2023.01.14
ねこの習性
ねこはどんな夢を見るの?

ねこはどんな夢を見るの?寝言の意味は?そんな疑問にお答えします

ねこが寝ているときに、手足をバタバタと動かしたり、寝言を発したりしているのは夢をみている可能性があると言われています。

愛猫がどんな夢をみているのかな?と想像をめぐらすだけで楽しい気持ちになりますよね。

今回は、ねこがどんな夢をみているのか、寝言にはどんな意味があるのかを解説していきます。

 

目次

1.ねこが夢を見るメカニズムと体の反応
∟1-1.ねこは人間と同様にレム睡眠のときに夢を見る
∟1-2.ねこが夢を見ているときの反応
2.ねこは狩の夢を見る
3.ねこの寝言にはどんな意味があるの?
∟3-1.「ニャオ」や「ニャアン」という話しかけるような寝言
∟3-2.「フーン」という寝息のような寝言
∟3-3.「カカカ」や「ケケケ」という短い寝言
∟3-4.「シャー」と突然言い出したら
4.こんなときには要注意
まとめ

 

1.ねこが夢を見るメカニズムと体の反応

人間が夢を見るのと同じように、ねこも夢を見ると考えられています。

では、どのようなときに、どのような内容の夢を見るのでしょうか?

また、ねこは夢を見ているときに、どのような行動をするのでしょうか。


 

1-1.ねこは人間と同様にレム睡眠のときに夢を見る

眠っている間、ねこは深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。

これは人間の睡眠と同じです。

そして、人間と同じく眠りの浅いレム睡眠のときには夢を見ると考えられています。

人間の場合はノンレム睡眠とレム睡眠の周期は90分ほどで、ノンレム睡眠の時間が長いのが普通です。

それに対して、ねこの場合は25分ほどの周期で、レム睡眠の時間が長いという違いがあります。

浅い眠りのレム睡眠の時間が長いことから、人間と比べてねこのほうがより夢を見やすいと考えられています。


 

1-2.ねこが夢を見ているときの反応

眠っているねこが尻尾を動かしたり、走っているかのように手足を動かしているのを見たことはありませんか?

そんなとき、ねこは夢を見ているのです。

睡眠中のねこは完全にリラックスしている状態で、夢を見ていたとしても勝手に体が動いたりしないようになっています。

眠ったまま巣から飛び出して怪我をしたり天敵に襲われたりしないための安全装置がはたらくのです。

ところが、この安全装置が完璧ではないせいで、夢の内容に反応して、尻尾や手足などの体の一部が動いてしまうことがあるわけです。

ほかに、夢を見ているねこは、以下のような反応をすると考えられています。

  •  ・寝言を言う
  •  ・体をビクッとさせる
  •  ・手をグーパーさせる
  •  ・目をつぶっているのに眼球が動いている
  •  ・食べているときのように口をもぐもぐと動かす

もし、眠っているあいだに上に書いたような様子が見られたら、夢を見ている可能性が高いと言えます。

ただし、眠りの浅いレム睡眠中ですから、ちょっとした物音にも反応して目を覚ましてしまうかもしれません。

苦しそうにしているといった状況でなければ、そっとしておいてあげましょう。

 

2.ねこは狩の夢を見る

ねこも人間と同じように夢を見ることをご紹介しましたが、具体的にはどのような夢を見ているのでしょうか?

1950年代に仏リヨン大学のミッシェル・ジュヴェは、ねこがレム睡眠中に夢を見ていることを裏付ける研究結果を残しています。

ジュヴェは、ねこの脳幹をわざと傷つけて、眠っている間も起きているときと同じように体が動く状態をつくり出しました。

つまり、脳の安全装置を壊したのです。

そして、眠っているねこの行動を観察しました。

レム睡眠中のねこは、威嚇するような鳴き声をあげたり、ほかの動物と争ったり、獲物を追うといった行動を見せたそうです。

オスかメスかによる違いや空腹だったかどうかといった入眠時の状態とは無関係に、研究対象となったすべてのねこが同じような行動を繰り返して行なったといいます。

このことから、ねこは本能に基づいた夢を見ているのだと考えられるようになりました。

夢の中で縄張り争いや狩りをしているのです。

眠っているねこがバタバタと手足を動かしていたら、きっと狩りをしている夢を見ているのでしょう。

そして、そのあとに口をもぐもぐさせていたなら、狩りがうまくいってご馳走にありついたのかもしれません。

また、ねこは人間と同じように、記憶を整理するために夢を見ているとも考えられています。

眠りに入る前に経験したことを整理して、覚えておくべき事柄と忘れるべき事柄を分類して、片づけたり消したりするのです。

 

3.ねこの寝言にはどんな意味があるの?

ねこが寝言を言うのはよく知られています。ねこの寝言を聞いて、どんな夢を見ているのかなと想像をめぐらせたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

ねこの寝言にはいろいろなバリエーションがあって、それぞれに見ている夢が違うという説もあります。

ここでは、ねこがどんな寝言を言うのかをご紹介します。


 

3-1.「ニャオ」や「ニャアン」という話しかけるような寝言

ねこは寝ているときに「ニャオ」や「ニャアン」などと話しかけるかのように鳴くことがあります。

そんなときは、夢の中で母猫や飼い主さんと会話をしていたり、なにかを訴えているのだと考えられています。

夢の中に自分が登場しているのかも、と思うと、なんだかちょっとうれしくなりますよね。


 

3-2.「フーン」という寝息のような寝言

聞こえるか聞こえないかくらいのかすかな声で「フーン」や「ウーン」といった声を漏らすときもあります。

この寝言が出るときは、ねこがかなりリラックスしている夢を見ているのだろうと言われています。

人間なら温泉につかって思わず声を漏らしてしまったような感じでしょうか?

もしかすると、寝言というより寝息といったほうが近いかもしれません。


 

3-3.「カカカ」や「ケケケ」という短い寝言

ねこは窓越しにほかのねこやカラスに遭遇したときなどに、「カカカ」や「ケケケ」という声を発することがあります。

そんな寝言を尻尾をパタパタ動かしながら言うときは、攻撃したいのに攻撃できなくてイライラしているのかもしれませんね。

また、獲物を見つけたときにも同じような声を出しますから、夢の中で狩りがはじまるところかもしれません

眠ったまま手足を動かしていたら、きっと獲物を追いかけているのです。

狩りが成功するように祈りながらそっと見守ってあげましょう。


 

3-4.「シャー」と突然言い出したら

眠っているときに突然「シャー」と言うのを聞いたことがある飼い主さんもいると思います。

この寝言も起きているときと同じで、夢の中でほかのねこを威嚇しているのだろうと考えられます。

もしかしたら、喧嘩に発展するかもしれません。

眠ったままねこパンチを繰り出すのが見られたらおもしろいですね。

 

4.こんなときには要注意

眠っているねこが痙攣を起こしたかのようにピクピクッと動くときがあります。

大抵の場合、これは夢を見ているだけなので問題はありませんが、長時間つづくようだと注意が必要です。

痙攣のような動きが1分以上つづき、口から泡を吹いている場合は、てんかんなどの病気による発作の可能性があります。

すぐに獣医師に相談することをおすすめします。

また、人間と同様にねこも悪夢を見ることがあるようです。

眠っているときに苦しそうな声で鳴いたり、手足をじたばたさせているのは、怖い夢にうなされているせいかもしれません。

そんなときは「大丈夫だよ」「怖くないよ」と声をかけてあげるとよいでしょう。

落ち着いた声で話しかけるのがコツです。

大好きな飼い主さんの声を聞けばねこも安心できるはずです。

ただし、悪夢を見た直後に飛び起きたような場合はパニックを起こす可能性があるため不用意に手を出してはいけません。

飼い主さんの手を夢の中の怖いものと勘違いして噛んだり引っかいたりする可能性があります。

そんなときは、しばらく様子を見て、ねこが落ち着くのを待ってから抱き上げて撫でてあげるのがよいでしょう。

 

まとめ

ねこは人間と同じように夢をみることで記憶の整理をしたり、狩猟本能に基づき狩のシミュレーションをしたりしていると言われています。

狩のほかにも、ねこ同士で喧嘩をしたり、甘えたり、食事をしたりといった日常の夢を見ているという説もあります。

また、ねこの寝言は実にバラエティ豊かで、今回紹介した以外にも「ニャー」と長く鳴いたり「むにゃむにゃ」とお話しているような声を発することもあるようです。

ねこは私たちが考えている以上に多種多様な夢を見ているのでしょう。

愛猫にどんな夢を見ているのか直接聞くことができたら、おもしろい話が聞けるかもしれませんね。

 

 

 

   
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