「ねこは気分屋である」という話はあながち間違いではありません。
犬と違って、いつでもかまってくれるの大歓迎というわけではないのです。
ねこの場合は、かまってはいけないときを確実に見分けなければ、良好な関係はなかなか構築できません。
そこで、どんな時はねこを放っておいたほうがよいのかをご紹介しますので、判断材料の一つとしてください。
私たちも、話しかけられたくないときに呼ばれたりかまわれると気分を害してしまったり、その人との関係性が悪くなってしまうのと同様です。
人間であれば放っておいてほしいときはその理由を伝えることができますが、ねこはそれができません。
そこで、ねこが放っておいてほしいときは一体どのような気持ちのときなのかを知る必要があります。
ねこを観察し、時には痛い思いをしてねこの気持ちを察することができるようになるのも可能ですが、判断材料を知り、できるだけ早く、さらに怪我をせずにねこの気持ちがわかるようになりましょう。
それでは、どういった場面でねこを放っておいた方がよいのか、気持ちを交えてご紹介します。
ねこは興奮状態になると周りが見えなくなる傾向にあるので注意が必要です。
多頭飼いでねこ同士の喧嘩の最中や、必死におもちゃを追いかけているときはこれに該当します。
どれくらい周りが見えなくなるかというと、通常マタタビでメロメロになってしまうねこであっても、全く気にしなくなるくらい周りが見えなくなります。
これは、ねこが肉食動物であることで、獲物を捉える際に標的に全力で集中するために身についている体の構造です。
そのため、いくらお世話をしている人が近づいていったとしても、興奮状態にあるねこはそれが敵か獲物にしか見えず、結果的に攻撃してきてしまうということなのです。
ねこは環境の変化に弱いので、引っ越しなどで自分がいる空間が変わると慣れるまでしばらく時間が必要になります。
ねこは空間の把握に長けている生き物なので、初めての場所の空間把握に全力を尽くしているのです。
身の安全が確認できれば少しずつ行動範囲を広めていきますが、いつ危険が迫るかわからない空間ではかなり過敏になっています。
このとき、いつも通りにかまおうとすると、自分に危険が迫っていると感じて敵とみなされてしまいます。
慣れるまでの時間はねこそれぞれですので、いつものように寄ってくるまで待ちましょう。
来客などでいつもいない人間が部屋に入ってくると、警戒心から戦闘モードに入ってしまいます。
警戒心が強いねこなので、新しい人が敵か味方かを判断しているのです。
いつも一緒にいる人と仲良くしている様子を見ると、恐る恐る近づいていくねこもいますし、いつまでも出てこないねこもいます。
「そんなに臆病にならなくても」と思うかもしれませんが、人間で言うと戦場にいる感覚を想像していただければある程度見えてきます。
先ほどの新しい場所に行った際も、どこにどんな敵がいるかわからない状況では人間も恐る恐るになりますし、全く知らない生物が出てきても同様です。
命を守ることが優先されるので、こういった場合は放っておくことに越したことはありません。
いつも通りの生活の中でも、ねこを放っておいた方がよい場面があります。
これらは、ねこによっては攻撃的にならないこともありますが、ストレスを溜め込んでしまうなどの危険を含んでいます。
放っておいた方が良いことはもちろんですが、物音をできるだけ立てずに、できるだけねこを見ないように心がけてください。
非常にデリケートに感じるかもしれませんが、ねこにとってはそれが最善なのです。
ごはん中のねこに触れることは御法度です。
ごはんを食べている姿を見ていると、その必死さが可愛くてついつい撫でてしまいたくなるかもしれません。
しかし、ねこはごはんに全力を注いでいます。
ここで触れてしまうと、リアクションを取らないかもしれませんが集中力が削がれて消化不良を起こす原因となります。
ごはん中に集中して食べさせてあげることで、安心できる空間だと認識させてあげることもできるため、静かに触らずに食べさせてあげましょう。
人間も1人でごはんを食べているときに突然大声をかけられたり背中を叩かれてむせてしまうのと同じです。
トイレ中のねこはそっとしておくことはもちろん、見ることもストレスになってしまいます。
自然界においてトイレをするというのは無防備であり、その間に襲われると何もできません。
安心できる環境づくりを心がけるために、トイレ中は気配を消す勢いでいましょう。
もし万が一気をそらせることがあった場合、出し切らずにトイレを終えてしまう可能性があります。
ねこは元々腎臓が弱いため、出し切らなかったりトイレに不安がある状態だと病気につながってしまう恐れもあります。
そのため、できることならトイレを物陰に置くなどの工夫をするのも良いでしょう。
もしそれが現実的に難しいようであれば、ねこのトイレ中は気配を消すように心がけてください。
ねこが水に興味を持っているときには触ることはおろか声をかけずにジッとしていてください。
ねこにとってごはん以上に水を飲むことは病気予防に必要なのですが、ねこ自身は水を飲むという優先順位が決して高くありません。
そのため、音を聞いたり呼ばれたときには水を飲むことを後回しにしてしまい、結果的に水を飲まないという状態になってしまいます。
尿路結石や腎臓病を予防するために、普段から水を飲む機会を増やすことはもちろんですが、せっかく機会があるのに気をそらして水を飲まない状態には絶対にしないでください。
もし万が一、放っておいたときにねこに触れたしまった場合はどのような対処法があるのかをご紹介します。
タイミングが悪ければ引っ掻かれてしまうこともあるかもしれませんし、ねこが逃げ出してしまうかもしれません。
しかし、起こってしまったことは無しにはできません。関係を修復することに全力を注がなければいけないのです。
ねこが隠れたいときに無理に抱きかかえてしまった場合は、逃げた先まで追わないことが一番です。
私たち人間も、逃げた先まで追ってくる人のことは怖いですし、距離を置きたくなります。
ねこも同様で、逃げる先は自分が安心できる場所なのでそこまで追ってくる人間のことは嫌いになって当然です。
自然に出てくるのを待ってから、優しく撫でてあげればほとんどの場合関係は修復できます。
まずは自力で出てくるの待っていてることが大切です。
興奮状態のときに不意に撫でてしまった場合、ねこの攻撃を受けることがあるかもしれません。
その時は、極力騒がないようにしましょう。
ねこは防衛本能からその行動を起こし、何が悪いのかわからない状態です。
そんなときに大声で怒られたり大騒ぎをしてしまうと、逆にねこが怖がってしまいます。
ねこの爪も鋭いので、怪我の具合によっては大騒ぎになってしまうかもしれませんがねこはそれ以上にパニック状態なのです。
できるだけ高い声で優しく呼んであげてください。
落ち着いたねこは攻撃的になることもあまりありません。
大切なのは、ねこが落ち着く時間を与え、こちらに敵意がないことを示すことなのです。
水を飲もうとしているときやトイレ中に声をかけたり音を立ててしまいねこが中断した場合、その後も気配を消してください。
信頼関係ができているなら尚更、ねこはこちらを気にしてしまいこっちにやってきます。
しかしそこで無視することで、運が良ければ中断したことを再開してくれます。
もちろん中断させないことがベストですが、もしやってしまった場合には無視することがベターです。
ねこにタイミング悪く接してしまうと、攻撃されたりねこがストレスを抱えてしまったり、さらには病気になることもあります。
ねこに関わってはいけない場面を覚え、人間がそれを習慣化していくことでねことの関係も良好になり、さらにはねこがリラックスして生活してくれます。
環境づくりと関係構築によってねことの思い出も大きく変わるため、是非とも試してみてください。