされたりしていたことから、ラッキーを引き寄せるということ以外にも生活の中で神のような象徴とされてきたことがわかります。
また、幸運のねこということで、結婚式などの贈り物にされることもあったことから、非常に貴重な猫種として存在してきたのです。
ブルー御三家の猫種は見た目も似ていることからほぼ同じと考えられてしまいがちですが、コラットは御三家の中で最もスレンダーであると言えます。
ブルー御三家の中で最も一緒に暮らしている方の多いロシアンブルーと比較すると、大きな違いがあります。
まず、コラットの毛がシングルコートに対してロシアンブルーはダブルコートです。
さらにコラットは筋肉質であり、顔つきもシュッとしていることからロシアンブルーと比較すると全く違うことがわかります。
現在も希少種として重宝されていることもあり、なかなかお目にかかることは少ないかもしれませんが、もし機会があれば比較してみるのも良いかもしれませんね。
幸運のねことも呼ばれるコラットですが、もし運良く一緒に暮らせることになった際にはどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか。
ねこと暮らすためには環境づくりはもちろんですが、接し方次第で関係性が変わってきますし、ねこのストレスも大きく変わります。
コラットがどんな性格でどんなことを好むのかを知っておくことによって、双方の関係性が良くなるのです。
さらに、さまざまな猫種の性格を知ることによって一緒に暮らすねこを選ぶ際の判断材料にもなりますので、たくさんの猫種の性格を知ることは大切なことなのです。
コラットの性格を端的に表現すると大人しくて賢いです。
人間に甘えてくることが多々ありますが、あまり放置しすぎるとすねてしまいかまってくれるまで態度を変えないという頑固な一面も持っています。
また、神経質で人見知りな面もあるので、大きな音を聞くと他の猫種以上に驚いてしまうこともあります。
来客があった際にも、表に出てくることはなく家に知っている人だけになるまでは物陰でジッと静かにしているケースも多々あります。
この性格を考えてみると、自然界でもほとんど見かけることがなかったのではないかという想像が容易につきます。
もし、タイで見かけられたら「見たものに幸運をもたらす」というよりも「見れたことが幸運である」と言えますね。
コラットと暮らす際に、ねこだけになれるスペースを確保しておく必要があります。
大きな音を出してしまうことも一緒に生活していれば少しはありますし、一切来客のない家にすることも難しいものです。
そこで、コラットが驚いたり行き場がなくなってしまったときに隠れる場所があるだけで、コラットとしては落ち着けますしストレスを溜めにくくなります。
部屋が多くあるのであれば、コラットの逃げ場にしてトイレやごはんもそこに集中させることによってさらにストレスを溜め込みにくくなるでしょう。
もしあまりスペースがないようであれば、押し入れを解放するなどの隠れられるスペースを用意してあげることで対策となります。
人間が好きで甘えてくるコラットなので、できるだけ留守番は避けたいところです。
常に構っているとストレスを抱えてしまうという難しさはあるものの、知っている人が同じ空間にいるだけで安心してくれますので極力1人でいることを少なくできればベストです。
コラットはストレスを溜め込みやすい性格でもあるため、留守番後にはたくさん撫でてあげたりすると、ストレスの解消につながりやすいです。
もちろん、人間にも生活があるため常に誰かいる状態を作り出すのは難しいですが、できるだけたくさん一緒にいてあげるようにしましょう。
コラットと暮らすにあたり、気をつけていただきたいのが病気です。
人間も同様ですが、生きていく上で病気にかかってしまうことはありますし、生活に支障が出てしまうことも多々あります。
さらに、ねこの病気は自然治癒することがほとんどありませんので、命にかかわらない病気であってもいつまでも生活に支障が出てしまうケースが多々あります。
もし異常を確認したら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
さらに、猫種によって持病が存在します。コラットも例外ではありませんので、持病を知ってもし発症した場合はすみやかに治療を行いましょう。
ストレスを抱えやすいコラットの性格上気をつけなければならないことですが、ストレス性脱毛の症状が見られるケースが多々あります。
普段から毛の様子を見て、脱毛が起きていないかを確認する必要があります。
ウイルス性の皮膚病や怪我の可能性もあるので一度動物病院を受診して原因を突き止めることも必要ですが、それに加えて環境の改善にも努めましょう。
シングルコートのコラットは寒さにも弱いので、寒いことがストレスになっているケースも考えられます。
脱毛が認められたときに、獣医師と相談してどのように環境を改善した方が良いのか相談してみるのも良いですね。
ガングリオシドーシスはライソゾーム病の一種で致死性の病気です。
GM1-ガングリオシドーシスは遺伝的な病気であり、ある酵素が遺伝的に欠損することで起こる病気です。
糖脂質が分解できなくなってしまし、中枢神経障害を起こす恐ろしい病気です。
元々発見されたのが人間のGM-1ガングリオシドーシスでしたが、同じような症状がコラットにも認められたことで、注意すべき病気として認識されています。
動きなどに注目し、もしいつもと違う変わった動きが認められた場合、すぐに動物病院へいきましょう。
また、これ以外にもGM2-ガングリオシドーシスという病気があり、分解されない糖脂質が脳に蓄積されてしまうケースもあります。
幸運のねこという別名を持つコラットは、認めた人には甘えてそれ以外の人には姿も見せないようなツンデレねこです。
もし一緒に暮らすとなると、自分にしか懐いていないように感じられてよりかわいく感じられることでしょう。
世界的にも希少であり、日本でもまだまだマイナーな猫種と言えます。
もし一緒に住むことができれば、そのこと自体が幸運と言えそうですね。