ねこはとても魅力的な生き物です。
そんなねこが大好きで、家に迎え入れたいと思っている人が近年増加傾向にあります。
すでにペットショップで契約している方、保護猫が譲渡される予定の方の中には「ねこが家に来るまでに何を準備したらいいんだろう」「どんなものを用意すればあの子が幸せになるのかな?」と考えることも多いのではないでしょうか。
今回の記事では、ねこを飼う前に、絶対に準備しておきたいグッズや心構えなどを紹介します。
最後まで目を通していきながら、一緒にねこをお迎えする準備を整えましょう!
まずねこを飼うにあたって大切なのは、命を預かる覚悟です。
あなたがこれから家にお迎えするのはぬいぐるみではありません。
ご飯も食べます、当然排泄もします。
時には悪気なく部屋を汚したり、ものを壊したりすることもあります。
それでもねこを愛せますか?まだねこを飼うか迷っているなら、最初に知って欲しいねこの寿命と寿命までにかかる費用を説明します。
ねこの平均寿命は、15.66歳です。
人生を80年とすると、約4分の1の時間ねこと一緒に暮らすことになります。
しかも、最近は医療やフードの進化、さまざまな要因でねこの寿命は徐々に長くなっている傾向があります。
もちろん平均なので、すべてのねこがその通りというわけではありません。
ですが、5年もあれば今住んでいる場所から離れていたり、家族が増えたりと生活が変わっている可能性は大いにあります。
そのため、「今欲しいから」「他の人に取られちゃうから」と焦って、ねこを迎えいれるのは少し待ってください。
あなたが引っ越す時、結婚する時、子どもが生まれる時、ねこはどうしますか?
このような点も十分に考えた上で、やっとねこをお迎えするスタートラインに立てます。
一度考え直してみましょう。
ねこの生涯必要経費は医療費も含めて、平均で1,535,678円です。
毎月8,000円程度の必要で、ご飯代だけでも5000円程度必要です。
ご飯やおやつの質を上げると、その分費用も増します。
見切り発車でねこをお迎えしてしまうと、ねこと飼い主さん共々に困ってしまう危険性があります。
この機会に収支を見直して、ねこを養っていく余裕があるのか確認してください。
さて、ねこを飼う心構えができたら次は早速準備に取り掛かりましょう。
「とりあえずは最初にこれだけあれば大丈夫!」というグッズを紹介していきます。
いろいろなグッズがあるので、後々飼い主さんの好みや、ねこの好みに合わせて買い替えてしまっても大丈夫です。
まずはご飯を用意してあげましょう。ご飯と水を入れる器も忘れずに買ってあげてください。
人間にも年齢に適した食事があるように、ねこも年齢によって食べられるフードの固さや必要な栄養素が異なります。
もし家にお迎えしたねこが、500g以下の生後間もない子猫なら子猫用ミルクを与える必要があります。
歯が生えかけのねこなら、お湯やミルクでふやかしたご飯、しっかり歯が生えてきたら成猫用のフードなど段階で切り替えが必要です。
お店でご飯を購入する際、パッケージの表示を参考にして購入してください。
次はトイレを準備しましょう。ねこのトイレには猫砂と呼ばれる砂をセットします。
なぜねこは犬のようにペットシーツを敷くだけではだめなのかというと、ねこは自分の排泄物を土や砂の中に隠して、匂いを消そうとする習性があるからです。
そのため家でも排泄物の匂いを隠せるように、トイレと猫砂を用意してください。
トイレの構造によっては、砂の下で尿をキャッチするためにペットシーツを敷くタイプもあるので、そのようなトイレの購入を検討する場合は忘れずに購入しましょう。
また、猫砂もさまざまな種類があり消臭、防臭はもちろん、家のトイレに流せる猫砂や水分を含むと固まる猫砂、粒の大きいものから小さいものまでさまざまです。
はじめてのねこを飼う時におすすめしたいのは、ねこが尿をした場所の色が変わるタイプのものです。
自分の排泄物の匂いを隠したいねこにとって、1箇所しかないトイレにいつまでも尿の匂いが残っているのはあまり好ましくありません。
そのため、トイレが汚れても飼い主さんがすぐ気がついて取り除けるように、はじめは尿をした部分の色が変わる猫砂を選ぶといいでしょう。
トイレが用意できたら、ねこの寝床を用意しましょう。
ねこの寝床はさまざまなタイプがあります。基本的には、「飼い主さんが買ってあげたい!これに入って欲しい!」と思うもので十分です。
ただ、張り切って買った寝床をねこが使ってくれない、というのはねこあるあるですのであまり落ち込まないでください。
また、家にあるタオルやブランケットをねこの寝床用にするのもよいでしょう。
ねこを飼う上で、爪とぎ器と爪切りは重要です。ねこは獲物を狩るために古くなった爪を木などでといで、新しく鋭い爪を出そうとする習性があります。
そのため、ねこが壁や家具で爪をといで気がついたら家中ぼろぼろになっていた、ということを防ぐためにも爪とぎ器を購入しましょう。
爪とぎ器は、ダンボール製、布製、麻縄・綿縄が巻かれているものなど、材質に違いがあります。
ねこによって好みが分かれることもあるので、はじめは安価なもので大丈夫です。
また、ねこの爪は手入れをしないと人間が怪我をするだけでなく、自分で体を掻いた時に誤ってケガをしてしまう可能性があるので、爪切りを購入してお家で手入れができるようにしてください。
ねこのキャリーケースは病院に連れて行くときや、災害でねこを運んで行かなければいけないときに必要になるので用意しておきましょう。
いざと言う時、ねこがスムーズに入ってくれるよう、日常生活の中でも時々ケースにねこを入れて慣らしてあげた方がよいです。
持ち運びやすいよう、キャリーケース本体は軽いものをおすすめします。
最後はねこもあなたも持っていたら嬉しいグッズのご紹介です
代表的なものだと、キャットタワーや猫じゃらしがあげられます。
ねこは高いところに登るのが大好きなので、キャットタワーやキャットウォークがあるとねこがいきいきとしている様子が見られて楽しいです。
最近だと、キャットタワーの一部が透明になっていて、裏側からお腹や肉球を覗き見できるものもあるのでチェックしてみてください。
それから、ねこは遊びが大好きです。そのため、おなじみのねこじゃらしや、音の鳴るボールなど何種類か用意して、ねこが気にいるもので遊んであげてください。
ただし、一点だけおもちゃについて注意があります。ねこ好きな皆さんなら、レーザーポインターを床や壁に照射してねこを遊ばせる動画を一度は目にしたことがあると思います。
しかし、ねこにとってレーザーポインターを使用した遊びはやりすぎるとストレスになります。理由は、獲物を捕えられず満足ができないからです。
ねこと遊ぶときは、実体のあるもので遊んであげるようにしてください。
いくら可愛く大好きなねこでも、トイレや爪とぎをいたるところでされたら困りますよね。
初めてねこを家に迎える方の中には、どのようにねこのしつけをすればいいのか分からない方も多いでしょう。
ねこのしつけは、ねこの習性を利用して進めていくとスムーズに進むので一つ一つ確認していきましょう。
トイレのしつけには、ねこの尿の匂いがついたものを利用してください。
たいていの場合、ペットショップや保護施設でねこが使っていたトイレの砂を少し分けてくれます。
その砂を自宅に用意したねこ用トイレに混ぜると、ねこはその場所をトイレだと認識してくれます。大体1週間を境に、粗相をする頻度が減ってきます。
「2.初めてねこを飼う時に必要なグッズ 2-2.ねこのトイレ」の章で、ねこは排泄物の匂いを隠したがるので、すぐ片付けをしましょうと説明をしました。
ただし、ねこがトイレを覚えるまでの期間は少しだけトイレに尿のついた砂を残すようにしましょう。
トイレのしつけについての注意は、粗相をしたときに大きな声で怒らないことと、粗相をした場所はなるべく早く片付けて匂いを消すということです。
粗相をしたときに大声で怒ると、ねこは排泄する行為自体を怒られていると勘違いして、排泄しなくなってしまいます。
また、ねこは匂いでトイレの場所を匂いで覚えるので、誤った場所でトイレをした匂いがそのまま残っているとずっとその場所で排泄をしてしまうので注意が必要です。
ねこに爪とぎの場所を覚えてもらうには、まず飼い主さんがねこの見ている前で爪とぎ器で爪をといでいる真似をしましょう。
意外にもねこは飼い主さんの真似をして、爪とぎの場所を覚えてくれます。
それに加えて、爪とぎ器の上に少量のまたたびを、ふりかけるのも効果があるので試してみてください。
爪とぎ器の上で爪とぎができたら、声に出して褒めてあげるといいでしょう。
しかし、爪とぎ器の上で爪とぎができるようになっても本能的に他の場所で爪をといでしまうこともあります。
そんなときは、大きな声で怒らずにそっと爪とぎ器の上に乗せてあげたり、そもそも爪をとがれたくないものは保護したりなどして対策をしてください。
ねこが飼い主さんとの生活に慣れてきたら、避妊手術やワクチン接種の準備をしましょう。
ねこの避妊・去勢手術は生後6か月頃から受けられるようになります。
ねこは一度の出産で平均4〜8匹の子どもを生みます。
そのすべてを飼い主さん一手でお世話をするのは大変です。
無理をしてしまうと多頭飼育崩壊の原因にもなります。
また、手術によって発情期が原因でホルモン量が変化してねこがストレスを感じたり、卵巣や子宮、精巣の病気を予防したりできるので避妊・去勢手術は獣医師と相談の上必ず受けさせましょう。
ワクチンも同様に、病気からねこを守ってくれます。ペットショップや保護施設で貰うねこはすでにはじめてのワクチンを接種している場合がほとんどです。
そのため、次回のワクチン接種時期の説明を受けて来ることをおすすめします。ワクチン接種と一緒にノミやダニの予防もできると尚よいでしょう。
「日中仕事で家に居ない間、ねこを一匹で留守番させるのは退屈そうだし、寂しそう。
ノミ・ダニ予防、猫エイズや猫白血病のワクチンを接種したら外にも出られるようにしようかな。」
そう考える飼い主さんもいると思いますが、ねこは完全室内飼いにしてください。
なぜなら、ねこにとって外は危険に溢れているからです。
昔はねこを放し飼いにする家庭も多くありましたが、現在と比べて人口が少なかったり、交通量が少なかったり、ねこが危険に直面するリスクが低かった頃の話です。
現在では、車に轢かれてしまう危険性はもちろん、ねこが人間に危害を加えられる、捨て猫と間違えられて保健所に送られてしまう可能性もあります。
このように、病気やケガ以外で飼い主さんの目が届かない場所ではねこの安全が保証できないので放し飼いはしないようにしましょう。
初めてねこを家に迎えるときは、いろいろなことが手探りで病気の前触れを見逃してしまう場合が多いです。
病気は基本的に早期発見、早期治療するに越したことはないので初めてねこを飼う飼い主さんに向けて、ねこの病気のサインを説明します。
ねこの健康のバロメーターは、
で判断します。
食事を残す日が多くなった、水が全然減っていない、排泄物に血が混じっていたり下痢をしていたりする、一部を執拗に舐めて毛が抜けている、目ヤニや鼻水が出ている。
こういった変化にはすぐに気がついて、できるだけ早く病院に連れていってください。
病院に行った結果、気のせいでも何も迷惑はかかりません。
小さな変化に気がつくのはむずかしいかもしれませんが、変だなと思ったらすぐに病院に連れて行く勇気が大切です。
今回は、初めてねこを飼う人に向けて必要な準備と心構えを解説した記事でした。
どれもねこと暮らす上で大切なポイントなので、始めは意識して生活しましょう。
準備を万全に整えて、ねこにとっても飼い主さんにとっても幸せな暮らしのスタートが切れることを願っています!