
ねこは毛の長さから「短毛種」と「長毛種」に分類されます。ふわふわでゴージャスな長毛種、サラサラでシャープな短毛種、どちらも魅力的です。
また、長毛種と短毛種では性格や行動、お世話の仕方も異なります。
今回の記事では、長毛種と短毛種の特徴や違いについて解説します。

ねこの「短毛種」と「長毛種」には明確な定義がありません。
目安としては、以下のような特徴を持つねこは長毛種とされています。
※あくまで目安です。長毛種のすべてが上記の特徴に当てはまるわけではありません。また、短毛種も上記の特徴を持つ場合があります。
また、無毛(もしくは極短毛)の品種も存在します。長毛種、短毛種、無毛種それぞれの代表品種は以下の通りです。
| 短毛種 | ・ジャパニーズボブテイル
・アメリカンショートヘア ・ロシアンブルー ・ベンガル |
| 長毛種 | ・メインクーン
・ペルシャ ・ノルウェージャンフォレストキャット ・ラグドール ・ソマリ |
| (長毛・短毛両方いる品種) | ・スコティッシュホールド
・マンチカン ・アメリカンカール |
| 無毛種 | ・スフィンクス
・バンビーノ ・ドンスコイ |

短毛種と長毛種の違いは毛の長さだけではありません。性格や行動、体型にもそれぞれの特徴が見られます。
主な違いを以下にご紹介します。
※あくまで一般的な傾向です。ねこの性格や体質には個体差があります。
短毛種は好奇心旺盛で陽気な性格が多いといわれています。人にもねこにもフレンドリーなため、お子さんのいる家庭や多頭飼いに向いています。
一方、長毛種はおっとりした性格のねこが多いです。飼い主に深い愛情を持って寄り添う反面、少し神経質な面も併せ持ちます。静かな環境でねこを飼える一人暮らしや夫婦二人の家庭に向いています。
長毛種と短毛種では、飼い主さんにごはんやスキンシップを求める時のアピール法も異なります。
短毛種はおしゃべりな傾向にあります。飼い主さんが応えてくれるまで、ニャーニャーと大声でアピールするねこが多いです。
一方、長毛種は性質が穏やかで、あまり鳴きません。鳴く時もソフトな声で小さく鳴く場合が多いようです。その代わりにじっと飼い主さんを見つめて、「熱視線」でアピールします。
おしゃべりなねこ、じっとみつめるねこ。おねだりの方法は違いますが、どちらもいじらしくてついつい応えてあげたくなってしまいますね。
短毛種は活発で遊び好きです。高いところに登りたがるため、キャットタワーやキャットウォークを用意してあげると喜びます。
もちろん、飼い主さんと遊ぶのも大好き。ねこじゃらしやボールを使うと、ジャンプしたり走り回ったりして、元気いっぱい遊びます。
長毛種はのんびり屋で、同じ場所にじっと座ってくつろいでいることも多いです。おもちゃで遊ぶこともありますが、チョイチョイと軽くつついて遊びをすぐに終えてしまうねこもいます。

短毛種と長毛種ではお世話の仕方も違います。ねこの特徴をよく理解して、適切なケアをしてあげましょう。
ねこは抜け毛が多いため、毛の長さにかかわらずブラッシングは欠かせません。
しかし、長毛種は短毛種よりもこまめな毛のケアが必要です。長毛種の毛は細く長いため、もつれて毛玉になりやすいからです。
長毛種のねこに必要な毛のお手入れを以下にご紹介します。
・シャンプー
ねこはよくグルーミング(毛づくろい)をして被毛を清潔に保ちます。そのため、健康な短毛種であれば、無理にシャンプーをする必要はありません。
しかし、長毛種は毛が絡まりやすく、汚れが残りやすいため、適度な回数のシャンプーが欠かせません。
月に1度程度はシャンプーをして、毛や皮膚を清潔に保ち、毛流れを整えてあげましょう。
・毛玉ケア
通常のブラッシングに加えて、長毛種は毛玉ケアが必要です。毛をすいた後、スリッカーブラシやコームで毛のもつれをほぐします。
特に耳の後ろやわきの下、後ろ足やしっぽのつけねは毛玉ができやすいので、丁寧にケアをしましょう。
・毛のカット
長毛種は季節や毛の状態によって毛のカットが必要になる場合があります。毛の長さや量を整えることにより、毛の汚れや毛玉を減らせます。また、毛や皮膚の風通しをよくして、皮膚トラブルを減らせる点も大きなメリットです。
全身のカットが難しい、もしくは必要ない場合でも、部分的なカットをすることでねこの健康を守れます。
・おしりの周り
おしりの周りに長い毛が生えていると、うんちの汚れがつきやすくなります。乾いてしまうと拭いても取れづらく、飼い主さんにもねこにもストレスになってしまいます。
おしり周りの毛をバリカンやはさみで短く切ることで、汚れが付きづらくなります。
・肉球の間
ねこの肉球の間には「タフト」と呼ばれる毛が生えています。長毛種はタフトが長いため、フローリングなどで滑ってしまう危険性があります。専用の足裏バリカンで短くしてあげましょう。
・顔周り
顔周り、特にあごの毛が伸びていると、食べ物の汚れがつきやすくなります。自分できれいにしづらい部分でもありますので、カットすることで清潔を保ちましょう。
傷つきやすい耳や目に近いため、カットに慣れていない場合はトリミングサロンや動物病院でカットしてもらいましょう。
短毛種はアクティブで遊び好きなねこが多いです。ねこじゃらしやボールを使って体を使う遊びをしてあげましょう。遊びが足りないといたずらや脱走をしてしまうこともあるため、毎日しっかり運動させてあげましょう。
一方、長毛種はおとなしく寝そべっているねこが多い傾向にあります。ひざに抱っこして一緒にテレビを見るような、リラックスタイムを一緒に過ごすとよいでしょう。その時にブラッシングをしてあげれば、コミュニケーションとねこのケア両方ができて一石二鳥です。

最後に、短毛種と長毛種のよくある疑問についてお答えします。
短毛種から長毛種が生まれることはあります。
ねこの毛の長さを決める遺伝子にはL(短毛)とl(長毛)があります。短毛が顕性、長毛が潜性となっており※、LL、Llは短毛、llのみ長毛となります。
LLの遺伝子を持つ短毛種同士が交配しても長毛種は生まれません。しかし、Ll同士であれば、4分の1の確率で長毛種が生まれます。
このことから、短毛種から長毛種が生まれることは十分にありえます。
一方、長毛種同士を交配した場合、原則として短毛種は生まれません。
※従来は「優性」、「劣性」という用語が用いられていましたが、現在では「顕性」、「潜性」という表記が一般的になっています。
野良猫は短毛種が多く、長毛はあまりいません。その理由としては以下のようなものが考えられます。
【1】そもそも長毛種の数が少ないから
先ほど触れた通り、長毛種は潜性遺伝のため、野良ねこ同士が自由に交配した場合、現れにくい傾向があります。
そのため、短毛種に比べると見かける機会は少なくなります。
【2】長毛種には純血種のねこが多いから
長毛種のねこの大半は純血種であることから、避妊手術もしくは人の手による純血種同士の交配をする場合が多いです。
そのため長毛種が野良猫になったり、野良の状態で出産したりするケースが少ないと考えられます。
赤ちゃんねこは毛が短く薄いため、長毛種と短毛種の区別がつきづらいです。純血種であれば予想はつきますが、保護ねこの場合は成長後の毛の長さがどれくらいになるか分からないこともあります。
以下のような特徴のある子ねこは、長毛種になる可能性があります。
長毛種の特徴は、生後3ヶ月頃に現れ始めます。子ねこを保護した時は、「この子は短毛かな、長毛かな?」と成長をワクワクしながら見守ってあげましょう。
ねこの短毛種と長毛種の違いやお世話法をご紹介しました。サラサラの毛がスポーティーな印象の短毛種は、性格も活発で遊び好き、フワフワのゴージャスな毛を持つ長毛種はのんびり屋と、性格にも違いがありますが、どちらもとても魅力的です。
ねこの性格や毛の長さに合わせたケアやスキンシップを行ってねこの健康を守り、ねこと楽しく過ごしましょう。