真っ白な体に綺麗なオッドアイを持つ個体が多く見られるカオマニー(Khao Manee)は、その神秘的な外見から現在人気が急上昇している猫種です。
発見されてから長らく出身地であるタイから出ていなかったカオマニーとは、どんなねこなのでしょうか。
今回はカオマニーがどんなねこであるか、どういった性格をしているのかなどを詳しくご紹介します。
白猫と言えば世界中にたくさんの種類がいますが、他の白猫よりも少し丸みを帯びているカオマニーは、他の真っ白な猫種とは少し異なります。
出身地のタイでは昔から重宝されていましたが、発見されてから世界に知られるまでには長い時間を要しています。
そんなカオマニーはどんな歴史を持っているのか、さらにはどんなねこなのかを知るところから始めましょう。
カオマニーは1350年頃から存在していたという文献が存在していることから、非常に古い猫種であると言えます。
タイと言えば、シャム猫やバーミーズ、コラットなどの現在も世界的に有名なねこの出身地ですが、その中でもカオマニーが世界に知られなかったのはタイ王室以外にカオマニーを出してはいけないという決まりを作っていたからです。
これは、カオマニーが数少ない猫種であったことから決まった取り決めであり、長らくはその決まりが守られていましたが時代と共にその決まりも風化していきました。
1999年にアメリカのブリーダーカオマニーをタイから持ち帰ったことに始まり、また別のイギリスのブリーダーも地元へ持ち帰り繁殖を始めたことで、一気に世界へ知れ渡ることとなります。
個体数も増え、2015年にTICAで正式に猫種として認められてからは人気も高まり、現在は世界中にその名が知れ渡り始めています。
カオマニーという名前の由来は、古いタイの言葉が元となっています。
「カイマニー・シー・カウ」という言葉が語源となっており、白い宝石という意味を持っているのです。
個体数が少ないことによって貴重であることと、その外見の美しさから名付けられたこともあり、いかにタイで重宝されていたのかがわかります。
現在でも個体数は増えたとは言え、カオマニーのブリーダーも少ないことから一緒に暮らすとなると探す苦労はかかりそうな猫種です。
カオマニーは左右の目の色が異なるオッドアイの個体が非常に多い猫種です。
白猫にオッドアイが多く見られる理由は、色素が薄いことに由来します。
しかし、他の白猫よりもオッドアイになる確率の高いカオマニーは、持っている遺伝子に由来することが多いです。
オッドアイは目の病気にかかりやすいという特徴もありますので、一緒に暮らす際には日頃から十分に注意し、もし異変が見られた場合はすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
人間ほどねこは視覚に依存して生活しているわけではありませんが、視力の低下は生活の質を下げてしまうので、カオマニーの目を守ってあげることも人間の大切な役目です。
貴重な猫種とされるカオマニーと一緒に住むことができた場合、気をつけたほうが良いことをご紹介していきます。
ねこと仲良くなることができれば、思い描いているねことの幸せな時間を過ごすことが可能です。
そのためには性格や暮らしの中での注意点をしっかり把握する必要があります。
人間側もカオマニーと仲良くできるかという点も含めて、どんな性格なのかを把握して接し方を考えていきましょう。
カオマニーは好奇心旺盛でやんちゃな面を持っています。
しかし、賢さも兼ね備えており、何より人間が好きという一面もあるので仲良くなれれば一緒の時間をたくさん共有できるねこです。
そのため、遊びの時間をたくさん作ることがカオマニーと仲良くなるための秘訣と言えます。
また、賢いねこなので躾で苦労することはあまりありません。
もしイタズラをやめないようであれば、それはわからなくてやっているというよりも、何か不満があって抗議するための行動です。
もしイタズラを見つけた際には、不満の原因を探るとやめる傾向にありますし、何よりストレスを取り除いてあげることにも繋がります。
たくさん遊び、不満を解消していくことで、かけがえのない時間を共有できるねこだと言えるでしょう。
好奇心旺盛なカオマニーと暮らす際には、安全に遊べる環境を作ることが必須となります。
できるだけ広い場所を用意しなければ、いろいろな場所に体をぶつけてしまい怪我につながる恐れがあるので危険です。
また、運動量を増やすためにはキャットタワーなどを準備するのも良いでしょう。
そして、イタズラ防止のために小さいものはねこの手の届く場所からは撤去してください。
ねこは小さいものを手で弾いて遊ぶ傾向にありますが、口で捕らえた際に誤って飲み込んでしまうケースが多々あります。
飲み込んだものによっては命に関わることもあり、外科手術も必要になることもあるため、危険は回避するように心がけましょう。
白猫特有の注意点ですが、紫外線が大敵であることは忘れてはいけません。
家の中にいる分にはさほど問題ありませんが、窓を開けている時などに直射日光が当たってしまうと紫外線を浴びてしまいます。
白は紫外線をそのまま通してしまうため、皮膚に届いてしまい肌トラブルや病気の原因になりやすい危険があります。
ねこは過ごしやすい場所を見つける天才なので、直射日光が当たる場所で昼寝することもあるかもしれません。
そんな場合は、ずっと窓を開けっぱなしにするのではなく、短時間で締めるなどの工夫して対応するようにしてあげてください。
カオマニーは自然発生的に誕生したねこだけあって、健康的なねこであるケースが多いです。
しかし、白猫独自の病気には気をつけましょう。
カオマニーが特に注意したい病気は、皮膚、目、耳に関する病気です。
持病として付き合っていくケースも多いため、症状が出始めた際には早めに動物病院を受診し、獣医師と相談しながら病気と付き合っていきましょう。
進行性の病気もあるため、症状が出始めてすぐに対策を行うことで進行を遅くできることが多いため、健康に注意しながら過ごすように心がけましょう。
オッドアイのねこは視覚障害を起こしやすいと言われています。
これは、メラニンが少ないことからオッドアイになるため、紫外線にとても弱くなってしまうということです。
オッドアイだから病気になるというわけではありませんが、紫外線に弱いために特に目の病気になりやすいということなのです。
そのため、紫外線からねこを守るとともに、目やにの様子が黄色くねばついてきたり物にぶつかることが多くなる、夜にあまり行動しなくなるなどの症状が見られた場合は何かしらの目の病気にかかっている可能性が高いため、病院を受診するようにしましょう。
カオマニーの多くは青い目を持っています。
両目が青いケースもありますが、オッドアイの場合は片方が青色である場合が多いのです。
そして青い目を持つねこは聴覚障害を起こしやすいという統計的なデータがあります。
遺伝子の関係で青い目の場合は聴覚障害になると言われていますが、具体的にはどういった原理で起こるのかは明らかになってはいないため、確率が高いという程度にとどまっています。
もし一緒に暮らすねこに聴覚障害の疑いがあった際には、獣医師との相談はもちろんのこと、できるだけ不便のない生活を送ってもらえるように心がけましょう。
ねこにとって耳は人間以上に生活を送る上で重要な役割を持っています。
カオマニーの特徴である白い毛ですが、紫外線から身を守ることができません。
そのため、湿疹などの皮膚トラブルを起こす原因になってしまいます。
私たちにできることは、紫外線からなるべく守ることはもちろんですが、ひどくなる前に病院へ連れていくことです。
早期治療を行えばそこまでひどくなることはないため、日常的に肌に異常がないか確認しましょう。
タイで大切に育てられてきたカオマニーは、現在世界中でも注目を集めています。
最近、猫種に認定されたため、まだまだ希少種ですので、認知度も低くなかなか巡り会えないかもしれません。
特にオッドアイの子は、日本でも幸せを運んでくるねことして重宝されているため、近い将来人気が出ることは間違いないでしょう。
白猫独自の病気に注意しつつ、末長く幸せに過ごすことを目指しましょう。