虎を意味する「タイガー」と聞き間違えてしまいそうなトイガー(toyger)。
日本にはまだあまり広まっていなく、比較的新しい猫種です。
外見は虎に似た風貌を持ちながら、しっかりとねことしての性格を持ち合わせています。
トイガーが気になったけどどんなねこなのか気になってしまった方は是非トイガーについて詳しくなり、一緒に暮らすことも考えてみましょう。
日本ではまだ聞き慣れないトイガーという猫種は、一体どんなねこなのでしょうか。
虎によく似ていることからトイガーと名付けられているので、ひと目見れば予測はつきますが、どのような特徴があるねこなのか、その実態ははまだ知られていません。
そこで、まずはトイガーについてどんなねこなのかをご紹介していきます。
トイガーという猫種が生まれたのは、1980年代です。
この頃の猫種は「こんなねこがいたら可愛い」という狙いがあって交配することが多いのですが、トイガーの場合は偶然生まれたねこが始まりでした。
アメリカでベンガルのブリーダーをしていた人物の元に、虎にそっくりの柄を持ったねこが生まれます。
それを見た瞬間、虎のような外見を持ったねこは可愛いのではないかと思いつき、繁殖が始まったのです。
実際には1993年にTICAで猫種として予備登録され、正式には2006年に登録されました。
予備登録から正式に登録されるまで観察期間があるのは、猫種によって遺伝的な病気が多かったり短命である場合、そういったねこを増やすことは倫理的に問題があるからです。
正式に認められたトイガーは、現在も世界中に徐々に人気を高めている猫種です。
トイガーという名前の由来は、おもちゃを表す「トイ」と虎を表す「タイガー」が混ざってできた名前です。
いくら虎が好きだと言っても、実際に虎と暮らせるのは元ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソンでもない限りはかなり難しいことでしょう。
しかし、トイガーであれば雰囲気は虎であり性格はねこという、虎と暮らしている感覚にさえなれる猫種ということで人気があります。
攻撃的な虎のイメージを持っている方も多いかもしれませんが、野生の虎であってもくつろいでいるときはねこっぽい仕草をよくしている姿を見ます。
トイガーと暮らしていると、そんな虎のような一面も見れること間違いなしです。
トイガーとして認定を受けるために最も厳しく見られる部分が、サーキュラーマーキングという虎柄であることです。
元々ベンガルの子どもとして生まれているトイガーなので、この特徴的な柄を持っていなければベンガルと変わらないという判断を受けてしまいます。
さらに、日本でもトラ系のねことしてキジトラやサバトラなど、縞がついているねこに対してトラという名前で表現してきました。
これらの他の縞がついたねこと性格に区別をつけるために、トイガーの柄は厳しく審査されているのです。
トイガーと暮らす際にはどのように接することが良いのかをご紹介していきます。
猫種によって性格はバラバラなので、性格によって接し方を変える必要があります。
接し方次第では信頼関係も深まりますので、どんな性格かを知ることは非常に大切なことなのです。
また、トイガーと暮らす際に注意しておきたいこともご紹介します。
ねこがストレスを抱えないように生活するのも、人間の重要な役目です。
ねこと仲良く末長く暮らすために、性格と注意点はしっかりおさえておきましょう。
トイガーの外見は引き締まっていて筋肉質なので、野生的に感じられるかもしれません。
しかし、実際には穏やかであり、人間によく懐くのでねこと初めて暮らす方にとってもおすすめできる猫種だと言えます。
また、普段は温厚ですが興味を持ったものには活発的になるので遊ぶことも大好きです。
知性も高いことから、しつけがあまり必要ないというのも魅力の一つです。
何か悪いことをしてしまったときは、ストレスなどの何かしらの原因があることが多いです。
いたずらはストレスの指標にもなるため、悪さをし始めた際にはストレスの原因を探るようにしましょう。
遊び好きのトイガーは、おもちゃを見せると一目散に遊びに参加するほど活発なねこです。
遊ぶことによってストレス解消にもなりますし、人間との信頼関係も構築できるため1日のうち少しでも遊ぶことをお勧めします。
ただし、遊ぶ際には遊び場所に注意してください。
ある程度広い場所で遊ばなければ、ねこが怪我をしてしまう可能性もあります。
おもちゃを追いかけて止まれなかったり、ジャンプして着地地点にものがあると危険です。
場所に注意するとともに、危険を回避できるように人間が意識して遊びましょう。
また、キャットタワーを設置すると上下運動ができるため運動量が増えてトイガーも満足します。
トイガーは人に懐きやすい猫種なので、呼んだり撫でたりすることでも信頼関係の構築ができます。
もちろん運動を行わなければストレスにつながってしまいますが、人間と一緒にいることを好むねこです。
そのため、できるだけ一緒にいてかまってくれる人に懐く傾向があります。
もし家庭で複数の人間がいた場合、最も懐くのは一番自分をかまってくれる人です。
当然のように思うかもしれませんが、1人が好きなねこの場合はしつこい人間は嫌われる傾向にあるので、トイガーは接しやすいねこだと言えます。
たくさん可愛がることで、どんどん信頼関係を深めてください。
ねこと暮らす場合、注意しなければいけないのはねこの病気です。
ねこの病気は例え猫風邪であっても動物病院を受診しなければ治るケースは少ないです。
また、ねこが体調不良を訴えてくることはありませんので、人間がねこの様子を見て異常を確認したらすぐに対処する必要があります。
そこで、トイガーが注意したい病気についてご紹介しますので、もしトイガーと暮らすことになった際には異常がないかをしっかり確認しながら生活しましょう。
トイガーが最もかかりやすい傾向にあると言われているのが、猫伝染性腹膜炎です。
かなり致死率も高く、症状が発見しにくいことも厄介な病気です。
ウイルス性のものですが、体内に常駐している時は症状がありません。
しかし、毒性を持ったウイルスが変異して生まれると、お腹などに水が溜まったり、肉芽腫となり体内を蝕んでいく危険な病気です。
トイガーは猫伝染性腹膜炎の発症率が高いことが報告されており、危険性の最も高い病気です。
黄疸が出るなどの症状が見られることもありますが、もし元気がない場合などは動物病院でしっかりと検査してもらう必要があります。
肥大性心筋症はねこに多い病気であり、発症しても気づかずに一生を終えるねこも多い病気です。
しかし、心臓が大きくなってしまう病気なので悪化してしまうと心筋梗塞などの命に関わる危険性があることも忘れてはいけません。
ねこが息苦しそうにしている様子などが見られた際には、一度しっかりと検査を受ける必要があります。
猫伝染性腹膜炎と併せて、定期検診を受けることもおすすめです。
早期発見が命を救うケースが多いため、定期検診は検討してみる価値は大いにあります。
腎臓に関わる病気は歳をとるとどんなねこでも発症リスクが跳ね上がる病気です。
元々砂漠に暮らしていたねこの祖先は生きるためにあまり水を必要とせず、さらにねこの舌の構造を見ると水を大量に飲むことは難しくできています。
寿命が短い頃であれば問題ありませんでしたが、ねこの寿命が伸びたことにより体内の老廃物を出しきれずに腎臓を悪くするねこが多く見られるようになりました。
対策方法は、普段からたくさん水を飲むことを習慣づけてください。
常に水を切らさないようにすることと、いろいろな場所に水を設置することで飲む機会を増やしましょう。
長年の生活習慣が寿命に関わるため、是非とも実践したい事案です。
小さい虎という意味のトイガーは、遊んでも撫でても喜んでくれる素晴らしいねこです。
トイガーの住みやすい環境を整えることによって、かけがえのない時間が過ごせることは間違いありません。
健康に留意しつつ、素晴らしいトイガーとの時間を大切にしてください。